化野念仏寺

化野念仏寺
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こちらの場所はかつて遺体を風葬されていて、それらの供養を空海がしたのちに建てたのがこちらのお寺。そのため、約8000体の石仏・石塔が立ち並んでいます。

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化野念仏寺の基本情報


【 住所 】京都市右京区嵯峨鳥居本化野町17


公式ページ

「あだし」とは、はかなさ……世の無常を先人たちが伝える「化野念仏寺」

正式名称「華西山東漸院念仏寺(かさいざんとうぜんいん)」は、空海が建立した真言宗のお寺が始まりです。

多数の石仏や石塔が並ぶ、化野(あだしの)周辺は、かつては葬送の地でした。

境内の厳かな佇まいが、当時の情景を僅かに伝えてくれる「化野念仏寺」の詳細をご紹介していきます。

無数の石仏群の歴史

古来、小倉山の東麓一帯は化野と呼ばれ、東の鳥辺野(とりべの)、北の蓮台野(れんだいの)と並び風葬の地でした。

弘仁年間(810~824年)に、空海が五智山如来時(ごちざんにょらいじ)を開創し、死者を供養しました。

当時、高雄山寺(現神護寺)から、嵯峨院(現大覚寺)に通う空海が目にしたものは、化野に野ざらしにされた無数の遺骸と石仏でした。

風雨にさらされながら、さまよう霊魂を憐れに思い、散乱する白骨を埋葬したと伝わります。

ちなみに風葬による弔いは、江戸時代まで続いたそうです。その光景に無常を感じた歌人たちが、歌を残しています。

「誰とても留まるべきかはあだし野の草の葉毎にすがる白露」(西行法師)と詠まれました。

一時、寺は荒廃しましたが、鎌倉時代に法然上人が念仏道場を開き、真言宗から浄土宗に改宗、現在の寺名に改称されました。

御本尊は湛慶(たんけい)作と伝わる阿弥陀如来坐像で、本堂に祀られています。

その後、1712年11月に黒田如水の外孫の寂道和尚により、現在の本堂が再建されました。

風葬は、江戸時代まで続きましたが、明治の中期に地元の人々が、寺の周り1万坪の範囲に散乱していた、約8,000の石仏を集めて並べたそうです。

おすすめ拝観コースと見どころ

愛宕街道から石畳の参道を進み、石段を上った先に拝観受付所があります。

拝観料500円を納めて境内に入ると、苔むした石仏が目に入ります。

そのまま進むと、いよいよ石垣に囲まれた石塔が右手に見えてきます。

江戸時代に造られた十三重石塔が、無数の五輪塔を従えるように立つ姿に、思わず手を合わせてしまいました。

五輪塔が囲む「西院の河原」には、表情が分からないほどに朽ち果てた、おびただしい数の無縁の石仏が並びます。

多くは室町時代に造られましたが、平安時代のものもあるそうです。

釈迦如来坐像を取り囲む石仏は、釈迦宝塔説法を聴く信者になぞらえて配置されています。

無常観漂う景色から、「さいの河原」を模して、西院の河原と呼ばれるようになりました。

茅葺き屋根の本堂は、境内の奥にあり、ご本尊を安置しています。ご朱印はこちらでいただきましょう。

本堂の周囲には竹林や楓の木があり、奥嵯峨の雰囲気を漂わせています。

本堂となりの庫裏(寺務所)の前には、延命地蔵尊が祀られています。生まれた子を病気から守り、その寿命を延ばしてくださるそうです。

また、みず子地蔵尊は、竹林と多聞塀の前にある、茅葺屋根の小さなお堂に祀られています。

本堂の左手に進むと、これぞ嵐山という「竹林の道」があります。石段をゆっくり登れば、別世界に迷い込んだような景観がひろがります。

撮影にはベストポイントですので、写真がご趣味の方にもおすすめですよ。

清々しい空気を感じながら、5分ほど上がった先に六面六体地蔵がいらっしゃいます。

6つの迷界(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人道、天道)にお地蔵様が居られ、人間を救ってくださるそうです。

しっかりお参りして、竹林の道をもどります。入口の釈迦坐像と阿弥陀坐像の石仏2体は、鎌倉時代に造られたもので、優しいお顔の小さな仏さまです。

拝観受付所の手前にありますので、お見逃しなく。

京都の夏の風物詩と名高い「千灯供養」は、お地蔵さまの縁日である地蔵盆の日に催されます。

地蔵堂前で法要が行われた後、西院の河原に祀られた8,000体もの無縁仏の石仏と石塔に、ろうそくを灯して供養します。

暗闇の中、揺れる灯りに浮かびあがる石仏の姿に祈る、幻想的で厳かなお祭りです。

近くで行われる「愛宕古道街道灯し(あたごふるみちかいどうとぼし)」というイベントでは、嵯峨鳥居本(さがとりいもと)一帯のライトアップも楽しめますよ。

道なりに置かれた行灯は、地元の方々の手づくりだそうです。小さな行灯から大きなものまで、歩きながら楽しく眺められます。

夕涼みにのんびりと散策されては、いかがでしょう。癒されますよ。

紅葉狩りもおすすめです

嵐山は紅葉の名所として有名ですが、化野念仏寺も十分紅葉狩りが楽しめますよ。

例年、11月上旬から色づき始め、見頃は11月下旬から12月上旬です。

参道から西院の河原、鐘楼の周りにも美しい紅葉がひろがります。

緋色の背景と苔むした石仏や石塔とのコントラストは、観る人々を幽玄の世界へと誘います。

化野念仏寺の行事は?

年間を通して行事はありますが、特に夏の「千灯供養」が有名です。

浄焚式(じょうぼんしき)
6月24日13:00から古くなった御札、塔婆、お守りの供養です。

千灯供養(せんとうくよう)
8月23日・24日受付開始 17:30(灯明 18:00)受付終了 20:30(閉門 21:00)
行事協力維持料 ¥1000(小学生以下 無料)
※ろうそく、パンフレット込みです西院の河原に祀られた、数千体の無縁仏にろうそくを灯し、供養します。

お火焚(おひたき)
11月23日神様からさずかった、みのりや収穫に感謝し、送り火を焚くお祭です。

水子供養(みずこくよう)
毎月24日 14:00より(約30分)※供養の申込みは、随時受付ています。

基本情報

開門 9:00~16:30 受付終了(1、2、12月は15:30に受付終了)
※閉門は受付終了から最大30分後となります。荒天時は、安全のため休観となります。
入山拝観料・大人 500円・中学、高校生 400円・小学生以下(保護者同伴に限る)無料
〒616-8436 京都市右京区嵯峨鳥居本化野町17

アクセス

電車
JR嵯峨野線京都駅から乗車、嵯峨嵐山駅下車、徒歩約25分
京福電鉄四条大宮から乗車、嵐電嵐山本線嵐山駅下車、徒歩約30分
京福電鉄北野白梅町駅から乗車、嵐電北野線帷子ノ辻で乗換、嵐山駅下車、徒歩約30分
※いずれも徒歩又は京都バスに乗り換え

バス
京都駅から京都バス72号系統「嵐山・清滝行き」に乗車、四条烏丸、四条大宮経由、鳥居本下車(約40分)
三条京阪から京都バス62号系統「嵐山・清滝行き」に乗車、三条河原町、二条駅、千本丸太町経由、鳥居本下車(約40分)
※バス停「鳥居本」より徒歩約5分

自動車
名神高速道路京都南ICから、京阪国道を北上、松尾大社、嵐山を経由して、府道29号線に入る(約15km、37分)

駐車場
化野念仏寺前今井駐車場(27台)
営業時間 9:00~17:00
料金 2時間500円
※境内入口まで、徒歩約4分

松山ガレージ(8台)
料金 2時間500円

拝観時のご注意

千灯供養当日は、混雑しますので、公共の交通機関をご利用ください。

また、三脚などを使用しての写真撮影は、禁止です。

石仏、五輪の塔に触れないでください。倒壊の危険があります。

荒天時、千灯供養は中止になります。

渡月橋周辺は大混雑しますが、化野念仏寺は比較的人が少ないので、ゆっくりと参拝できます。

特に秋の行楽シーズンは、人混みを避けて紅葉狩りができるので、ぜひ訪れてみてください。

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