足利市立美術館おでかけガイド

足利市立美術館の概要

足利市立美術館は栃木県足利市に1994年4月に開館した公立美術館です。市街地のほぼ中央に位置し、市営集合住宅と一体化した建物は千代田設計によるものです。外観はモダンなデザインで、館内は展示に適した落ち着いた空間になっており、自然光の活用にも工夫が見られます。コレクションは地元・両毛地域ゆかりの現代美術作品を中心に収蔵しており、年に数回の企画展では絵本原画や現代写真、彫刻など幅広いジャンルの作品を紹介しています。常設展示では現代アートや彫刻が楽しめるほか、浅川邦夫氏など足利ゆかりの画家による寄贈コレクションも鑑賞できます。

四季ごとの楽しみ方

  • 春(3~5月): 足利では桜が見頃を迎え、市内各所で「桜めぐり」が楽しめます。美術館周辺では旧袋川沿いや足利公園、鑁阿寺(足利氏邸跡)などが桜の名所で、歴史的景観とともに春の花々を満喫できます。さらに4月下旬~5月上旬にはあしかがフラワーパークの大藤や白藤のトンネルも見頃となり、淡い藤色の絨毯が広がります。美術館内は常に冷房が効いて温度が一定のため、春先でも上着を一枚持参すると安心です。
  • 夏(6~8月): 毎年8月第1土曜日には渡良瀬川河川敷で約2万発の「足利花火大会」が開催され、市内外から多くの観客が訪れます。花火大会当日は周辺施設が無料開放されることも多く、街歩きしながら鑑賞できます。美術館は館内が涼しく快適なため、暑い日の屋内観光スポットとして最適です。夏休み期間には子ども向けワークショップが企画されることもあります。
  • 秋(9~11月): 足利の秋は紅葉が美しく、市街地を囲む山々や寺社が赤や黄金色に染まります。鑁阿寺の大イチョウや史跡足利学校の銀杏、織姫公園のもみじ谷などが代表的な紅葉名所で、鮮やかな秋景色を楽しみながら散策できます。美術館内は常に一定の涼温度に保たれているので、紅葉狩りとあわせて風景画や伝統工芸展などの秋の企画展も快適に鑑賞できます。
  • 冬(12~2月): 冬期はあしかがフラワーパークのイルミネーション「光の花の庭」が名物です。500万球以上の灯りが藤棚やバラ園、水連池などを彩り、幻想的な冬景色を創出します。美術館で暖かな屋内鑑賞を楽しんだ後は、車で約10分のフラワーパークへ足を伸ばすのがおすすめです。館内は暖房が効いて快適で、年末年始の休館を除いて通常通り開館しています。また2月上旬には鎧武者行列「節分鎧年越」など伝統行事も行われ、冬の足利ならではの風物詩が楽しめます。

展示内容(子ども向け展示も)

  • 企画展: 現代美術から伝統美術まで幅広いジャンルの国内外作家を紹介しています。特に子ども連れに人気なのは絵本原画展で、色彩豊かな絵本の世界が楽しめます。例年開催された「ブラチスラバ世界絵本原画展―絵本でひらくアジアの扉―」では、日本や韓国の作家による原画が並び、異文化理解の機会ともなりました。
  • 地元作家・絵本展: 足利ゆかりの作家作品展のほか、大判絵本アート展「ザ・キャビンカンパニー大絵本美術展―童堂賛歌―」など絵本やアートブックをテーマにした企画展も開催しています。絵本を通じたアートの楽しみ方が幅広く提案されています。
  • 常設展示: 現代アートや彫刻を常時展示するとともに、浅川邦夫氏コレクションなど地元作家の寄贈作品も随時公開しています。訪れるたびに新しい作品と出会えるコレクションが魅力です。

親子向けプログラム・ワークショップ

  • ワークショップ: 地元のボランティア団体「足利チャイルドあーとくらぶ」が年2回程度子ども向けワークショップを開催しています。たとえば2022年にはアーティスト山崎小枝子氏を講師に招き、プラ板で海の生き物ブローチを制作し、大きな海の風景を表現しました。また2023年には光山明氏を招き、渡良瀬川の流木を使って自分自身を表現するワークショップ「もう一人のわたし」を実施し、小学生たちがそれぞれの作品を作り上げました。どのプログラムも子どもたちが自由に創作できる内容で、保護者は隣で見学する形式です。
  • 読み聞かせ・えほんコーナー: 乳幼児と保護者を対象とした鑑賞会や、館内に常設の絵本スペース「えほんコーナー」があり、小さな子どもも気軽にアートに親しめる環境が整っています。作品鑑賞だけでなく、絵本を通じた学びの場が提供されています。

施設・設備・サービス

  • バリアフリー対応: 館前広場から入口までスロープが設置され、館内はエレベーターと各階のスロープでつながっています。車椅子は受付で貸出可能で、館内照明や展示配置も配慮されており、移動や鑑賞がしやすい環境です。
  • 多機能トイレ: 2階・3階に車椅子対応の多機能トイレがあり、オストメイト対応設備やおむつ替えベッドも完備されています。誰もが安心して利用できる設備が整っています。
  • ベビーカー対応: 館内は段差が少なくベビーカーでの移動もスムーズです。ベビーカーの貸出サービスも用意されています。授乳室はありませんが、必要に応じてスタッフに申し出れば対応してくれます。
  • その他の設備: 館内にはコインロッカーとミュージアムショップ(図録・絵葉書販売)があり、荷物を預けて身軽に見学できます。駐車場は無料で利用でき、館内外ともバリアフリーが徹底されています。

子連れ安心ポイント

  • 入館無料: 中学生以下は常設・企画展とも入館無料です。さらに毎月第3日曜日は「家庭の日」として、中学生以下を同伴する家族全員が無料で入館できます。
  • 安心環境: 館内は照明が落ち着いており、騒音が響きにくいので親子で静かに作品鑑賞が楽しめます。展示室内は冷暖房で一定の温度に保たれて快適ですが、季節によっては肌寒く感じることもあるので、上着を持参すると安心です。
  • 見学サポート: 館内に遊戯スペースはありませんが、広いホールや休憩スペースで好きな作品について話したり、館内スタンプラリーを親子で回ったりして過ごせます。参加型の楽しみ方が用意されています。
  • キッズグッズ: ミュージアムショップでは子ども向けの絵はがきやグッズも販売しており、気に入った作品をお土産にして思い出を持ち帰れます。

周辺観光・組み合わせプラン

  • 織姫公園・鑁阿寺・足利学校: 美術館から徒歩圏内のおすすめスポットです。織姫山の展望台からは街並みが一望でき、春の桜や秋の紅葉が見事です。鑁阿寺(足利氏邸跡)では大銀杏が有名で、秋には寺社全体が彩り豊かになります。足利学校跡では日本最古の学び舎の趣を感じつつ、境内の見事な大イチョウも見応えがあります。
  • 足利公園: 車で約10分、市中心部西側にある広大な公園です。芝生広場や遊具があり、子ども連れの家族遊びに最適です。
  • あしかがフラワーパーク: 車で約10分、四季折々の花が楽しめる観光名所です。4月下旬~5月初旬には大藤や薄紅色の藤棚が見事に咲き誇り、夏は色とりどりの花壇、冬はイルミネーション「光の花の庭」が華やかです。
  • その他: 市内には歴史博物館や室内遊具施設なども点在しています。天気の良い日はこれらの観光スポットを巡りながら美術館と組み合わせ、一日中楽しむプランがおすすめです。

駐車場・アクセス

  • 駐車場: 美術館前広場に無料駐車場(8台)があり、展覧会開催時以外は利用できます。ほかに、美術館施設内に20台分(徒歩2分)と、周辺市営駐車場にも約100台分(徒歩1~7分)の無料駐車スペースがあります。いずれも終日無料で利用でき、幼児連れでも安心です。
  • 公共交通: JR両毛線「足利駅」または東武伊勢崎線「足利市駅」からいずれも徒歩約10分です。また、足利市生活路線バス「あしバスアッシー」の「美術館前」停留所が美術館入口前にあり、便利にアクセスできます。
  • 車利用: 北関東自動車道・足利ICから約15分、東北自動車道・佐野藤岡ICから約40分で到着します。上記アクセス情報は公式サイトで最新状況を確認してください。

料金システム・お得情報

  • 観覧料: 企画展により観覧料は異なりますが、中学生以下は常に無料です。20名以上の団体は2割引になります。
  • 割引制度: 市民向けの「あしかがいきいきパスポート」提示や高齢者割引による無料入館制度があります。障がい者手帳をお持ちの方と介護者1名は無料で入館できます。
  • 家庭の日: 毎月第3日曜日は「家庭の日」として、中学生以下を同伴する家族全員が無料で入館できる特典があります。家族でのお出かけに大変お得なサービスです。
  • 注意点: 特別展によっては事前予約制や異なる料金体系の場合があります。最新情報は公式サイトで必ずご確認ください。
  • お土産: 館内ミュージアムショップでは展覧会図録や絵はがきなどが購入でき、帰宅後も美術館の思い出を振り返ることができます。

帰宅後のアート体験・学びの提案

  • 展覧会で購入した図録や絵はがきを家族で広げ、「今日一番好きだった作品は何か」「どこが面白かったか」を話し合ってみましょう。子どもには画用紙や色鉛筆を渡し、鑑賞した作品の模写や自由な絵を描かせると創造力が育まれます。
  • 美術館で見たテーマ(花や生き物など)に合わせ、家で親子一緒に絵を描くのも楽しい学びになります。たとえば花の展示を見た後であれば、庭の花や公園の植物を観察して絵を描いてみるのもよいでしょう。
  • 興味を持った作家や題材があれば、図書館やインターネットで調べて理解を深めるのもおすすめです。本で作品解説を読んだり、関連する展覧会を探したりしてみましょう。
  • 日常生活の中でも「アートの目」を育む工夫をしてみてください。冬にイルミネーションを見た色彩を思い出しながら光をテーマに絵を描いたり、街中の色彩や形に気づかせたりする遊びも効果的です。こうした体験を通じて、親子での美術鑑賞は家族にとって楽しい思い出となるでしょう。
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