土橋市場

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観光地の名所が多い福岡県には、茶処や美しい町家で全国でも人気の八女市があります。

そんな御茶で有名な八女市には、戦後のレトロな情景をそのまま現代に移したかのような、ディープな名所の土橋市場が存在します。

古い建物の神社の境内に、無数の店舗と自由に行き来する猫、そして人情味溢れる人々の生活と楽しみがそこには溢れています。

ディープでレトロな土橋市場の是非行くべきスポットと、SNS映え間違いなしの撮影スポット、そして土橋市場の満喫方法を詳しくご紹介します！

土橋市場を知る上で、戦後の闇市場は重要なキーポイントとなります。

終戦後、日本政府が国民に続けていた配給制度は困難を極めて、人々に食料や物資が充分に行きわたらず、栄養失調などで多くの人が苦しみました。

当時は、配給以外の物資を受けることは違法でしたが、生活に困窮した人々は自作した野菜や川で獲れた魚を、政府の目につかない路地裏で物々交換し、生活をなんとか維持していました。

やがて政府の目を逃れた市場を闇市と呼ぶようになり、全国各地に広がったと言われています。

戦時中、空襲の憂き目にあった現在の八女市では、数多くの闇市が開かれ、沢山の人で賑わっていたといいます。

当時の県議員は密集し続ける闇市の対策として、土橋八幡宮の境内の一部を商店街として使用できないかと頼みました。

その後、依頼が通って土橋八幡宮の境内には、商店街ができ数多くの店が入り、土橋市場が誕生したのです。

筑後福島城から道なりに歩いて行くと、住宅街が集まった一帯に入り込みます。

土橋交差点を曲がり、さらに奥へと一歩足を踏み入れると、レトロな店が立ち並ぶ一角に入ります。

奥へ進むと、突然上部に見える「お楽しみとお買い物はみなさまの土橋市場」と書かれた電飾看板。

こちらが土橋市場への入り口の1つとなります。看板の下からは入らず、是非行って欲しいルートが土橋八幡宮の鳥居側からの入場です。

石造りの鳥居、入った先にあるかなり古い楼門はしめ縄が奉られ、とても味わい深い撮影スポットです。

楼門を潜り抜けて、いざ境内へと思いきや、現われるのは屋根付きアーケードに立ち並ぶ、レトロな飲食店などの店並びです。

あれ？ここは境内じゃないの？と不思議に思うかもしれませんが、列記とした八幡宮内の境内なのです。

お店はスナックやバーが多く、昼間は閉まっていてひっそりとしています。おしゃれな雑貨屋さんやカフェもあるのでお土産と一服にもぴったりですよ。

自動販売機や共有のトイレもあり、土橋市場は散策がてらにちょっと一息つく事もできる、何とも訪れた人に優しいスポットなのです。

土橋市場には、とにかく突然猫たちの姿を見かける事があります。

鳥居の前に寝転がっていたり、よそ者の観光客をまるで見張るように屋根の上で潜んでいたりと、その姿は様々です。

猫たちは此方が騒ぎ立てたり、音を立てたりしなければゆったりとしている場合があるので、カメラを向けても動じる事なく、撮影モデルに興じてくれますよ。

人間にとってはディープで探索したい土橋八幡宮と境内ですが、猫たちにとっては自分たちの世界で、人間の方がお客様になっているのかもしれません。

土橋市場や土橋八幡宮で猫たちを撮影する時は、追いかけたり無闇に触ったり、餌遣りをせずに猫の様子を見てから行って下さいね。

普段はゆったりとした時間が流れている土橋市場ですが、定期的に行われるイベント「土橋事変」がとても人気を呼んでいます。

土橋事変とは、「食」「モノ」「音」を中心とし、五感すべてで土橋を味わおうという大きなイベントになります。

2016年は10月30日の日曜に開催され、午前10時から午後16時まで多くのイベントや露店、人手で賑わいました。

土橋市場の路地には、土橋市場にある雑貨屋やカフェが露店を開き、珍しい海外製の雑貨の販売を行い、入れたての珈琲をふるまい、作り立てのパンの香ばしい香りが充満します。

土橋事変の日には、道いっぱいに店が並び、大人も子どもも好きな食べ物や品物を買って楽しみます。

とにかく、美味しいフードが集まる土橋事変へは、お腹を空かせて行って下さいね！

そして土橋事変に来ると、狭い路地が多いこの場所がどれだけ地域の人々に愛され、憩いの場として賑わっているかが深く実感出来ますよ。

土橋事変では、毎回多くの音に関するイベントが催しされています。

境内の舞台では、琉球舞団を招いて優雅な舞と太鼓の共演が人々の心を強く打ちました。

野外露店にターンテーブルを持ち込み、ミックスサウンドに身を任せながら美味しいポップコーンや手作りのチーズケーキに舌鼓を鳴らす人々も居ます。

土橋事変が掲げる「食」「モノ」「音」の思いは土橋事変イベントで各種用意され、最後まで居ても、すべて遊びつくせない程の多くの店が出店します。

出店はこだわりのスイーツを作るお店、ほっこりアイテムを扱うオシャレな服屋など、若者も多くイベントに関わるので、学生の友達同士も沢山訪れて居ます。

地元民しか知らない場所の土橋市場が、沢山の人を集めて一気に盛り上がりと明るさを見せる、異色混合のイベントが土橋事変なのです。

土橋事変の開催日は、公式Facebookで告知されます。当日は近隣の地域からも大勢の人が来ますので、交通に気を付ける必要があります。

車で向かう場合は、周辺に駐車場も用意されていますが、混み合う場合もあるので電車などの交通機関の利用をおすすめします。

また、境内なので石畳が多く、ヒールの高い靴では歩きにくいので、散策しやすい服装と靴で出掛けて下さいね。

スポット名：土橋市場（どばしいちば）

住所：福岡県八女市本町1-17

土橋事変：開催日は年による　定期開催

土橋事変の開催時間：午前10時～午後16時

電車で向かう場合：JR鹿児島本線の羽犬塚駅下車、筑後福島城方面へ、徒歩約25分

車で向かう場合：九州自動車道の八女JCで降り、96号線を筑後福島城方面へ、車で約10分（土橋事変の当日は、八女市市役所駐車場、清水町商店街駐車場、伝統工芸館、物産館ときめきなどの駐車場が用意される場合があります）

いかがでしょうか？

神社の境内の一部が商店街になった、土橋市場の立地は全国的にも珍しく、とてもディープなスポットとなります。

元々は闇市の露店が立ち並んでいた場所ですが、今は土橋市場を生まれ変わらせようという地域の方の力があり、おしゃれな雑貨屋やカフェの店が増えて来ました。

元々スナックだった店を改装して、オリジナルの雑貨を販売する素敵なお店もあります。

ただ寂れて行くだけの風景を消さずに、土橋事変のように新しいイベントを開催し、新たな風が土橋市場には吹き込んでいます。

時代を超えて、人々に愛され続けるには人々の力が必要だという事を、土橋市場は長い歴史の姿を持って、来る人々に知らせてくれる素敵なスポットですよ。

八女市に来た時は、旧き良き町家づくりの街並みを味わった後に、ぜひ土橋市場にも足を運んでみて下さいね。

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