東福寺
東福寺の基本情報
【スポット】東福寺
【ふりがな】とうふくじ
【 住所 】京都府京都市東山区本町15丁目778
【アクセス】JR奈良線・京阪本線 東福寺駅 徒歩約10分
【最寄り駅】東福寺駅
【営業時間】8:30~16:30(季節により変動あり)
【 料金 】大人400円、中高生300円、小学生200円
【クーポン】公式ウェブサイトにて割引クーポンあり
東福寺
が含まれる観光マップ
多彩!東福寺ワールド ~再興の歴史と楽しいエピソード満載~
東福寺は京都府東山区に位置する、臨済宗東福寺派の大本山です。
南禅寺を別格寺院とし、天龍寺・相国寺・建仁寺・東福寺・万寿寺で構成される「京都五山第四位」の禅寺としても知られている他、京都でも屈指の紅葉スポットとして、美しい庭園を有する寺院としても幅広く知られています。
東福寺縁起
古来、現在の東福寺の場所には東福寺ではない大寺院が存在していました。
摂政の九条道家という人物が、祖父を弔う菩提寺として「像高15mの釈迦像」を安置する寺院をその地に建立しようと計画を始め、工事がスタートしたのが1236年の事です。
そして、これが東福寺の始まりとなります。
このプロジェクトは完成まで実に19年も費やす大事業となりましたが、無事に完成に至ります。
寺院の名称は、奈良最大にして象徴的な寺院である東大寺、同じく興隆を極める興福寺から1文字ずつを頂き「東福寺」となりました。
東福寺はその後、幾多の火災に見舞われます。火災で建造物を消失しては再興を目指す形を繰り返します。
東福寺が完全復興を果たすのは1346年の事で、この時に仏殿が再興されて当初の姿を取り戻します。
以降長い間、東山の名寺院としての地位を築き上げていきます。
しかし、数世紀を経て東福寺は再び傾く事となります。1881年、再び大火に見舞われた寺は仏殿を筆頭に主要建造物を失います。
その再建は1917年に始まり、17年の月日をかけて再び蘇りました。
こうした史実より、東福寺の主要建造物は「明治以降」の再建建造物となっています。
一方では国宝指定を受けている「三門(1425年再建)」や禅堂など、大火を生き抜いて今に至る中世の建造物もあり、境内は様々な時代の建築が入り混じる状態となっています。
東福寺の多彩な魅力
東福寺は宗教的、建築的側面で大変見所豊富な寺である一方、そうした基礎素養が少ない方でも大いに刺激を受ける寺院と言えます。
以下には、その幾つかをご紹介します。
通天橋
東福寺の広大な伽藍は起伏に富んでおり、その谷部分に架けられている橋が「通天橋」と呼ばれる建造物です。
紅葉シーズンにはこの橋の下にある谷が真っ赤に燃える紅葉に染まり、それを写真に収めたいと訪れる訪問客で溢れ返ります。
また、この通天橋よりも低い位置にある「臥雲橋(がうんきょう)」と呼ばれる小さな橋から、紅葉越しに望む通天橋は素晴らしく、秋は勿論ですが、紅葉の葉が青く輝く時期も愛されています。
方丈庭園
国が指定する名勝であるこの庭園は、1890年に再建されたものではありますが、日本史上屈指と呼ばれる作庭家がその才能をいかんなく発揮しながら再建が実現された事により、今や東福寺を代表する魅力の1つとなっています。
方丈とは元々は僧の住処で、後に応接間として利用されてきた建造物です。
東福寺では、その方丈を中心に東西南北に庭園が配され、それぞれが際立った個性と特徴を示しています。
方丈に庭園を配するという手法はメジャーな物でしたが、四方に庭園を有するのはここ東福寺のみとなっています。
作庭家の名前は「重森三玲(しげもりみれい)」と言い、この東福寺方丈庭園は、キャリア初期の作品にしながら「最高傑作」と呼ばれています。
配石の妙と苔の個性を生かしたシンプルで基本に忠実なアプローチながら、生み出された庭は、21世紀の今でさえ「最先端モダンアート」と絶賛されます。
大涅槃図と猫
毎年3月14日(旧暦の2月14日)は、全国のお寺さんで「涅槃会」という法要が執り行われます。
これは、お釈迦様がこの日に入滅(=亡くなられること)した事が理由なのですが、ここ東福寺では前後の1日ずつも含めた3日間だけ「大涅槃図」が一般公開されます。
その大きさやそこに描かれている内容が大変印象的である事は勿論ですが、ある理由で愛されている涅槃図です。
他の涅槃図にはほぼ見つける事が出来ない『猫』が描かれているのです。
この猫は、魔除けの猫であるとして伝わっています。
<魔除けの猫の伝説>
ある時、東福寺のお坊さんがお寺に奉納する仏画を書こうと試みます。しかし、その作業は大変難しく、しかも仏様を描ききるのに必要な色も筆も足りないのです。そんな折、どこからかお寺に猫が迷い込んできました。お坊さんは猫を可愛がり大切にもてなしました。ある時、再び仏画に向き合っていたお坊さんの元にその猫がすりよってきます。その口には筆をくわえ、どうしても足りなかった色が含まれていたのです。お坊さんはその筆色で仏画を完成させ、一般には決して書き入れる事のない猫の姿を仏画にも書き入れました。
現在では涅槃会の期間に、この猫の涅槃図のポストカードが販売されたり、涅槃図実物でも「猫→」と、分かりやすく教えてくれるような状態です。
東福寺へのアクセス
京都駅からはJR奈良線で一駅の「東福寺駅」下車。この東福寺駅は京阪本線の東福寺駅と接続・連絡しており、多方面からのアクセスが可能です。
駅を出てからは常に東福寺までのルートが掲示されていますので迷うことはありません。
平時であれば10〜15分もあれば東福寺伽藍に足を踏み入れる事になります。
また、京都周遊の足「京都市バス」も利用可能で「202/207/208系統」に乗車の上「東福寺」バス停にて下車。バス停名の印象とは異なり、バス停はおよそ東福寺駅至近に設置されており、下車後は、駅からのアクセス同様に10分前後歩く必要があります。
お車の場合、東福寺さんは無料で駐車場を開放してくださっています。東福寺境内と北側の2箇所です。一方で、秋の紅葉シーズンは大変な数の訪問客がある事から「駐車場閉鎖」が行われますのでご注意ください。
同時期は周辺道路の交通規制なども同時実施される為、車でのアプローチは困難とお考えいただくのが賢明です。(周辺の有料パーキングも激しく混雑します。京都府はこうした事情を受けて、パーク&ライドの整備を推進しておりますので、合わせてご検討ください。)
東福寺と併せて行きたい観光スポット
東福寺からは京都でも人気の訪問地である「蓮華王院(三十三間堂)」や「伏見稲荷大社」へと流れていく方々が多い様です。
東福寺の駅に戻り、前者の場合は京阪本線「七条駅」を、後者は京阪本線「伏見稲荷駅」もしくはJR奈良線「伏見駅」をご利用いただく事となります。(蓮華王院へは市バス208系統も利用可能)
蓮華王院・伏見稲荷大社、どちらも東福寺さんからの距離は2km強ですので、気候が良い時などは「徒歩移動」の方が効率が良いケースもあると思います。
地理的に申しますと、北から順番に「三十三間堂」(2km)「東福寺」(2km)「伏見稲荷」とほぼ一直線上に並んでいます。
駅に戻って電車を待ったり、バスを待つ事を考えれば、予期せぬ発見や遭遇を期待し、街の雰囲気を楽しみつつ歩いてしまうというのも1つの手です。
東福寺で”はなくそ”食べた?
東福寺訪問の際の「お土産」としてにわかに注目を集めるのが、この「はなくそ」です。
衝撃的なネーミングですが、正式な記載は『花供御』となります。元旦に東福寺御本尊に供えられた鏡餅を、その後小さなサイズに刻んで焼いた餅菓子を、旧暦2月14日(現暦で3月14日)の涅槃会で参拝者の返礼品に充てたことが由来です。
とはいえ、これも元々は「花供御(はなくご)」と呼ばれていました。しかし、その名称と形状から「はなくそ」と揶揄され、いつしかそれが正式名称として定着したと言われます。
古より、花供御は「お釈迦様へのお供え(鏡餅)のお下がりを頂く」という意味で「無病息災」を願う人々に愛されてきました。
現在ではお土産として気軽に購入できますので、ご賞味ください。そのエピソード共々、SNSウケも抜群の一品です。
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