雷門

雷門
photo by @balaazu
浅草寺のシンボルで、左右に風神、雷神を祀っているため、正式名称は「風雷神門」と呼ばれます。現在の雷門は昭和35年に松下幸之助が寄進したもので、松下電器との記載があります。この雷門は、浅草寺の入り口である「総門」という位置です。雷門から向かって右側が「風神」、左が「雷神」です。 門をくぐって有名な風神・雷神の裏にまわると、風神・雷神と対になった2体の像が建っています。門に向かって右側が「金龍像」、左側が「天龍像」です。大きな提灯、そしてこの表裏4体の像に注目ですが、提灯の下をくぐるときには提灯の底も見てみると見事な龍の彫り物が美しくオススメです。

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雷門の基本情報


【スポット】雷門
【ふりがな】かみなりもん
【 住所 】東京都台東区浅草2丁目3−1
【アクセス】東京メトロ銀座線 浅草駅 徒歩約5分
【最寄り駅】浅草駅
【営業時間】年中無休
【 料金 】無料
【クーポン】なし

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雷門 公式ページ

雷門訪問記

「みなさん!雷門をご存知ですか?」などと、聞くまでもないほど有名なスポットではありますが、雷門を改めて紹介させていただきます。

雷門と聞くと、あの大きな提灯のイメージが強いですよね。よく日本を紹介するパンフレットや雑誌なんかでも提灯のモチーフがよく使われていますよね。東京タワー、大阪の道頓堀ネオンなんかと同じくらい使われているような気がいたします。

そんな有名な雷門なんですが、実はついこの間訪れるまで、何のことだかよくわかっておりませんでした。お恥ずかしい。

行ったことがある人はわかるかと思いますが、ものすごい観光客の数です。国内外問わず、団体ツアーの方が大勢で記念撮影をしております。友人のフランス人曰く、「浅草と秋葉原は大抵の人が行きたがるんじゃないかな!」とのことです。漢字で「雷門」と書かれた大提灯は海外の方にとってはすごいインパクトなんだそうです。僕は一人でぼーっとしていたら、三組の方に写真撮影を頼まれてしまいました。

人混みが嫌だなあという方は、夜に訪れてみるといいかもしれません。少なくとも、昼間の記念撮影ラッシュほどは人がいません。また、夜になるとライトアップされているので、普段写真等で見かける雷門とは異なる姿を拝めることになります。昼間に見るよりも幾分か神秘的で趣深い情景を眺められるので、少しセンチメンタルな気持ちになるかもしれません。

名前の通り、あくまでも門なんですね。赤門が東大に繋がっているように、雷門は浅草寺に繋がっております。雷門をくぐって浅草寺に抜けていく道が「仲見世」で、お土産屋やちょっとしたお菓子のお店が並んでおります。個人的には「揚げまんじゅう」をオススメいたします。その名の通り、揚げたお饅頭なのですが、食べたこともないのにホッとするような安心感のある味で食べ歩くにはもってこいかと思います。修学旅行で来た男子学生が木刀を買うのはこの仲見世です。

近くには老舗の飲食店や喫茶が多く、観光に疲れた際にはぜひ立ち寄ってみてください。一本裏の道に入るだけで、心落ち着くお店が軒を連ねております。そんなお店を眺めているだけでも、なんだか時の流れが遅くなったような気分になります。

ちなみに浅草寺は聖観音宗の総本山で、聖観音菩薩を本尊としています。地元の方は、浅草寺のことを「観音様」とも呼びます。「さぁて、観音様のとこにでも行こうかねぇ」なんて言ってみたいものですね。通ぶりたい人は是非使ってみましょう。ちょっとした寅さん気分に浸れること間違いなしです。

さて、雷門についてですが、正式名称は「風雷神門」といいます。正面から見ると提灯には「雷門」としか書いてありませんが、門をくぐって振り返って見ると「風雷神門」と書かれております。

その名の通り、門の向かって右側に風神、左側に雷神が祀られているんです。この「風神・雷神がある門」ということで、上記の正式名称となっているわけですが、いつのまにか風神が取られて「雷門」という通称になっているわけです。風神様は少し可哀想ですね。すっかり忘れられてしまっています。

読んで字のごとく、風神・雷神は風と雷をそれぞれ司っております。「いい感じの天気にしてね!」と祈られて祀られております。具体的には、水害等の自然災害が発生しないように、また豊穣な土地になりますようにという皆様の願いを背負っているわけです。なのに風神様を忘れてしまうなんて…。ひどいですね。人は忘れっぽいのでしょうがないですね。

ちなみに風神・雷神の像は、頭が江戸時代に作られたもので、胴体は明治時代に作られたものとなっています。時空を超えたフランケン・シュタインのようですね。なんだかカッコいい気もします。じっくりと見てみると、「素材が違うかもなあ」とわかるかもしれません。悲しいかな、私はわかりませんでした。本当にお恥ずかしい。

雷門は歴史のある建造物で、起源は940年代に遡ります。この頃は、名前の由来である風神・雷神の像は設置されておらず、門が現在の位置に設置された鎌倉時代に像が安置されました。

残念ながら、現存のものは鎌倉時代に建てられたものではありません。東京の下町というお土地柄もあってか、頻繁に火災の被害にあっています。江戸時代だけでも2度建て替えられていて、現在のものは1960年に建てられたものとなっています。

このとき、雷門再建の費用を出してくれたのがパナソニックの創業者として有名な松下幸之助なのです。カッコいいですね。今でも提灯の底にある金の輪っか(銘板と呼びます)には、松下電器の名前が刻まれています。もしかしたら、提灯の灯りにはパナソニックのLEDが使われているのかもしれませんね。

さて、この大提灯ですが、一体どれくらいの大きさなんでしょうか。ぱっと見ではよくわからないですよね。

実はこの提灯、高さ3.9m、直径3.3mもあるんです。重さにして、700kgです。700kgですよ!大の大人10人分です。お相撲さんでも7人分です!!ほとんど和紙と竹でできているのに、この重さなんです!!凄まじいサイズ感です。(ピンと来なかったらごめんなさい。)

実は15年ほど前まではもう少し小さかったんです。(といっても大きかったわけですが。)2003年に、江戸開府400年を記念して、新調されたときに今のサイズになりました。「どーせだから大きいやつにしよう!」といういかにも江戸っ子な意見があったのかもしれませんね。

雷門を紹介する映像や写真では提灯が開ききったものが多いかと思います。たしかに通常は提灯を開いたままにしてありますが、ごく稀に提灯を畳む機会がございます。
それが、浅草寺の例大祭である通称「三社祭り」のタイミングになります。

三社祭りは、五月の第三金曜日〜日曜日の三日間で行われます。御神輿を担いで激しく動き回るので、「何かあってはいけない!」と提灯を畳んで傷がつかないようにするわけです。いかにもな江戸っ子の皆様が「サセ!サセ! !」という掛け声で御神輿を担ぐ姿は壮観です。「ケンカっ早い下町の職人達が待ちに待った一瞬に気合いを入れてるぜ!」みたいな男臭さといいますか、ある種のノスタルジーすら感じさせる光景です。見たことのない人は是非見ていただきたいです。

ちなみに三社祭り以外では、台風の際や補修の際に提灯を畳んでいることがあるそうです。いずれにせよレアな光景ですので、見かけた方は強運の持ち主であること間違いなしですね。

しかし考えてみると、この浅草という場所はいわゆる「下町」エリアとは少し離れています。どちらかというと、浅草寺の周辺は昔からご自分の土地を持った富裕層の方々が住んでいる地域になります。(ちなみに、下町といえば、隅田川よりも東のエリアー葛飾区、江戸川区などーを指すことがほとんどです。)

「富裕層が住んでいるのに下町」という不思議なイメージは、三社祭りが作り上げていると言っても過言ではないかもしれませんね。

そんなこともあってか、街自体はコンパクトにまとまっていて、観光地化されているのになんだか趣があって奥深く感じてしまうんです。

ともすればミスマッチな人々がこの街の雰囲気をつくり出しています。筋骨逞しい人力車のお兄ちゃんやなんだか急いているサラリーマンとOL、綺麗な身なりの紳士・淑女、そして大勢の観光客。この混沌した光景を浅草の風景たらしめるのが、雷門なのではないでしょうか。

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