犬山城

犬山城
photo by @s.hayato_1537
1537年に織田信康(織田信長の叔父)が建てたこちらは現存する日本最古の天守です。また、国宝四城の一つにも数えられているため人気の観光地となっています。

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犬山城の基本情報


【スポット】犬山城
【ふりがな】いぬやまじょう
【 住所 】愛知県犬山市犬山北古券65−2
【アクセス】名鉄犬山線 犬山遊園駅 徒歩約15分
【最寄り駅】犬山遊園駅
【営業時間】9:00~17:00(入場は16:30まで)
【 料金 】大人550円、小中学生110円
【クーポン】公式ウェブサイトで割引クーポンを提供する場合があります

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歴史と美しい風景に時を忘れる犬山城

昨今、女性も歴史に注目し歴女ブームがありましたが、その後も戦国武将や甲冑、そして城に興味を持たれる方は増えているようです。

特に城めぐりを趣味としていなくても、旅先に天守があれば上ってみようという方が多いのではないでしょうか。

さて、その天守のある城ですが、現在日本には当時のまま現存している天守は12城しかありません。

復元されたものも含めると60ほどに増えますし、天守のない城や石垣だけなど城址も合わせれば日本に城は数多くありますが、現在までその姿を残し続けることは、非常に難しいものです。

今では鉄筋コンクリートで復元された城も多くなりました。

その数少ない現存天守と呼ばれる天守を持つ城が、今回ご紹介する犬山城です。

犬山城天守
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犬山城へのアクセス

犬山城は愛知県犬山市にあります。

電車であれば、名古屋駅から名鉄快速特急・特急で約25分で犬山駅に到着します。

中部国際空港からは、名鉄ミュースカイで約55分です。

犬山城までは駅から徒歩で20分ですが、観光施設もある城下町を歩いていくので遠く感じません。

犬山城 城下町
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車の場合は、名神高速道路の小牧IC、名古屋高速道路の小牧北IC、中央道路の小牧東ICからそれぞれ約25分となります。

お得なセット券もある入場料金

犬山城の入場料金は、大人550円、小・中学生110円です。

30人以上では団体割引があり、障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は付添者1名(車椅子の利用者は付添者2名)まで無料となります。

これら犬山城だけの入場料金以外に、セット券と呼ばれるものもあります。

犬山市には犬山城以外の観光施設がたくさんあり、それらと組み合わせることでお得な料金で入場できるので、犬山市の観光をする方には便利です。

犬山城下町周遊券(犬山城+城とまちミュージアム+からくり展示館+どんでん館)600円

国宝犬山城+明治村セット券 大人1900円、大学生1400円、シニア(65歳以上)1500円、高校生1100円、小・中学生650円

国宝犬山城+リトルワールドセット券 大人1900円、大学生1700円、シニア(65歳以上)1500円、高校生1100円、小・中学生700円

国宝犬山城+庭園有楽苑セット券 1300円

どのセット券も発行日より3ヶ月間有効です。

犬山城のみどころ

犬山城といえば、やはりその天守が見どころでしょう。

犬山城の天守は、三重四階地下二階の木造建築で、各階を歩いて上っていき鑑賞することができます。

地下一階と二階は、天守への出入り口にあたり、天守を支えている土台部分を見ることができます。

様々な形でありながら安定して積み上げられた石垣や太い梁には、長い時を超えた力強さを感じます。

犬山城建築
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一階は中央に第一の間、第二の間、上段の間、納戸の間の四室があり、武者走りと呼ばれる通路が走っています。

二階は武具の間と呼ばれ、武者たちの武具が収められていた部屋が中央にあり、その周囲を武者走りがひとめぐりしています。

三階は破風の間と呼ばれています。破風(はふ)とは、屋根の妻側につけられた板のことで、寺社建築や城郭建築では装飾が施されたり、複数の破風が組み合わされるなど様々なデザインがあるものです。

屋根の三角の部分の造形といえばわかりやすいでしょうか。

犬山城では、東西には入母屋破風が、南北には唐破風という異なるデザインが見られます。

特に唐破風は日本特有のもので、犬山城のものは向唐破風(むこうからはふ)という種類にあたり出窓としても使えるもでした。

唐破風のほうは、後から増築されたものと言われていますが、優美な弓型の破風は犬山城の見どころの一つになっています。

四階は天守の最上階、望楼です。回廊部分は増築とされていますが、360度の眺望は美しく見事なもので一見の価値があります。

犬山城 四階
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特に天守の中は薄暗く、柱や床も黒々として見えます。

そこを細くかなり急な階段を上っていくので、四階に着いて外からの光や風を感じた瞬間は、その解放感にほっとしました。

小高い丘に建てられているため、天守からは城下町が一望できます。

犬山城 丘
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鵜飼いでも有名な木曽川と、古い街並みを見下ろす景色は疲れも吹き飛び、いつまでも見ていたいものでした。

犬山城は白帝城との別名もあるのですが、それは中国の長江流域にある白帝城にちなんで、荻生徂徠が命名したものと言われています。

中国の白帝城には行ったことがないのですが、その川近くに建つ風情が似ているのでしょう。

白帝城という美しい響きにも納得の城と風景でした。

犬山城の歴史

旅はその場所の歴史的背景を知ることで、もっと興味深く面白いものになります。

そこで犬山城の歴史についても、簡単にご紹介いたします。

元々は、1469年(文明元年)に織田広近が砦を築いたことが始まりと言われています。

木曽川と街道に通じたこの地は、政治経済の要として重要な土地だったのです。

その後、1537年(天文6年)に、織田信長の叔父、織田信康が居城をこの地に移して新たな城を築きました。

現在の天守の2階までの部分は、この時に造営されたものと考えられていますので、かなり古いものです。

城主の織田信康は、斎藤道三との戦で戦死、その息子の織田信清が後を継ぎますが、彼も織田信長に対立し敗れます。

これにより、犬山城は織田信長の家臣、池田恒興が城主となりました。

本能寺の変により織田信長が死去すると、その後を巡り争いが起こります。

犬山城も政治的な流れの中で、城主が変わることとなります。

本能寺の変以後は織田信雄配下の武将、中川定成が城主を務めていましたが、1584年(天正12年)の小牧・長久手の戦いで、池田恒興に攻められ落城をすることにもなりました。

最終的には再び、織田信雄に返還されましたが、その信雄も改易すると、豊臣秀吉の甥、豊臣秀次の領地となります。

豊臣秀次が切腹した後は、石川貞清が城主となりました。

この石川貞清は城の改築を行ったとされています。

1600年(慶長5年)の関ヶ原の戦いでは、西軍の拠点ともなりました。

江戸時代に入り、1617年(元和3年)尾張藩付家老の成瀬正成が城主となり、その後成瀬家の居城となります。

城の見どころである唐破風の増築は、この成瀬正成の時代にされたものとのことです。

明治時代になると、廃藩置県により廃城となり愛知県の所有となりましたが、櫓や城門などがほとんどが取り壊されてしまいました。

この時、天守は残されたことは幸いです。壊されてしまえば、当時の姿をいま見ることができなかったでしょう。

しかし、その後1891年(明治24年)濃尾大地震が起き、天守が半壊する被害にあってしまいます。

そこで修理を条件に成瀬家に譲与、成瀬家と犬山町民が義援金を募ることで、天守を修復することができたのでした。

1935年(昭和10年)当時の国宝(現在の重要文化財相当)に指定、1952年(昭和27年)改めて国宝に指定されました。

伊勢湾台風の被害も受けましたが、1965年(昭和40年)には無事に解体修理が完了し公開されています。

成瀬家という個人所有の城でしたが、2004年(平成16年)に財団法人犬山城白帝文庫の所有となり、現在まで大切に保存されているのです。

2006年(平成18年)には、日本100名城に選定されています。

歴史を見ていくと、歴史に詳しくなくても聞いたことのあるような、よく知られた武将や戦の名もよく出てくることがわかります。

日本の歴史にも深く関わり、災害にあいながらも人々によって守られてきた城なのです。

犬山城へ行く際は身軽な格好で!

犬山城で天守の最上階まで上ろうとすると、階段の傾斜に驚くと思います。

犬山城 山の上
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私は歩きやすい服装ではありましたが、なんと大きなスポーツバッグを持ったまま上ってしまい、途中で大変後悔しました。

スカートは止めたほうが良いですし、大きな荷物なども危険ですので、ホテルやロッカー等に預けてから入場しましょう。

もし尖った物など持っていては、城を傷つける恐れもありますので、持ち物には気をつけて身軽な姿を心がけたほうが良いと思います。

その歴史、建築、風景など見どころの多い犬山城ですが、セット券があるように城下町や、周辺には楽しめる観光施設がたくさんあります。

1人でも家族連れでも友人とでも、色々な楽しみ方ができる場所ですので、是非一度訪れてみてはいかがでしょう。

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