上野の国立西洋美術館を子どもと家族で楽しむ完全ガイド
東京・上野公園にある国立西洋美術館は、20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエ設計の美しい建物と、松方コレクションに基づくルネサンスから20世紀半ばまでの西洋名画・彫刻が魅力です。2016年には同館を含むコルビュジエ設計7ヵ国17資産が世界文化遺産に登録されており、建物そのものも見どころのひとつです。フランス政府から返還寄贈された松方コレクションにはモネやルノワール、ピカソなど著名画家の名品が含まれ、展示室には誰もが一度は聞いたことのある名画が並びます。館内の前庭にはロダンの「考える人」など6体のブロンズ像が野外展示されており、本物の彫刻を間近に見られるのも特長です。まさに文化的・教育的に価値の高い空間で、子どもの感性や好奇心を育む絶好のスポットです。以下では、家族連れに役立つアクセス情報や施設概要、展示の見どころから子ども向けサービス、周辺スポットまで、あらゆる楽しみ方を網羅的に紹介します。

館内見どころ:子どもと楽しむ作品と建築
国立西洋美術館の常設展では、ルネサンスから印象派、モダンアートまで幅広い年代の西洋美術が無料で観覧できます。モネの『睡蓮』やルノワール、ピカソなど、教科書やメディアでおなじみの作品に親子で出会えるチャンスです。作品の見どころを探すゲーム感覚の企画もあり、例えば常設展では作品の一部を切り取ったポストカードを手がかりに展示室内で作品を探す「さがしに行こう!」なども行われます。このようなアートゲームを通じて、子どもは楽しみながら自然に作品の細部にも目が向くようになります。小さなお子さん連れでもルノワールやピカソの鮮やかな色彩、ロダンのダイナミックな彫刻など、大人といっしょに見て体験できる作品がたくさんあります。
館の建築や環境もユニークです。美術館はピロティ(高床式の吹き抜け空間)などル・コルビュジエの「近代建築5原則」を具現化しており、子どもと建築を楽しむのもおすすめです。また敷地内には池(不忍池)や野外彫刻があり、自然の風景を感じながらアート散策ができます。たとえば、広々とした園庭にはロダンの傑作《地獄の門》や《考える人(拡大作)》など実物大の彫刻が屋外に置かれています。入館前後に前庭を散歩するだけでも、小さな探検気分で楽しめます。なお、常設展以外にも学芸員による作品紹介や季節の企画展が随時開催され、事前にチケット予約して企画展に参加するのもよい経験です。
施設概要・アクセス・料金
- 所在地・交通アクセス:国立西洋美術館は上野恩賜公園内にあり、JR上野駅公園口から徒歩0分(目の前)という抜群のアクセスです。地下鉄・京成線上野駅からも徒歩5~10分程度で、雨天の日も駅から濡れずに来館可能です。
- 開館時間:通常は午前9時30分~午後5時30分で、金・土曜日は夜8時まで開館時間が延長されます。※月曜休館(祝日の場合は翌平日休館)、年末年始(12/28~1/1)も休みとなります。公式サイトのカレンダーで最新情報を確認しましょう。
- 入館料:常設展は大人500円(団体割引あり)、大学生250円です。高校生以下および18歳未満は無料で観覧できます。65歳以上も無料となるほか、身障者手帳を持つ方と付き添い1名も常設展無料です。毎月第2日曜や国際博物館の日(5/18)などは常設展が無料になる日もあります。企画展は別料金(展覧会により異なる)ですが、企画展チケットで常設展も観覧できます。
- チケット購入:当日券は窓口で購入でき、混雑時はオンラインチケットの利用や事前予約が便利です。団体観覧は事前予約制(20名以上)となっています。入場は入場時間の30分前まで可能です。
バリアフリー・子育てサポート
国立西洋美術館では、ベビーカー利用や授乳・おむつ替えなど乳幼児連れ家族に配慮した設備が充実しています。多目的トイレ(親子トイレ)は本館1階に設置され、おむつ替えシートやオストメイト設備も整っています。館内には授乳室も用意されており、インフォメーションで申し出れば利用可能です。また、貸出用ベビーカーは台数限定で受付で借りられるほか、**授乳用ベビーベッド(ベビーシート)**は本館1F・新館B1・企画展示館B2に設置されていますn。ベビーカー利用時に便利な屋内コート置き場や休憩ベンチも各所にあります。
館への移動はバリアフリー経路が確保されており、JR上野駅公園口から美術館まで段差なしでアクセスできます。館内には車椅子の貸出もあり、車イス対応エレベーターやスロープで各階に移動できます。さらに、筆談ボードや手話ガイド用タブレット、盲導犬の同伴可などアクセシビリティにも力を入れています。これらの設備で、小さな子どもや年配の方、障がいのある方も安心して来館できる環境が整っています。
家族向けプログラム・イベント情報
常設展無料・おしゃべりOKの日:にぎやかサタデー
国立西洋美術館では毎年夏などに「にぎやかサタデー」という親子向けイベントを実施しています。この日は常設展の入館料が無料となり、館内での会話や写真撮影もOKになります。会場内には複数のベビーカー置き場、キッズスペース付き休憩エリア、授乳・おむつ替えができる赤ちゃん休憩室などが用意され、赤ちゃん連れでものんびり過ごせます。当日は子ども向けのワークやアートクイズ企画が多数催され、例えば「探してゲーム」や絵本朗読会、展示を使ったビンゴゲームなどが楽しめます。また、同館は金・土曜日に夜8時まで開館しているため、日が落ちて涼しくなってからゆっくり訪れるのもおすすめです。
どようびじゅつ(ファミリープログラム)
未就学児から小学校低学年向けに館内鑑賞プログラム「どようびじゅつ」が年2回(春・秋)開催されています。これは6~9歳の子どもと大人の親子が対象で、常設展を舞台に見つけたことをワークシートに描いたり、感じたことを話し合ったりしながら鑑賞・創作を楽しむ参加型プログラムです。絵画や彫刻について子どもたちが自由に意見を出し、親子でアート体験ができます。参加は事前予約制で、回によって定員があります。近年はオンラインで楽しむファミリー向けプログラムもあり、自宅でワークシートやビデオを使って親子で美術館作品に触れることもできますnmwa.go.jpnmwa.go.jp。
ゆったりBABY DAY(乳幼児向け特別開館)
乳幼児連れ家族の来館を応援する特別企画「BABY DAY」が定期的に開かれています。これは休館日を利用した少人数制の美術館開放日で、赤ちゃんや未就学児とその保護者が予約して参加できます。例えば2024年には9月に2日間、乳児含む未就学児と家族500名ほどが集まりました。この日は来館者を通常の約3割に限定し、ベビーカーでゆったり鑑賞できるよう配慮されます。また、子育て支援NPOの専門家によるミニレクチャーが行われ、子どもが興味を持った作品に対して親がどのように関わるかなどのコツが伝授されます。絵本を使った鑑賞や歌・身体表現を交えたレクチャーもあり、赤ちゃん連れでも気兼ねなく楽しめる工夫が満載です。2025年12月15日や2026年1月26日にも「BABYといっしょにゆったりDAY」が実施予定で、特別開館日に合わせた絵本読み聞かせイベントなどが行われます。
託児サービス
企画展開催中の特定の日に限り、美術館館内での有料託児サービスも利用できます。対象は常設展・企画展観覧券を持つ子ども連れ来館者で、保育士が常駐する地下2階講堂で0~6歳児を預かってくれます。利用は事前予約制(メールまたは電話受付)で、料金は0~1歳2,000円、2~6歳1,000円です。これにより親はゆっくり展示鑑賞ができるため、小さいお子様を安全に預けて作品を楽しみたい方には嬉しいサービスです。
親子で楽しむ鑑賞のコツ
美術館は大人でも緊張する静かな場所と思いがちですが、子どもとの鑑賞ではコミュニケーション重視がおすすめです。赤ちゃん連れイベントでは、講師から「子どもが作品に興味を示したら、難しい言葉で褒めようとせずに、微笑んで共感してあげれば十分」というアドバイスがありました。子どもの好奇心を大切にし、作品の前で一緒に見つめたり、感じたことをおしゃべりしたりしてみましょう。また、幼児向けには館内で配布されるワークシートやスタンプラリーを活用したり、先述のようなゲーム企画に参加したりすると子どもの集中力が続きます。時には絵本や歌を交えて作品の世界に誘うと、子どもの興味が一層深まります。美術館にはベビーカー置き場や休憩スペースもあるので、疲れたら無理せず休憩タイムを取りつつ、親子でマイペースに鑑賞を楽しみましょう。夜間の空いている時間や企画展最終日近くの日程は混雑が緩和されるため、子ども連れでゆったり過ごしたい場合は狙い目ですtokyoartbeat.com。
館内での飲食・休憩スポット
ミュージアムカフェ「CAFÉ すいれん」
本館1階中庭に面した**カフェ「すいれん」**では、西洋料理を中心としたメニューやスイーツを提供しています。館の中庭を眺めながら落ち着ける明るい雰囲気で、休憩やランチにぴったりです。営業時間は平日10:00~17:30(飲食LO17:10)、金土は夜20:00まで(飲食LO19:10)。特に金・土曜は美術館の夜間開館に合わせて遅くまで営業しているので、子どもが学校の夏休みを取っている時期などは夜の時間を利用して立ち寄るのもおすすめです。
バリアフリー・子連れ対応も整っています。店内は段差なしで車椅子可、ベビーカーや車椅子でそのまま利用できます。店内は離乳食の持ち込みOKで、子ども用の椅子も用意されています。クレジットカードや電子マネーも使え、博物館観覧券がなくても誰でも利用できます。
館内休憩スペース
常設展各階には椅子やソファがある休憩スペースがあります。特に2階の広い休憩エリアは明るく、子どもが絵本を読んだりおやつを食べたりするのに利用できます(飲食可エリアも案内に従って利用可能)。美術館周辺はテーブル付ベンチが少ないので、館内休憩所は貴重なスペースです。
周辺飲食施設
上野公園内・付近には公園内売店やおしゃれなカフェも多く、ピクニック気分で屋外で食事をするのも楽しい過ごし方です。駅ビル「アトレ上野」内や「エキュート上野」には子ども連れ向けのレストランが揃っています。手軽な上野名物やファミリーレストランも徒歩圏に点在しているので、鑑賞後のランチ・ディナーに困りません。
周辺スポットで1日おでかけ
国立西洋美術館周辺の上野恩賜公園(上野公園)は、日本初の公園として1873年に開園した歴史ある広大な公園です。園内には美術館のほか、国立科学博物館、東京国立博物館、東京藝術大学大学美術館など多彩な文化施設が点在し、散策しながら文化芸術に触れられるエリアです。草花や池のある広場もあるので、展示だけでなく自然のなかで走り回る子どもの姿も見られます。
- 上野動物園:博物館徒歩圏にある上野動物園は、日本最初の動物園でジャイアントパンダやゾウ、ゴリラなど人気動物が多数います。子ども動物園「すてっぷ」や両生爬虫類館(ビバリウム)など、5~10歳くらいの子も興奮するスポットです。動物園は上野公園の敷地内にあり、常設展鑑賞後に移動して半日以上遊べるボリュームです。なお動物園も月曜休(祝日の場合は開園)です。
- 国立科学博物館:徒歩5分ほどの場所にある日本最大級の総合科学博物館で、日本館(自然史)と地球館(地球・生命史)に分かれています。プラネタリウムや大恐竜の骨格展示、アインシュタインの部屋、インパクト大の映像シアターなど、大人から子どもまで楽しめる展示が充実。特別展も頻繁に開催されているので、科学に興味がある子なら併せて訪れて学ぶのも良いでしょう。
- 不忍池と上野恩賜公園散策:美術館すぐ隣には不忍池(しのばずのいけ)が広がり、池にはボート乗り場や弁天堂があり、水鳥観察や季節の花々を楽しめます。春は桜、夏は蓮が咲き乱れ、秋はススキと紅葉、冬でも水鳥がいて景色が美しいです。園内には広い芝生の原っぱや子どもの遊具がある「こども広場」、プレイスポットもあるのでピクニックや軽い運動に最適です。
- 東京藝術大学大学美術館:上野公園内にある藝大の美術館は、約3万点という国内有数のコレクション数を誇り、画家・彫刻家の卒業生作品などが展示されることがあります。常設展はなく企画展中心ですが、若手作家の魅力的な現代アートに触れられる機会です。藝大前の広場には彫刻作品も置かれ、上野公園の別の芸術空間として足を伸ばすと新鮮な発見があります。
- 東京国立博物館(東博):日本・アジアの歴史的美術・考古コレクションが豊富な博物館で、土偶や刀剣、国宝級の絵画・仏像などが見られます。東博も金土曜は21時まで開館しているので、週末に上野を存分に楽しむならオススメです(高校生以下無料)。
これらの施設はすべて上野駅から徒歩圏内にあり、親子で1日中楽しめるエリアです。緑豊かな公園で自然と触れ合いながら、文化施設のはしごで知的好奇心を満たすプランも立てやすいでしょう。美術館とあわせて、動物や科学、伝統文化に触れることで、子どもたちにとって実り多い上野体験になります。
教育的価値とまとめ
上野の国立西洋美術館は、芸術鑑賞を通じて子どもの感性を育む教育的な場でもあります。世界的巨匠の作品を身近に見ることで「知らないものに触れる楽しさ」を学べますし、作品の背景や歴史を知ることで好奇心や学習意欲が刺激されます。館のガイドツアーやプログラム、ワークシートも活用して、親子で対話しながら鑑賞することで子どもなりの発見が生まれます。また、建築世界遺産である博物館自体を観察するのも教育的です。外観や中庭の設計を見て「この建物なぜ上に乗っているの?」など子どもと話すのも興味深い時間になります。
本記事で紹介したように、国立西洋美術館はアクセス抜群で子ども向け設備・サービスが充実しており、家族連れでも安心して訪問できる美術館です。館内カフェや周辺施設と組み合わせれば、1日かけて楽しめます。事前に公式サイトでイベント情報をチェックし、託児やファミリープログラムなども活用して、上野での美術館体験を存分に楽しんでください。きっと親子で思い出に残るアートな一日になるでしょう。
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