等々力渓谷

等々力渓谷
photo by @mi__chael_7
東京23区内で唯一の渓谷。東京都の名勝に指定されているほど自然が溢れる場所。珍しい生物にも会えるかも!?

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等々力渓谷の基本情報


【スポット】等々力渓谷
【ふりがな】とどろきけいこく
【 住所 】東京都世田谷区等々力1-22、2-37~38
【アクセス】東急大井町線 等々力駅 徒歩約3分
【最寄り駅】等々力駅
【営業時間】年中無休
【 料金 】無料
【クーポン】なし

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等々力渓谷を最大限満喫するために ~フリーきっぷでGO!!~

等々力渓谷とは

東京都世田谷区に位置する「等々力渓谷」は東京23区内では唯一の渓谷として知られており、東京都指定名勝にもなっている自然が豊富な散策路・及び公園です。

一級河川である谷沢川(やざわがわ)の最も下流にありながら、周辺の大地と比べておよそ10メートル近く切れ込んだ深い谷の姿は「渓谷」の名称に恥じません。元来、周辺地域が急傾斜を伴う形状をしていた事から、世田谷区という都下でも屈指の住宅エリアにおいて開発を逃れ、今に至っています。

渓谷の散策遊歩道は南北約1kmで誰でも気軽に普段着で散策が可能。渓谷の南側は多摩川の土手に面しており、ウォーキングコースとして往復したり、そのまま多摩川河川敷経由で興隆著しい二子玉川方面に出る方々もいらっしゃいます。

渓谷の生態系は非常に豊かで、雑木林はケヤキやシラカシ・コナラを筆頭に、季節ごとに目を愉しませるヤマザクラやイロハカエデの大木が枝を伸ばす姿も見られます。他方、渓谷の特徴的生態系として「シダ類」「コケ類」を筆頭とした湿生植物の宝庫で、生態系観察のフィールドワークの現場としても広く知られています。

更に、爬虫類・昆虫類・魚類・鳥類が豊富で、こうした自然との出会いを求めて、カメラを携えて等々力渓谷を訪問される方も大変増えています。

等々力渓谷へのアクセス

等々力渓谷が愛されているのは、アクセスの良さも理由の1つです。

最寄駅は東急大井町線の「等々力駅」です。各駅停車しか停車しない島式1面のこじんまりしたホームは、そこが東京23区内である事を良い意味で感じさせず、どこか懐かしさえ感じるほどです。

上下線の線路に挟まれる形で駅舎があり、いわゆる「駅構内踏切」がある駅は、地下化や高架化が進む23区内駅では珍しい形状ですので、ちょっとした話のタネに。そして、駅を出て左右を見渡せば、明らかに一角だけ緑に満ち溢れた方向がありますので、道を間違える様な事もありません。勿論、案内看板も出ています。

等々力渓谷は公式には駐車場の案内がありません。ですが、お子様をお連れの方などは、渓谷に併設する「等々力不動尊」の駐車場をご検討ください。ここは不動尊へお参りする方のために設けられた無料の駐車場で、誰でも利用できます。

不動尊(後述)から徒歩で渓谷に下っていくルートも用意されていますので、お参りに後に少し渓谷を散策する程度であれば許容範囲です。(土日祝日や不動尊で催しが行われる日、また桜や紅葉の時期はマナーを守ってご利用下さい。)

フリーきっぷ活用法

等々力渓谷を観光として訪問される方は東急電鉄のフリーきっぷの活用をご検討ください。

この等々力駅を含めた「渋谷」「二子玉川」「自由が丘」という3駅で構成される三角エリアにある東急線全駅で乗り降り自由な「トライアングルチケット」があります。この切符を活用しますと、等々力渓谷の前後に上述の魅力的な3駅を訪問する事が可能です。

「三軒茶屋」「代官山」「中目黒」といった駅にも下車可能ですので、渓谷との天地ほどのギャップが面白く感じられると思います。午前中の早い時間に人の少ない渓谷を散策し、オシャレな街へ移動して遅いランチ。午後はお買い物。そんな充実の1日が実現可能です。

他にも、等々力駅のお隣「上野毛駅」には、この等々力渓谷にも所縁ある「五島慶太」の名前を冠した美術館があり、特別展は常に注目を集めています。そしてその庭園も見事で、秋の紅葉の時期などは近郊でも屈指の絶景となります。

また大井町線「九品仏」で下車頂くと「浄真寺」というお寺に参拝できます。ここも紅葉が美しい参道を誇り、重厚な山門、そして何よりも全国で、ここと京都府の木津川市にある「浄瑠璃寺」にしか無い『九体阿弥陀』様が安置されています。

近世以前に製作され現在までその姿を完全な姿で残すのは全国でたったの2例なので、等々力渓谷で自然を味わった後に、知的教養を満たしに訪問する事もオススメです。(九体阿弥陀及び釈迦如来像は、現在、平成の大修理が行われており、1体ずつ順次修理との事で、お寺にいらっしゃらないケースもあります。:平成26年〜平成42年を予定)

等々力渓谷訪問の際のアドバイス

最も重要な事は前日及び当日の天候です。必ずご確認ください。特に前日に雨が降っていた場合は、渓谷の散策路が激しくぬかるんでいる場合があります。それなりに歩きやすく簡易的な整備はされていますが、汚したく無い靴で来るのは避けたほうが良いです。

自然の形状を生かしたままの部分もあり、水が引かずに水溜まりになってしまい遊歩道が途切れた様なケースもあります。また汚れという側面以外でも、足元は悪く、普通に歩いていても滑ったり転んだりは十分にあり得る話なので、少なくとも「きっちり歩ける靴」で訪問する様にしてください。

また、大雨や台風の後などは水位が上昇していたり、周辺からの湧き水が遊歩道を水浸しにする事があります。絶対に無理をしないでください。(等々力渓谷は普段は水位も低く水量も少ないので、この「プチ氾濫」が生じると、それ目当てに行く人々もいる程です。)

等々力渓谷の見どころ

駅からアプローチすると最初に出会うのが「ゴルフ橋」です。渓谷の緑に映えるその赤い橋はその名の通り、遠い昔このエリアに広大なゴルフ場が整備されていた事を物語ります。その営業期間は僅か8年足らずでしたが、今もその名が残ります。

渓谷内には「横穴式古墳」があり公開されているのでお立ち寄りください。この横穴式古墳は近隣に現存する「野毛大塚古墳(帆立貝式古墳で東京都指定史跡:渓谷から5分程度)」を含めた「野毛古墳群」の一角を成しています。

渓谷の南端側には自然の地形を活用した「日本庭園」が整備されていて、季節の花々を楽しむ事が出来ます。およそ緑一色の渓谷散策路の先に、季節の色を感じられます。

渓谷散策の際に必ず訪れていただきたいのが「等々力不動尊」です。等々力のお不動様は地域の厚い信仰を集める寺院で、金剛界大日如来様を本尊とし、その創建は平安末期にまで遡ると言われます。

お不動様から渓谷に下りた場所には、現在でも修行のために用いられる事があるという「不動の滝」があり、この湧水からなる滝こそが、等々力不動の創建に深い関わりを有しています。

等々力不動尊はサクラとモミジの名所としても広く知られており、時期になると大変多くの方で賑わいますが、他にも、不動尊主催でタケノコ掘りやミカン狩りといったイベントが催されたり、豆まきや七夕会といった地域との関わりを大切にする地元に溶け込んだお寺でもあります。訪問前には是非、等々力不動尊のホームページをご確認になり、渓谷散策以外のお楽しみが無いかを確認してください。

渓谷散策は全て徒歩になりますので、自然を満喫しお不動様に手を合わせた後はお腹も空きます。上述の不動の滝のすぐ側にはお茶処「雪月花」があり、お茶やお菓子が頂けます。

また、先述のゴルフ橋から少し歩いた場所、大地の上に「OTTO」というイタリア料理屋さんがあります。ここの一部の席からは眼下に等々力渓谷の緑を眺める事が出来て、知る人ぞ知るランチスポットになっています。

等々力渓谷散策レポ

季節を問わず、本当に穏やかな時が流れている場所です。真夏でも雑木林が日差しを遮ってくれるので涼やかに散策が出来ますし、真冬に行くとその静けさに驚かされます。

そして、一部の狭い遊歩道で、対面する方と挨拶して道を譲り合う時間などは、一体ここがどこなのか分からなくなる程に、都会では無い「どこか」異空間を感じます。

駅にも近く料金もかからないので、思い立ったらノープランで訪問できる事が魅力で、毎回新しい発見がありますから、癒し空間という安い言葉1つでは片付けられない場所です。

東京にもこういう環境が残されているという事実は、あまり多くの方には知られていないと思いますので、是非一度足を運んでいただきたいです。

既述したフリーきっぷ活用での訪問はかなり応用が効くので、様々なシチュエーションで等々力渓谷を訪問して頂けます。東京23区では無い「どこか」をお楽しみください。

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