江戸東京たてもの園

江戸東京たてもの園
photo by @jst3107
大正レトロな建物も立ち並び歴史の趣を感じさせるこちらの博物館。「千と千尋の神隠し」に出てくる銭湯のモデルになった建物もこちらにあります。着物を着て訪れたいスポットです!江戸時代から昭和初期までの、文化的価値の高い建物が移築され展示されています。大きく3つに分かれて展示されており、センターゾーンには、2・26事件の舞台となった和風邸宅など格式の高い建物が立ち並びます。西ゾーンは、江戸時代の農家の家や明治に入って洋風様式を取り入れた建物が並びます。東ゾーンは、明治以降の懐かしさを感じるレトロな建物が立ち並び、子宝湯 は「千と千尋の神隠し」に出てくる銭湯のモデルとなっていて、街並みを歩くだけでタイムスリップした様な気分を味わえます。園内をあちこち歩いて疲れたら、展示されている貴重な建物の中で食事も出来るようになっていたり、季節毎に様々なイベントも催されていますので、いつ訪れても楽しめると思います。

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江戸東京たてもの園の基本情報


【スポット】江戸東京たてもの園
【ふりがな】えどとうきょうたてものえん
【 住所 】東京都小金井市桜町3-7-1
【アクセス】JR中央線 武蔵小金井駅 北口からバス約5分
【最寄り駅】武蔵小金井駅
【営業時間】4月~9月 9:30~17:30、10月~3月 9:30~16:30(休園日:月曜日、年末年始)
【 料金 】一般 400円、65歳以上 200円、中学生(都内在住・在学)および小学生以下 無料
【クーポン】公式ウェブサイトにて割引クーポンあり

江戸東京たてもの園
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江戸東京たてもの園 公式ページ

心和める憩いの場所、江戸東京たてもの園

人が多くてにぎやかな観光地も楽しいけれど、ときにはちょっと落ち着いた気分で過ごしたい。

そんな気分のときにはオススメのスポットがあります。

それは「江戸東京たてもの園」です。

江戸東京たてもの園の概要とアクセス

江戸東京たてもの園は江戸時代から昭和初期までの建物を復元・保存した施設で、天気のいい日になど、一日ゆっくり心を休めるためにはぴったりの場所です。

江戸東京たてもの園があるのは東京都小金井の都立小金井公園の中。

アクセスは、電車で行く場合にはJR中央線の武蔵小金井駅、または東小金井駅が最寄りです。

武蔵小金井駅の場合は北口から西武バスまたは関東バスを利用し約5分、東小金井駅の場合は北口からコミュニティバスを利用し約6分で最寄りの停留所に到着します。

また、西武新宿線の花小金井からもバスで5分程度です。急いでいる場合などはバスを利用したほうが便利ですが、個人的にオススメしたいのは東小金井を利用し、そこから徒歩で公園に向かうルートです。

時間にして30分と遠いと思う方もいるかもわかりませんが、途中には玉川上水沿いの道があり、流れる川とその左右に茂る木々には昔の武蔵野を感じさせる風情があります。

センターゾーン

江戸東京たてもの園に到着したゲストを最初に迎えてくれるのはビジターセンターです。

これは昭和15年に行われた紀元2600年を祝う記念式典のために仮設された光華殿を移設したもので、広い内部には江戸の歴史や武蔵野の生活文化、歴史、自然についての展示が行われています。

まず基本的な情報を知るという意味でも、ゆっくりと展示を眺め見るのがオススメです。

また、インフォメーションやミュージアムショップも併設されているので、お土産を購入したり、ちょっとした休憩などを取ることができます。

専門図書が並ぶコーナーもあるので、何か調べ物をしたいという人にも便利な場所です。

ビジターセンターがあるエリアはセンターゾーンと呼ばれています。

ビジターセンターのほかには、尾張藩主・徳川光友の正室、千代姫が三代将軍徳川家光の母を供養するために建立した霊屋「旧自証院霊屋」、宇和島藩主だった伊達家が明治維新後に東京に建てた屋敷の門「伊達家の門」、かつて屈指の製紙会社を経営していた西川伊左衛門が立てた豪華な屋敷「西川家別邸」などがありますが、近現代史に興味がある人にオススメしたいのは「高橋是清邸」でしょう。

明治から昭和にかけて活躍した実業家・政治家の高橋是清が暮らした家で、いかにも昔の日本という建築物ですが、昭和11年の「2・26事件」に際して高橋是清が暗殺された寝室もあり、歴史の出来事を身近に感じることができる貴重な場所です。

ちなみに江戸東京たてもの園の入場料を支払えば、中の建物は無料で内部を見学することができるので、建築や昔の生活に興味のある人でも十分に満足できることでしょう。

センターゾーンを堪能したら、そのあとは西ゾーンに移動してみましょう。

西ゾーン

こちらにも様々な歴史的建築物が並んでいます。

たとえば、三井財閥の総帥だった「三井八郎右衞門邸」。

かつては港区麻布にあった豪邸だったものを移築したもので、元はといえば京都で建てられた家を麻布に、そのあと江戸東京たてもの園に移築したそうです。

内装はふすま絵など非常にぜいたくなもので、戦前のセレブリティの暮らしがしのばれます。

また、「吉野家」「綱島家」といった農家の建物もあります。

「吉野家」は江戸後期に現在の三鷹市野崎だった名主の家で、農家とはいえ、高い台のついた玄関や奥座敷が設けられるなど、格式の高さを見ることができます。

「綱島家」は江戸中期に、現在の世田谷区岡本にあった農家。今の場所と比べて当時の様子を想像してみるのも面白いかもしれません。

またこちらはかやぶき屋根で、囲炉裏の切られた大きな広間があり、そこに大黒柱がそびえるなど、いわゆる農家らしい建物で、どこか懐かしさを感じることでしょう。

時代劇ファンの方には「八王子千人同心組頭の家」が興味深いでしょう。

こちらは徳川家の家臣である「八王子仙人同心」の組頭の屋敷です。普通の農家との違いを比べてみるのも面白いでしょう。

また西ゾーンの特徴は、歴史的な建築だけでなく、ごく普通の住宅も展示されているという点です。

たとえば「常盤台写真館」は昭和初期に郊外の住宅地だった常盤台に建てられた写真館で、最高のため二階に大きな窓が設けられるなど、現代にも通じるモダンな作りになっています。

建築ファンなら「前川國男邸」は見逃せません。

前川國男はル・コルビュジェの弟子でもあった建築家で、「モダニズムの旗手」とも呼ばれていました。

「東京文化会館」「旧京都会館」(現ロームシアター京都)の設計者で知られていますが、こちらはその前川國男が戦中に建てた自宅です。

戦争中ということもあり、面積には制限が加えられた小さな建物ですが、中央に吹き抜けとロフトがあるなど、時代を感じさせないミニマリズム建築と言えるでしょう。

「田園調布の家」も面白い建築物で、こちらは大正期の建物です。田園都市の理想として開発された田園調布という土地柄を意識して、テラスなどが設けられたまるで海外の家のようなデザインです。

また西ゾーンの目玉として「デ・ラランデ邸」があります。

これは明治の洋館で、ドイツ人の建築家ゲオルグ・デ・ラランデが改築した建物です。

こちらでは中で中で食事を楽しむことができ、クラシックなメイドの歓迎を受けていると、まるで明治にタイムスリップしたような気分が味わえます。

いよいよ最後のゾーン、東ゾーンに移動しましょう。

東ゾーン

こちらで一番有名なのは、なんといっても「子宝湯」ではないでしょうか。

子宝湯は足立区千住にあった宮づくりの銭湯ですが、この建物は「千と千尋の神隠し」の銭湯のモデルになった場所のひとつとも言われています。

また周辺には、同様に映画のモデルになったとされる建物があり、「武居三省堂」もそのひとつです。

こちらは明治初期の神田の文具店ですが、正面がタイル張りになっているなど個性的な建物です。

内部には細かく区切られた大きな木製の棚が一面に配置された部屋があり、ここが映画に登場する「釜爺」のボイラー室のヒントになったと言われています。

また同様に、台東区下谷の居酒屋「鍵屋」も千尋の両親が豚になってしまう食堂のモデルとなったと言われています。

映画のシーンを思い出しながら建物の細部を眺めてみるのもファンにとっては貴重な経験となるはずです。

また東ゾーンの特徴は、明治から昭和にかけての商店が並んでいること。

そのため、通りを歩いていると本当に映画のワンシーンに迷い込んだような錯覚を覚えるほどです。

「武居三省堂」の並びには「万徳旅館」「丸二商店」「花市生花店」があり、特にそのエリアはムードがあってオススメの場所です。

「万徳旅館」は江戸時代の末期に建てられた現在の青梅市の旅館、「丸二商店」は神田神保町の荒物屋、「花市生花店」は神田淡路町の生花店で、元々は隣接してた建築物ではありませんが、時代を超えて肩を寄せ合うようにはなにかノスタルジックなものを感じさせられます。

建物の裏には職人が住んでいた長屋や、店員が利用した蔵型の休憩棟なども移設されているため、当時の人々の息遣いをそのまま感じることもできるでしょう。

他にも、和傘問屋、乾物屋、化粧品店などもあり、また旧万世橋駅そばのレンガ造りの交番など見どころはまだまだあります。ちょっとゆっくりとしたひとときを過ごしたいとき、「江戸東京たてもの園」はおすすめの場所です。

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