萬福寺

萬福寺
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黄金に輝き微笑む布袋様の観音像が有名なこちらの神社は中国の伽藍様式を取り入れた建築なので日本にある寺とはひと味違った感じをさせてくれます。京都にある仏閣と比較しながら参拝して違いを見つけるのも楽しいかもしれませんね。、

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萬福寺の基本情報


【 住所 】京都府宇治市五ケ庄三番割34


公式ページ

萬福寺・シンメトリワールド ~黄檗って読めない?~

黄檗山萬福寺は1600年代中頃に中国の禅僧である「隠元(いんげん)」によって開創された寺院です。

1654年にお弟子さんを伴って来日し、宇治の地との所縁が生じ、この地に寺院を建立。その名を中国福建省にある、隠元禅師が住職を務めていた寺院である「萬福寺」と同じくする事になりました。

ここ萬福寺では全てが中国・明朝方式に習っています。特に七堂伽藍と呼ばれる境内はそれを色濃く示しており、日本人が一般にイメージする寺院とはおよそ別世界が展開されます。

すべての建造物が西側を開口部とし、伽藍は完全に左右対称に構成されています(是非とも空撮写真や地図をご覧になってください)。

主要なお堂は中心軸上に一直線に配置されており、その他の建造物とも全て屋根のある回廊で結ばれている事も大きな特徴と言えます。

建材に関しても国産は勿論ですが、南アジアや東南アジアから持ち込まれた資材が多く用いられており、建築学的側面からも稀な建造と言えます。

萬福寺の特色は詳細な部分にも見られ、丸窓であったり、黄檗天井と呼ばれる独特の曲線を描く天井などは、建築的素養を問わず自然と気がつく様な物です。

天王殿と呼ばれる建物には弥勒菩薩(布袋尊)を代表に複数の仏様が安置されています。そして御本尊である釈迦如来坐像は大優賽殿にいらっしゃいます。

伽藍を歩く中で必ず誰もが足を止める場所があります。「斎堂(さいどう)」の前です。ここに吊り下げられているのが、魚の形をした大型の木魚で「開板(カイパン)」と言います。

寺院内に於いて特定の時刻を知らせるために用いられる物で、今日現在も利用されております。すぐ横に「絶対に叩かないで」という注意書きがある、ほのぼのな感じも素敵です。

黄檗宗の最大の特色は「念仏」だと言われています。それもまた明朝式に倣ったもので、所作から道具、儀式、お経に至るまでそれは一貫しています。

お経に関しては極めて特異な形態を取り、それを初めて耳にした人は自分が今何を聞いているのかわからなくなる程です。

「梵歌」と呼ばれる「歌の様だ」と形容されるお経は、音楽的に言えば4拍子を刻みながら進行し、法要中はこれに鐘や太鼓など鳴り物が入って読経されます。

非常に有名な話なのでその模様を録音・撮影して公開している方も数多くいらっしゃいますので、お調べになってみて下さい。

こちらは京都で1月に催される「京都七福神」の一角を成しており、布袋尊さまになります。

この期間は大変人でも多く賑やかなお寺になります。萬福寺は黄檗宗大本山である一方、禅道場としての性質も持ち合わせています。

昨今では禅修行を企業研修などに活用されるケースも多く、萬福寺もこれを積極的に受け入れています。

尚、宿泊を伴う「宿坊」的な性質を持ちあわる物ではありませんので、ご承知おきください。

境内では、中国風の精進料理「普茶(ふちゃ)料理」をいただく事も出来ます。これも中国から隠元が持ち込んだ風習の1つで、代表的な料理の1つに「胡麻豆腐」があります。

元来の意味は「茶を供する接待」であり、身分や男女、幼長を問わずに食卓を囲むしきたりです。

大皿料理を囲み、その食材は野菜や大豆が中心で、ごま油を主に用いる事が特徴とされています。

萬福寺さんでお食事を頂くのは完全予約制ですが、簡単なお弁当からコースまで選択の幅があるので旅程に合わせてお選び頂けます。

普茶料理は現在は黄檗宗寺院を中心に全国的に普及しています。

萬福寺へのアクセス

萬福寺は極めてアクセスが容易で、非常に訪問し易い寺院です。JR奈良線、及び京阪宇治線の「黄檗駅」から徒歩でわずか5分の距離になります。

両駅は共に「黄檗」を名乗っており、極めて近い位置にある関係なのですが直接的な連絡通路が無い不思議な関係性にあるので、駅を利用する方はご覧になってみて下さい。

特にJR線は京都駅から1本という快適さなので便利だと思います。JR奈良線は今も大部分が単線というローカル路線で、周辺にはのどかな風景が広がります。

ですので、電車の中では眠って休憩…ではなく、運転席真後ろのかぶり付き、もしくは車窓から風景を楽しんでいただきたいです。

電車好きの間では、古き良き国鉄103系が現役で走っている区間としても有名ですので、お寺に向かうまでも色々と楽しめる事でしょう。

また、萬福寺の南側には京滋バイパスの「宇治東IC」があり、こちらからもアクセス可能です。

特に滋賀方面からのアクセスでは車が圧倒的に有利です。大規模な駐車場が用意されており、普通車が90分500円を基本に、以降200円/30分で課金されるシステムです。

拝観情報
拝観料は大人500円。中学生以下300円となっています。午前9時に開門され、16時半に受付が閉まります。閉門が17時です。

萬福寺の拝観計画

萬福寺は広大な敷地を有する寺院で、単純に伽藍を一周するだけならば30分から40分で済むと言えますが、細かい部分を気にしながらですと60分は必要です。

特に、シンメトリックな建造は印象的で思わず見とれてしまいますし、写真を嗜まれる方々はシャッターを押す指が止まらなくなる事間違いありません。

萬福寺のある宇治は、説明不要の観光エリアです。JR黄檗駅から南に下ると次はもう「宇治駅」で、10円玉でお馴染みの「平等院鳳凰堂」が待ち受けています。

一方で、京阪黄檗からですと京阪宇治に出る事が出来、こちらからは「さわらびの道を経由して「宇治上神社」へ参拝し、宇治川を超えて平等院方面に向かう事が出来ます。

この様に、比較的回遊性の高いエリアに隣接している萬福寺は、その旅程に容易に組み込む事が出来ますので「一味違う寺院拝観」という観点で是非とも訪問していただきたい場所です。

残念無念の近隣情報

萬福寺拝観の為に黄檗を訪れた際に、是非とも立ち寄って頂き(たかった)スポットがありました。『黄檗新生市場』です。

いわゆる「商店街」なのですがその佇まいが一風変わっており、インターネットでの表現を幾つかご紹介しますと「廃墟寸前」「超絶レトロ」「B級スポット」…といった具合です。

訪問者の方々がブログなどで往時の姿を紹介してくださっていますので良かったらどうぞ。

萬福寺拝観レポ

非常にフォトジェニックな寺院だと感じました。シンメトリーと連続性が古来中国から伝わった伝統的・文化的な手法だと知った上で、それが何故か現代アートの様にも感じました。

連続性や規則性が宗教の精神世界を示す物として、それが現代人の琴線に本来とは違う形ででも触れるとすれば、そこに時間の経過や価値観の変様を感じざるをえませんでした。

こうした難しい考えはともかく、単純に、回廊で結ばれた伽藍が非常に楽しかったです。

訪問時は拝観客も少なく、寺院の隅から隅まで歩きましたし、特に、回廊の向こうにカイパンが浮いた様に見えるスポットはとても印象的でした。

一般的にイメージしている「寺院」を良い形で裏切り、宗教の精神世界の多様性に気付かされます。

昨今、多様性の需要が強く認識され社会のテーマとなっている中、宗教や寺社においても、異質と呼ばれる存在が長い伝統を誇り、今に文化を伝えているという事実は、私たちに何かを示唆している様にも感じました。

写真だけ見れば「京都?」となってしまう様な場所ですので、いわゆるSNS映えもばっちりで、京都に詳しい方に「萬福寺行ってきた」と言えば驚かれる様な場所です。

一般的な認知度はまだまだ高いとは言えない寺院だと思いますが、その特色ゆえに1度行ったら忘れられないお寺さんです。

是非とも近隣寺社との組み合わせを検討し拝観してみてください。

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