リトアニア観光の魅力的なスポット25選
リトアニアはバルト三国の一つ、旧ソ連の小国として知られています。しかし、リトアニアには一体どういうものがあるのか、どういう風景が見られるのか、どんな観光スポットがあるのかというのはあまり知られていません。
厳格なキリスト教国であるリトアニアでは、宗教色の濃い建物は多いです。何度となく色々な国に支配され、隷属させられた国ならではの痛ましい過去の傷跡も随所に見受けられます。
一方で、暗い過去の事実をすっかり忘れさせてくれる幻想的な場所もあります。リトアニアの自然は、ヨーロッパの国々の自然ともまた少し異なるもので、まるで今でも妖精たちが楽しそうにお喋りしているのではと思える、美しい自然、湖が存在するのです。
そんなちょっと不思議な、神秘的な雰囲気を秘めるリトアニアのおすすめスポット、外せない観光地を25選厳選してお伝えしていきます。
1.トゥラカイ城
今のリトアニアの首都はヴィリニュスですが、首都がヴィリニュスに移る前まではここトゥラカイがリトアニアの首都だったのです。
トゥラカイのシンボルとも言えるのが、湖に佇む古城トゥラカイ城です。赤いレンガで作られたトゥラカイ城は、周りの森(緑)と城を囲む湖(青)のコントラストと美しくマッチして、幻想的な雰囲気を醸し出しています。天気の良い日は湖に移るお城とお城のベストショットを撮影することが出来るため、観光客で賑わいます。
因みに、トゥラカイは30以上の森と湖に囲まれた場所で、その美しい景観を後の世代にも残すために、自然公園として景観保護指定区に認定されました。トゥラカイ城を訪れる際には、周りの森も散策してみると良いでしょう。
住所:Karaimu 41, Trakai, Lithuania
アクセス:首都ヴィリニュスからバスで30分ほど。土日は混雑で倍の時間がかかることもある。
営業時間:10月から4月の平日は8時から17時。土日は10時から17時/5月から9月の平日は9時から18時。土日は9時から15時。祝日は休み。
料金:8ユーロ
2.ケルナヴェ
リトアニア最初の首都があったとされる場所です。その時代とは、1200年代後半で、ケルナヴェには時の大公トゥライデニスが住んでいました。ケルナヴェはそれなり発展した集落で、商人や職人たちで町は賑わいを見せていたようです。しかし、ドイツ騎士団が勢力を増し、ケルナヴェにも侵攻してくるようになると激しい攻撃で町は荒地と化してしまいます。これを受けて、首都がヴィリニュスへと移されたのです。
今現在ケルナヴェには当時の遺跡が残されており、併設されている考古学歴史博物館(Archeologijos ir Istorijos Muziejus)ではリトアニアの歴史について学ぶことができます。
住所:19172, Kernave, Lithuania
アクセス:ヴィリニュスからバスで約1時間
営業時間:24時間
料金:無料
住所:19172, Kernave, Lithuania
アクセス:ヴィリニュスからバスで約1時間
営業時間:4月から10月まで10時から18時/11月から3月まで10時から16時
料金:2ユーロ
3.ゲディミナス城
リトアニアの首都ヴィリニュスのシンボルでもあるのが、ゲディミナス城です。
丘の上に立つ6角柱型の塔(白の一部)とその上に立つリトアニアの国旗がリトアニア全土を見渡しています。このゲディミナス城はヴィリニュス創設神話の舞台となった場所として知られており、リトアニア人にとっては聖地なのです。日中に丘の上からヴィリニュスを一望するのも素敵ですが、満点の夜空を楽しむにも最適の場所です。
因みに、ゲディミナス塔の中は博物館になっており、ヴィリニュス創設の神話について知ることができるようになっています。なぜリトアニアのあちらこちらにオオカミの模様や絵、彫像があるのか、その謎を解いてみて下さい。
住所:Arsenalo 5, Vilnius, Lithuania
アクセス:中央広場から歩いて約10分
営業時間:4月から9月は10時から19時/10月から3月は10時から17時
入場料:4ユーロ
4.ヴィリニュス大学
大学が観光名所というのもなかなか面白いでしょう。ヴィリニュス大学は、リトアニアの中でも名門の大学で、今は2万人もの学生が学ぶ総合大学として君臨しています。
ヴィリニュス大学は1579年に設立された大学で、とても歴史のある大学です。帝政ロシア時代には抵抗運動の本拠地にもなったため、なんと88年間も閉鎖処分を受けていたこともあるのです!
ヴィリニュス大学の一番の見どころは、迷路のような中庭でしょう。通っている学生ですら道が分からなくなると言われている迷路のような通路に挑戦してみませんか?迷子になったら、近くの学生に道を尋ねて、リトアニア人と友好を深めてみるのも良いでしょう。日本では経験できないので、ぜひリトアニアの大学迷路に挑んでみて下さい。
因みに、ヴィリニュス大学が誇るクラシカルな様式が美しい古書室や大学構内を巡るガイドというのは定期的にあります。迷路で迷わずに、しっかり観光を楽しみたいという方にお勧めです。
住所:Universiteto 3, Vilnius, Lithuania
アクセス:中央広場から徒歩8分
営業時間:3月から10月は9時から18時/11月から2月は9時半から17時半
料金:1.5ユーロ
5.3つの十字架の丘
ゲディミナスの塔の裏側にそびえる、更に高さのある丘の上に立つのが3つの十字架で、クリスマスや独立記念日などのイベントがある日には決まってライトアップされます。
ヴィリニュス創設に一役買ったゲディミナスの城よりも更に高いところに十字架を配するあたりにリトアニア人の宗教への想いを感じ取れることでしょう。
この3つの十字架は、この丘で磔の刑に処せられたフランシスコ会の僧侶のモニュメントだそうですが、オリジナルのものはスターリンによって破壊されました。今現在目にソ連からの独立を進めていた1989年に作られたものです。
住所:T. Kosciuskos g., Vilnius, Lithuania
アクセス:カテドゥロス広場から徒歩約20分
営業時間:24時間
料金:無料
6.十字架の丘
無数の十字架が積み重なって出来た十字架の地、十字架の丘はリトアニアの宗教色の濃さを象徴するようなところで、クリスチャンを始め多くの人が毎年訪れ、十字架を置いていきます。現在の十字架の数は、リトアニアの総人口(約330万人)を凌駕していると言います。
もともとこの地に十字架が建てられたのは、1831年に起こった蜂起の犠牲者を弔うためでした。犠牲者を思い、遠くから十字架が捧げられるようになりますが、ソ連がそれを容認するはずもなく、KGBはブルドーザで十字架をなぎ倒し、火を付けて燃やしました。しかし、リトアニア人たちはKGBの目を盗んでは十字架を何度も置きに行き、「絶対ソ連の力に屈することはない!」と意思表示したのです。そして、ソ連は崩壊し、リトアニアは独立を勝ち取りました。十字架の丘もソ連の破壊工作に打ち勝ったのです。
現在は、リトアニアのみならずブラジル、アメリカ、オーストラリアなどの国からもわざわざ十字架の丘に十字架を置くために訪れる人が後を絶ちません。日本でこれだけの十字架の山を見ることは絶対ないので、リトアニアを訪れた際には是非足を運んでみて下さい。
住所:Domantai, LT-81439, Siauliai, Lithuania
アクセス:シャウレイからバスで約15分
営業時間:24時間
入場料:無料
7.琥珀博物館
リトアニア名物の一つ琥珀を大々的に取り扱った博物館です。琥珀だけが扱われており、世界的にもユニークということで大変注目を集めています。パランガの中でも最大の見どころで、この琥珀博物館を見るためだけに遠くからやってくる観光客は多いです。
因みに、この博物館に展示されている琥珀の数はなんと5000!数千年前の動植物を閉じ込めた貴重な琥珀コレクションを堪能することも出来ます。ミュージアムショップでは、ユニークな琥珀アクセサリーが多数販売されているので、お土産用に買うにも最適です。
住所:Vytauto 17, Palanga, Lithuania
アクセス:パランガ中央から徒歩10分程度
営業時間:4月から8月の平日・土曜は10時から20時、日曜・祝日は10時から19時/9月から5月の平日・土曜日は、11時から17時、日曜・祝日は11時から16時
8.民族楽器博物館
小さ目の古博物館の中には、リトアニアの民族楽器を始め、世界の民族楽器が展示されています。ホールには民族楽器の演奏が流れ、リトアニアの民族音楽を楽しむことができるようになっています。
リトアニアの民族楽器というのは日本でもそうそう見る機会も聴く機会もないものなので、リトアニアに旅行した際には是非訪れておきたい場所です。
住所:L. Zamenhofo 12, Kaunas, Lithuania
アクセス:市庁舎広場から徒歩15分程度
営業時間;10時から18時
料金:1.80ユーロ
9.リトアニア民俗生活博物館
リトアニアという国、リトアニア人という人種、文化、伝統といったものを知りたいのであれば、このリトアニア民俗生活博物館がお勧めです。非常に広い敷地を使った野外博物館で、リトアニアの自然も楽しむことが出来ます。
住所:L. Lekaviciaus st. 2, Rumsiskes, Kaisiadorys district, Kaunas, Lithuania
アクセス:カウナスのバスターミナルからバスで40分ほど。
営業時間:10時から18時
料金:4ユーロ
10.カウナス城
カウナス城は、ドイツ騎士団の侵入・侵略を防ぐために建てられた城で、要塞としての機能を持っていました。
当時、ドイツ騎士団の領地とリトアニアの国教はネムナス川でした。つまり、川を越えればいつでもリトアニアを侵略できる距離にドイツ騎士団がいたのです。そこで、見張りの役目も込めて、ネムナス川から500mほど離れた内陸にカウナス城が建てられたのです。
ドイツ騎士団の侵略をいつも撃破していたのかというと、そういうこともなく、1363年にはカウナス城を占拠されます。その時カウナス城は破壊されますが、ヴィタウタス大公が15世紀に再建しました。
現在目にできるのは、15世紀に修復された城郭の一部、城壁の一部、塔だけで、城そのものというよりは城の遺跡といった印象を持つでしょう。
住所:Pilies 17, Kaunas, Lithuania
アクセス:旧市街にある市庁舎広場から徒歩10分程度
営業時間:10時から18時(日曜日は16時まで)
料金:2.5ユーロ
11.国立オペラ・バレエ劇場
国立オペラ・バレエ劇場は、新市街にある劇場で、とても近代的な外観が目を引きます。この劇場は、1920年ごろにカウナスで建てられたオペラ劇場が元になって作られたものです。
バレエの演目は、「白鳥の湖」、「くるみ割り人形」、「ジゼル」などの古典作品から「ジュエル」などの現代作品まで幅広い演目を上演しています。中には、リトアニア独自のバレエ演目もあり、日本では楽しめない内容のバレエを観ることができます。
リトアニアは長らくソ連の支配下にあったこともあり、文化面もソ連(ロシア)文化の影響を受けているところが多々あります。バレエは特にロシアのお家芸なので、ソ連支配下のリトアニアでもロシアの伝統的なバレエが広まりました。現在のリトアニアバレエにもロシアらしさを垣間見ることができます。
オペラの演目も様々です。モーツァルトの古典作品もあれば、ワーグナー、ロッシーニなども上演されます。リトアニアの著名な作曲家チュルリョーニスによる音楽も楽しめます。
アウトドアが寒いシーズンには、室内でリトアニアの素敵なクラシック音楽に耳を傾けてみてはいかがでしょう。
住所:A. Vienuolio 1, Vilnius, Lithuania
アクセス:カテドゥロス広場から徒歩15分程度
営業時間(窓口):平日10時から19時、土曜10時から18時半、日曜15時
料金:演目による
12.リトアニア国立博物館
リトアニア国立博物館は、細長い形をした建物で、一見ユニークな博物館です。元々武器庫だったところを開放し、膨大なリトアニアの歴史の資料を詰め込んで博物館として蘇らせたのです。
建物の構造(細長)を最大限に利用し、中世から大公国時代、苦悩の19世紀といった時代を順を追って、分かりやすく展示しています。初めてリトアニアの歴史に触れるという人にも分かりやすく説明しています。
他にも、民族性が分かる資料、農耕技術を記した資料、手工芸品に関する資料なども公開されており、とても興味深くリトアニアについて学べるスポットとなっています。
住所:Arsenalo 1, Vilnius, Lithuania
アクセス:ゲディミナス城から徒歩6分
営業時間:10時から18時(月曜日休館)
料金:2ユーロ
13.大聖堂
ヴィリニュスの中心に位置する大聖堂および鐘楼は、ヴィリニュス観光の良い目印になるので覚えておくと良いでしょう。仮に迷子になっても、大聖堂で待ち合わせとしておけば、間違うことがありません。鐘楼は高さ53mもあるので、ヴィリニュス市内にいればどこからでも見つけることができます。
大聖堂は、リトアニアにキリスト教が入ってきた際に建てられました。何度も改築、増築が繰り返され、現在のようなクラシカルな様式になったのは18世紀に入ってからです。
大聖堂の中でも絶対に見逃せないのが、聖カジミエルの礼拝所です。大理石と砂岩で作られていることから色目はとてもシンプルですが、そこに施された彫刻の数々が素晴らしいです。
また、ここには聖カジミエルの聖画が奉られているのですが、この聖なる絵はどこか不思議な絵で、なぜか手が3つあるのです。画家が何度消しても出現した「奇跡の手」だそうです。この絵(手)を見るとご利益があるようなので、リトアニアに行った際には忘れずに見に行ってみましょう。
大聖堂の地下は、王家の墓地になっており、王族の棺がいくつも見つかっています。その中の一つにはリトアニアの絶世の美女と謳われた王女のものもあったそうです。ここにはツアーでのみ入ることができるので、気になる方はツアーに参加してみましょう。
住所:Katedros aikste 1, Vilnius, Lithuania
アクセス:中央広場すぐ
営業時間:7時から19時半
料金:無料(英語ツアーは4.5ユーロ)
14.聖アンナ(オノス)教会
かのナポレオンがフランスに持って帰りたがったという教会で、リトアニアのゴシック建築の中でも最も素晴らしいものと言われています。というのも、この教会はなんと15世紀末に初めて建てられた時のままで、500年以上同じ姿を保ち続けているのです。数々のキリスト教会が破壊され、攻撃された経験を持つリトアニアでは非常に珍しい教会ということができるでしょう。
聖アンナ教会は33種類のレンガを使って作られています。そのため、同じレンガ造りの建物と比べても色に深みが出ているのがよく分かります。また、先に聖アンナ教会はゴシック建築という話をしましたが、同じゴシックでもフランボワイアン・ゴシック様式で、この教会は特に曲線美が素晴らしいとされています。
クリスチャンでなくとも、この教会は一見の価値があるので、散歩がてら教会の外見を楽しみに出掛けてみましょう。
住所:Maironio 8, Vilnius, Lithuania
アクセス:
営業時間:10時半から18時半(日曜は8時から17時)
料金:無料
15.ベルナルディン教会
この教会も、リトアニアにキリスト教が入ってきたタイミングで作られた教会で、フランシスコ会が中心になって建てました。ベルナルディン教会はご近所の聖アンナ教会と同じレンガ造りの教会ですが、聖アンナ教会のような落ち着いた色目ではなく、明るいレンガ色が特徴的な教会です。
ベルナルディン教会には、奇跡をおこすとされるものがいくつかあり、その恩恵に預かりたい人がここをよく訪れると言います。もっとも有名なのが、金箔の十字架ですが、礼拝所に設置されている15世紀のキリスト像にも奇跡の力があると信じられています。このキリスト像はロシアの攻撃を受けた時に唯一無傷で残ったことから、奇跡のキリスト像と言われるようになりました。
リトアニアには、「奇跡をもたらすもの」が沢山あるので、それを巡る旅程を組んでも面白いかもしれません。
住所:Maironio 10, Vilnius Lithuania
アクセス:聖アンナ教会から徒歩2分
営業時間:7時半から19時
料金:寄付
16.聖ヨハネ(ヨノ)教会
聖ヨハネ教会の鐘楼は高さが63mもあり、旧市街で最も高い鐘楼として知られています。リトアニアにキリスト教が入ってきたての頃に建立された教会で、18世紀まではイエズス会の教会として君臨していました。18世紀にはヴィリニュス大学の教会として大学に与えられました。
教会の内部には6つの礼拝堂があり、それぞれに美しい彫刻や彫像が飾られており、見事なバロック様式を楽しむことができます。本堂の東側の祭壇は、10の独立した祭壇からなる複雑な構造が特徴的で、その様は「視覚的音楽」と表現されます。
ヴィリニュス大学を訪れる際には、この聖ヨハネ教会も忘れずに訪れておきたい場所です。
住所:Sv. Jono 12, Vilnius, Lithuania
アクセス:ヴィリニュス大学中庭が入口
営業時間:10時から17時(鐘楼は11時から20時)
料金:1.5ユーロ(鐘楼は別途2.5ユーロ)
17.夜明けの門
旧市街地を歩いていると目に入ってくるのが夜明けの門の内部にある黄金の聖母のイコンです。その神々しさは窓の外からでもはっきり見て取れるもので、まるでその光に吸い寄せられるかのように、夜明けの門前に進んで行ってしまうことでしょう。
夜明けの門は、9つのあったはずの城門の1つで、今では城門は夜明けの門しか残っていません。
聖母のイコンの元に行くには、階段を使います。階段を上がったところが小さな礼拝所となっており、黒衣をまとった熱心な信者が何時間も何時間も聖母のイコンに祈りを捧げている様を見ることができます。聖母のイコン、及びその両側に設置された像は金で彩られており、近くで見ると眩しく感じます。クラシカルな街の佇まいにはやや不釣り合いなほどに光り輝く聖母のイコンは、旧市街の守り主といった位置づけなのでしょう。
門の外側には銃眼が5つ残っており、内側の光り輝くイコンの存在とは全く異なるものとなっています。また、外側の壁の真ん中辺りにはリトアニアの紋章が付けられています。ソ連時代にもこの紋章は存在したそうで、むしろ紋章はここだけが許可されていたそうです。
「城門か」と普通に通過しがちですが、これだけの歴史が詰まった城門というのはなかなかないので、立ち止まってよくよく見学してみて下さい。時間が許すようであれば、黄金のイコンのところまで上ってみましょう。
住所:Ausros Vartu 12, Vilnius, Lithuania
アクセス:ヴィリニュス駅から徒歩24分ほど
営業時間:6時から19時
料金:無料
18.聖霊教会
バロック様式の可愛らしいピンク色の建物は聖霊教会という教会です。一見、マリーアントワネットの別荘なのかとも思えるピンク色の建物ですが、その実態はリトアニアでも屈指のロシア正教会の教会です。外見だけが独特なのかと思いきや、その内部も全体がバロック様式で派手に飾られており、正教会らしさというものがまったくない教会です。なぜここまで正教会らしさがないのかというと、一説には、ロシアに反抗心を抱くリトアニア人を威圧したり、刺激したりしないためにこのようなケーキのような建物になったともありますが、真相は分かりません。
この正教会は、リトアニアにいくつかある正教会の教会のリーダー的存在で、リトアニア在住のロシア人から熱い支持を集めているそうです。祭壇には1347年に殉教した3人の聖人の遺体が綺麗な状態で保存されており、時に応じて赤、白、黒の聖衣が着せられます。彼らの遺体には治癒の力があると信じられており、ロシア本国からもその治癒の力を求めて信者が足繁く通ってくるそうです。
ロシア正教の教会は、信者じゃないと入りにくい雰囲気がありますが、このユニークな建物のロシア正教会の教会はその点出入りしやすいと言えるでしょう。
住所:Ausros Vartu 10, Vilnius, Lithuania
アクセス:夜明けの門から徒歩5分
営業時間:8時から18時まで
料金:無料
19.聖ペテロ&パウロ(ペトロ イル ポヴィロ)教会
バロック様式の建物の中に入れば、信者でなくとも言葉を失うことでしょう。天井や壁、柱などに施された彫刻の数、素晴らしさに圧倒されない人はいないでしょう。
この教会は、1668年から7年掛けて建設されましたが、内部の装飾を完成させるのはそれから30年も掛かりました。製作には技術力を持ったイタリアの彫刻家たちが招集され、数百人もの地元民が協力し合いながら作り上げたのです。
彫刻には1つとして同じものはないそうで、神話のキャラクター、星、空想の動物、神、天使、植物などがほどこされています。女性の顔の表情に至っては、教会に差し込む光の加減、角度を全て計算に入れた上で、光の加減で表情が異なって見えるよう計算して作られているとも言われています。
リトアニアの中でもこれほど見事な彫刻を一空間で見ることは出来ないので、聖ペテロ&パウロ教会は、是非足を運んでもらいたい場所です。
住所:Antakalnio 1, Vilnius, Lithuania
アクセス:大聖堂からネリス川沿いに徒歩約20分
営業時間:6時半から18時半
料金:寄付
20.ウジュピス共和国
リトアニアのヴィリニュスの中に存在する別の国、それがウジュピス共和国です。国というからには、入るにはパスポートが必要な場所で、リトアニアに居ながら不思議体験ができる場所として観光客から注目を集めています。
元々ウジュピスには労働者や職人が集って住んでいました。同じヴィリニュスにありながら、あまりヴィリニュスの本町とのかかわりがなかったこの場所では、ヴィリニュスの発展に取り残される形で独自のアイデンティティを育みました。時が経てもそれはかわりませんでしたが、世間の喧騒から離れたい若者たちがウジュピスに流入した頃から「ヴィリニュスのモンマルトル」などと囁かれるようになります。ウジュピスではこれといった工業的発展が無かった代わりに、芸術家たちの集いの地として発展しました。
ウジュピスがヴィリニュスから、リトアニアから独立したのは2002年で、この時の宣言を「芸術共和国独立宣言」と言います。ウジュピスに行くにはウジュピオ橋を渡るのですが、独立記念日の4月1日には橋に検問所が設けられるので、必ずパスポートを持参しなくてはウジュピス共和国に入ることはできないので、覚えておきましょう。
どこかデカダンスな雰囲気が流れるところに行ってみたいという方に、リトアニアの不思議の地、ウジュピス共和国はおすすめです。
アクセス:聖アンナ教会から徒歩10分程度
21.KGB博物館
楽しげなカフェやお店が立ち並ぶゲディミの大通りの先に、陰鬱な雰囲気を漂わせる建物があります。近付いてみると、その壁にはリトアニア人の名前と生まれた年、死んだ年が無数に記されています。意を決して中に入ってみると、リトアニアを支配していたソ連のKGBが本部として用いていた内容がそのまま目に飛び込んできます。血しぶきもそのままの拷問室、非常に狭いお仕置き部屋、囚人の部屋など生々しい当時の監獄がそのままに残されているのです。霊感の強い人であれば、当時の悲鳴や鳴き声、嗚咽なども聞こえてくるかもしれません。身の毛もよだつその地下室を足早に過ぎると中庭に出ますが、そこは銃殺場であり、壁に残された銃の弾の跡の多さには圧倒されることでしょう。
2階は書類や軍服、当時の映像などを見ることができます。KGB博物館の向かいには子供がワイワイ楽しんでいる公園がありますが、KGB博物館を出るころにはその公園の明るさすらも目に入ってこなくなっていることでしょう。興味本位で行くと心をえぐられる経験をすることになるので、覚悟を持って行くことをおすすめします。
住所:Auku 2a, Vilnius, Lithuania
アクセス:カテドゥロス広場から徒歩20分ほど
営業時間:平日・土曜10時から18時、日曜10時から17時
料金:4ユーロ
22.国立ユダヤ博物館(グリーンハウス)
高台にある緑色の木造の建物が国立ユダヤ博物館です。日本の杉原千畝がリトアニアに住むユダヤ人たちを救う命のビザを発行して活躍した話は有名ですが、それだけ当時のリトアニアにはユダヤ人が住んでいたということです。ユダヤ人たちはナチスから迫害を受けただけではなく、ソ連からも迫害を受けていました。第二次世界大戦にユダヤ人たちが受けた迫害の歴史について、膨大な資料と共に説明されています。中には衝撃的な内容もあります。ドイツのアウシュビッツ収容所で行われていた拷問よりもはるかに恐ろしい拷問がなされていたり、目を覆いたくなるような実験がなされていたりといった証拠資料も展示されています。
とても重い内容のものになっているので、軽々しい気持ちで訪れると衝撃に打ちのめされる可能性が高いです。ある程度の覚悟は持って訪れるようにしましょう。特に、杉浦千畝の館にも訪れる予定のある方は、あわせてこの国立ユダヤ博物館を訪れることをおすすめします。国立ユダヤ博物館を訪れることで、なぜ命のビザが必要だったかがより理解できることでしょう。
住所:Pamenkalnio 12, Vilnius, Lithuania
アクセス:カテドゥロス広場から徒歩20分ほど
営業時間:月曜から木曜は9時から17時、金曜は9時から16時、日曜は10時から16時
料金:3ユーロ
23.杉原千畝記念館
「日本のシンドラー」として知られている杉原千畝が活躍した元カウナス領事館が今の杉原千畝記念館として公開されています。
杉原千畝はこの記念館(元領事館)で、本国の命に背いて命のビザと言われるユダヤ人救出を賭けたビザを書き続け、6000人を超えるユダヤ人を救いました。実は日本ではあまり英雄視されることがない杉原ですが、リトアニアでは英雄であり、彼の名が付いた道、桜まで存在します。日本人ならば彼のことをしっかり知っていなくては、リトアニア人に笑われてしまうかもしれません。杉原千畝のことをあまり知らないという方もこの機会に理解を深めてみてはいかがでしょうか。異国の地で見る日本語、日本の文字はまた別格です。
住所:Vaizganto 30, Kaunas, Lithuania
アクセス:カウナス駅から徒歩10分ほど
営業時間:平日は10時から17時、土日は11時から16時
料金:3ユーロ
24.日本庭園サモギティア
ヨーロッパ最大級の日本庭園が楽しめます。監督しているのは日本人の庭師で、ずっと造園が続けられているそうです。見事な石庭、松林など日本でもこれだけのものを一気に見られる場所はないでしょう。異国の地にこれだけの日本庭園があるということは、それだけリトアニア人に日本、そして日本文化が愛されているということでしょう。この日本庭園ではお茶会や園遊会なども催されており、日本文化が賑わいを見せている。
住所:Mazuciu k, Derbenu sen, Kretingos raj., Palanga, Lithuania
アクセス:パランガからタクシーで約20分
営業時間:9時から21時(11月から4月は16時まで)
料金:4.5ユーロ
25.ヨーロッパ・パーク
リトアニアの自然とアートを調和させた空間が広がるのがヨーロッパ・パークです。もともとはフランスの芸術家が試みた自然とアートの融合に触発されたリトアニア人がリトアニアの地で同じようなことを試みたのが始まりでした。
広大な敷地に点在するアートを求めて、森を散策したり、自転車で回ったり、楽しいひと時が楽しめます。アートの中には、ギネス認定されている3000以上のテレビによって出来たオブジェといったユニークなものもあり、半日以上いても飽きない場所になっています。
住所:Joneikiskiu k., Vilnius r, Vilnius, Lithuania
アクセス:ヴィリニュスからバスで1時間ほど
営業時間:10時から19時
料金:8ユーロ
いかがでしたでしょうか?意外にも日本との繋がりが濃いリトアニアには、日本庭園や杉原千畝に関する見どころも沢山あるのです。春のシーズンにリトアニアを訪れれば遅咲きの桜を楽しむことだってできます。
ぜひ、今回リストアップした25のスポットを参考に、楽しいリトアニア巡りの予定を立ててみて下さい。
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