ディズニーで起きた感動エピソード まとめ
ディズニーはみなさんもご存知の通り「夢の国」と呼ばれています。夢の国と呼ばれる所以としては、ディズニーに訪れた人みんなが幸せな気持ちになるということからですよね!ディズニーマジックと言う言葉を知っていますか?ディズニーではアトラクションやショーなど以外にもさまざまな魅力がありますが、その中でも特に感動させられるのがディズニーキャストの神対応や心からのおもてなしですよね!他の場所ではなかなか味わうことができない感動を、ディズニーは与えてくれます。そんな数々のディズニーマジックをまとめてみました☆
ミッキーからのお祝いの魔法
去年の7月にディズニーランドへ行った時のことです。彼と一緒にミッキーにお手紙を書いて行き、ミートミッキーに行った時に手紙を渡しました。手紙を渡すと、ミッキーはとても喜んでくれました。喜んでくれたミッキーを見ていると、それだけでとても幸せな気持ちになりました。
そしてそれから1ヵ月後、彼の公務員試験の最終結果が出る日がやって来ました。ネットで合格発表を確認すると、無事に合格していました!彼と2人で喜んでいると、家のチャイムが鳴ったので玄関へ行くと郵便が届いたようです。郵便を見てみると、それはなんと彼宛に届いたミッキーからの手紙だったんです。そして手紙には大きくおめでとう!の文字が書いてありました。私たちが渡した手紙の内容は「ミッキー大好き☆また遊びに来るね!」といった内容で、試験のことは書いていないはずなのに、ミッキーは公務員試験の結果を知っていたのでしょうか?
合格発表からわずか5分後の出来事だったので、とてもびっくりしたのを覚えています。もしかすると偶然だったのかもしれないけど、ミッキーからのお祝いの魔法だったと信じています☆
ダッフィー
この間ディズニーシーへ遊びに行きました。その時私は一緒にダッフィーも連れ行ったんです。そして、ディズニーシーのレストランに入店し、人数を聞かれました。私達は2人だったので普通に「2人‥」と言おうとすると、キャストのお姉さんは「3名様ですね」と言い、4人が座れる用のテーブルに案内してくれたんです!
また、その後もダッフィー用にとお子様の用のイスに替えてくれたり、ナイフとフォークのセットまでしてくれました。素敵な心遣いにほっこりしました☆
魔法の粉
パークに入園する時に「シャラン」という音が鳴ることをしっていますか?実はそれは、ティンカーベルの魔法の粉が降りかかり、入園者に魔法がかかった音なんだそうです。そして入園の際には音が鳴るのに、退園の際には音が鳴りません。
これは、このまま魔法が解けないように・・・というディズニーからの贈り物なんですよ♪こういった細かい心配りが本当にすてきですよね!
きっと魔法
ディズニーランドのレストランに訪れた時、ハンバーグに乗っていた玉子を見て「どうやって作るんですか?」とキャストに聞いたら、「私たちにもわからないのです。きっと魔法ですよ」という答えが返ってきました。なるほど、そういえばここはそういう場所だったんです。
母の形見の指輪
東京ディズニーランドのスプラッシュマウンテンで、母の形見の指輪をなくした方がいました。水の中に落ちた指輪の発見は絶対無理だと思われていました。しかし後日発見の電話がかってきたんだそうです。「どうやって見つけたんですか?」と聞くと「ここは魔法の国です」と返ってきました。
裏話ですが、この1つの指輪を探すのに、30人のダイバーが潜ったんだそうです。
サイン色紙
ディズニーランドでディズニーキャラクターのサインを集めている親子がいたんだそうです。キャラクター全員分のサインをもらい、満足して海を見ていると子供がサインを落としてしまったんだそうです。
無理を承知でキャストに言ったところ、しばらくして見つかりましたの報告が来ました 。
そんな、まさか!と思いキャストに渡されたサイン色紙を見てみると、アリエルのサインが増えていたんだそうです。きっと海に落ちた色紙をアリエルが拾って届けてくれたんですね♪
お子様ランチ
東京ディズニーランドに、ある若い夫婦が訪れました。彼らはディズニーランド内のレストランで「お子様ランチ」を注文したのです。もちろんお子様ランチは9歳以下とメニューにも書いてありました。子供のいないカップルに対してはマニュアルではお断りするようにとなっています。当然、「恐れ入りますが、このメニューにも書いてある通り、お子様ランチはお子様用ですし、大人には少し物足りないかと思われますので・・・」と言うのがマニュアルです。
しかし、キャストの青年は、マニュアルから一歩踏み出して夫婦に尋ねました。「失礼ですが、お子様ランチは誰が食べられるのですか?」すると、「死んだ子供のために注文したくて」と奥さんが答えます。「亡くなられたお子様に!」とキャストは絶句しました。
「私たち夫婦には子供がなかなか授かりませんでした。求め続けて求め続けてやっと待望の娘が産まれましたが、身体が弱く1歳の誕生日を待たずに神様のもとに召されたのです。私たち夫婦も泣いて過ごしました。子供の一周忌に、いつかは子供を連れて来ようと話していたディズニーランドに来たのです。そしたら、ゲートのところで渡されたマップに、ここにお子様ランチがあると書いてあったので思い出に・・・」そう言って夫婦は目を伏せました。
キャストのアルバイトの青年は「そうですか。では、召し上がって下さい」と注文応じました。それだけではなく「ご家族の皆さま、どうぞこちらの方に」と4人席の家族テーブルに夫婦を移動させ、それから子供用の椅子を1つ用意してくれました。そして「お子様はこちらにどうぞ!」と、まるで亡くなった子供が生きているかのように小さな椅子に導いたのです。
しばらくして、夫婦の元に運ばれてきたのは3人分のお子様ランチでした。キャストは「ご家族でゆっくりお楽しみください!」と挨拶して、その場を立ち去りました。
若い夫婦は失われた子供との日々を噛みしめながら、お子様ランチを食べました。
このような行為は本来ならばマニュアル破りの規則違反です。しかし、東京ディズニーランドでは先輩も同僚も彼の行動を咎めません。それどころか彼の行為はディズニーランドでは賞賛されるのです。マニュアルは基本でしかありません。マニュアルを超えるところに本当の感動が生まれるのです。
この出来事にとても感動した若い夫婦は、帰宅後に手紙を書きました。「お子様ランチを食べながら涙が止まりませんでした。まるで娘が生きているように家族の団らんを味わいました。こんな娘との家族団らんを、東京ディズニーランドでさせていただくとは、夢にも思いませんでした。これから、2人で涙を拭いて生きて行きます。また、ニ周忌、三周忌に娘を連れてディズニーランドに必ず行きます。そして、私たちは話し合いました。今度はこの子の妹か弟かをつれてきっと遊びに行きます。」と言う手紙が東京ディズニーランドに届きました。
ディズニーで起きた奇跡
主人の上司のA課長は、病気で子供を失いました。お子さんは当時5歳。原因は分かりません。不治の病だったそうです。Aさんも、Aさんの奥さんも絶望の淵に立ったそうです。あまりにも辛すぎる出来事に精神的ダメージを受けた奥さんは、突然Aさんに皿を投げつけたりなどのDV行為を行ったそうです。Aさんは事情が理解できていたので、黙って見守っていたそうです。
我が子を失った思いというのは、自分さえ深く深く傷ついている。ましてや、奥さんは自分が仕事でいない間もずっと一緒だった。たとえば入院してからも、自分は仕事で病院に行けない日があったのに、奥さんはずっと通っていたわけです。Aさんも悪いなあと思っていました。
その時点では、いずれ退院したら、どこかに連れて行こうか、奥さんと子供はディズニーが好きだから、ディズニーへ連れていけばいいや、と軽く考えていたそうです。その矢先のお子さまの突然の天界。Aさんも自分の過ちにやっと気づいたそうです。その時、その一秒でも子供と奥さんと共に接していれば、わずかな時間でも共有していれば、たとえ結果は一緒だったけれど、過程は全然異なる。そう自責の念に駆られたと言います。
子供を失った夫婦というのは、とてつもなく大きな暗い穴が広がるそうです。我が子をうざったいと思う時もありますが、いざ、最初からいないと仮定すると、それは考えられない。失う、消えるという事態が突然自分の子供に起こることはとても理解できないと思います。そういう場面にAさん夫妻は直面したのです。
その後は毎日が夫婦喧嘩。一方的に奥さんが罵るわけですが、Aさんも耐えてるんでけども、悪いとは思いながらも、時折言い返してしまっていました。Aさんと奥さんは精神的にボロボロに崩れ落ちていました。
当時そのA課長は、私の旦那を送ってきた際に「きみの子たちは元気だね。それは結構幸せな事なんだ。ゼロになるというのは本当に信じられないことなんだ。気が狂うよ。」と言っていました。涙目でした。あとあと話を聞くと、実際に、備長炭を用意していたそうです。死ぬ一歩手前でした。
そんな時な話です。
「ディズニーランドに行ってみようか。」
そう思ったA課長はその考えを奥さんに言いました。なぜならその日は生きていれば我が子の誕生日だったからです。それに、子供は病院で息を引き取る前に、ミッキーのぬいぐるみを抱いていたほどディズニーが大好きだったんだそう。Aさんは、子供が亡くなるまで毎年、ディズニーランドで子供の誕生日を祝っていたのです。今年も生きていれば当然ながら行っていました。我々の家庭ではお決まりのイベントだった。それを思い出したんです。それで一周忌に子供との約束は守ろうと思いました。
Aさん夫婦はディズニーランドに行きました。ディズニーランドへ到着してすぐは後悔したそうです。すれ違う親子連れやミッキーの帽子をかぶってじゃれ合う親子連れ。ディズニーランドには親子連れがたくさん遊びに来ています。きっと我が子と同い年であろう子供を見るたびに涙がこぼれそうになったそうです。なぜなら我が子も一緒にディズニーランドへ来ていれば、他の親子連れと同じことをしていたわけです。ふと子供の手の温かさを思い出したそうです。
『パパ、ママ。』
亡き子供の声を何万回も聞いたそうです。もし、自分の子供が生きていたら、こんなふうに乗り物に乗っていたんだろうか。こんなものを一緒に食べて喜んでいたのかなあ。ディズニーランド内を歩くたびに亡くなった子供の笑顔ばかりが頭に浮かんだそうです。
Aさんは「来なければよかった。」と思ったそうです。奥さんも同じことを考えていたのか、Aさんを睨み付けるばかりでした。「帰ろうよ。」そしてさらに「あなたは私に悲しみを与えるばかり。」「最悪の夫だよね。」とも言われたそうです。
Aさんはふと、そんな奥さんを見て思ったそうです。自分と一緒にいるから彼女は子供のことを思い出し、救いようのない泥沼から這い上がれずにいる。そしてそれは自分も同じだ。お互いに幸福になるにはどうしたらいいか?
導き出した結論は離婚でした。子供を亡くした親は必ず離婚を意識するそうです。理由はこれ以上子供のことを思い出して、互いに傷つきたくはないから。それが天国にいるであろう、我が子に対しての償いだと・・・。
真剣に離婚を考えながらもA課長は、予約してあるレストランへ向かいました。そこではお互い、言葉は交わすことはなくても、これが一緒に取る最後の食事であることはなんとなく、感じていたんだそうです。子供が生きていたらきっと喜ぶであろう、ミッキーマウスのショーを見ることができるレストラン。これが最後の晩餐になるんだろうなぁ、と夫婦共に考えていたそうです。
A課長は自分の心は死んだ子供にある。奥さんも亡くなった子供だけしか考えられなくなっている。どんなに思おうが、子供は生き返っては来ません。だけど、二人にとっては決して忘れることができないし、忘れる気持ちも毛頭ない、楽しい日々の思い出がある。共有する楽しい思い出と、それに残酷なまでに続く悲しい思い出です。
レストランに入り、「予約していたAですが。」と伝えると、キャストは席に案内してくれました。テーブル席です。空席がありますが、それは亡くなった子供の席です。Aさんと奥さんの間にある一つの空席。
その日は非常に混んでいたんだそうです。日本はおろか、アジア中からゲストが来ていたから当然です。Aさんの席は2人だけなのに、4人掛けのテーブルでした。Aさんもちょっぴり悪いかな、と考えました。そんな時キャストがこちらにやって来ました。
「お客さま、大変申しわけございませんが、御夫婦さまでしたら、二人掛けのテーブルに移っていただけないでしょうか?御家族連れに困っているお客さまのためにお願い致します。」と、そう言ったそうです。
夫婦だけなら、もっと小さなテーブルに行って、大きなテーブルは待ち疲れたファミリーに譲る。それはディズニーに限らず、レストランで食事を摂る者の当たり前のマナーです。だけど、Aさんは「悪いな」とは思いつつ言いました。
「混んでいるのは分かるんだよね。できることなら僕だって席を譲りたい。でも、実は昨年、私たちの子供が病気で死んだんだ。今日は、私たちの子の誕生日なんだ。私たちは子供の誕生日を祝ってあげたい。この真ん中の席には、子供が座る予定だったんだ。約束していたんだ。二人だけであれば当然、席を譲ろうかとも思うんだけれど、亡くなった子のバースデーだから、大変申しわけないんだけど、このままでいさせてはいただけないだろうか。」
それを聞いたそのキャストは、しばらく考えたあと「お客さま、それは大変失礼な事を言ってしまいました。大変申しわけございません。どうぞ、このままの状態でいらしゃって下さい。」と言って去って行ったそうです。
しばらくして食事が来ました。注文したのは二人分のフレンチのコースだったのに、なぜか3人分が来たそうです。しかも、真ん中の席にはきちんとお子さまランチが置かれたそうです。そしてドリンクはオレンジジュースでした。それを見たAさんはキャストを呼びました。「自分たちは子供の分までは注文していない。」と。
すると、「これは店のサービスです。お子さまの分はお店からのサービスです。」そうキャストは言ったそうです。そしてさらに、しばらくして、天井の明かりが少し落とされたかと思うと、突然アナウンスが聞こえてきました。Aさん夫妻は何だろう?と思い、マイクの発信先に目をやりました。すると、そのキャストが大きなケーキを持っていたのです。それもバースデーケーキを。
「みなさま、大変申しわけございません。本日は特別な日です。ここにいらっしゃる方のお子さまの誕生日なのです。どうかみなさま、いっしょにハッピーバースデーを一緒に歌ってはいただけませんか。」キャストはそう言うと、音楽と共に、ケーキをAさんのテーブルに運んできてくれたそうです。何人ものお客さんが、音楽に合わせてハッピーバースデーを歌ってくれたそうです。テーブルに運ばれてきたケーキ。すると自然に蝋燭の火が消えたそうです。理由は分かりませんが確かに静かに消えました。Aさん夫婦が立ち上がってお礼のために頭を下げると、拍手が起こったそうです。「おめでとう。」「おめでとう。」お祝いの言葉が色んなところから聞こえてきました。
やがて子供が大好きだったミッキーのショーが始まったそうです。そのときでした。Aさん夫婦は奇跡を見たそうです。真ん中誰もいないはずの席に、我が子が座っている。ミッキーのショーを見て喜んで手を叩いていたんです。ああ。ああ。
君と一緒に見たかったんだよ。Aさんは涙目になりながら、生前の我が子からは少し成長した我が子を見たそうです。ミッキーを見て笑顔で喜ぶ我が子を。横を見るとAさんの奥さんもハンカチで目頭を押さえて、同じように空席に座る少し成長した我が子を見ることを体験したそうです。
そのとき、夫婦で悟ったそうです。自分たちは間違っていたのかもしれない。自分たちが喧嘩ばかりしていたら、亡くなった子供はますます悲しくなってしまう。悲しみがひどすぎて、天国へもいけない。自分たちは間違っていたんだ。子供のことは忘れてはいけない。だけど、前に進まなればならないんだ。そう、夫婦で一瞬にして悟ったそうです。その直後、真ん中に座る子供はAさんと奥さんを右、左とゆっくりと見て、微笑んだそうです。声は出すことはなかったそうですが、こう聞こえたそうです。
『ありがとう。ありがとう。パパとママ、ありがとう。』
やがてショーが終わり、店内に明かりが再び灯りました。Aさん夫婦の間には手を付けられていない料理が一つ。けれど今、体験した奇跡は夫婦は本物であると疑いを持つことはありませんでした。2人手を握り締め合って、ディズニーランドを後にしたそうです。
当たり前の幸せ
半年ほど前にディズニーランドへ行った際に、ミートミッキーでものすごく感動した出来事がありました。私と彼の前を目の不自由な夫婦が歩いていました。キャストの方が付き添って、丁寧に説明をしながら歩いていました。
そしてミッキーに会う部屋に入り、その夫婦の方に順番が回ってきました。キャストの方が、「ここがミッキーの耳ですよ!」と言うとミッキーがその夫婦の手を持って自分の耳に持っていきました。夫婦は手をさぐりながらうなずいて、とても嬉しそうにしていました。
ミッキーは他にも、鼻に手を持っていったり、たくさん夫婦を抱きしめてキスをしていました。そして出口のドアの所まで夫婦を送りました。そんな光景を見ていた私は思わず泣いてしまいました。すると泣いている私の所にミッキーが来て頭をなでてくれました。
あの日のことはずっと忘れないと思います。あの夫婦のとても嬉しそうな顔も。当たり前のことがどんなに幸せなことなのかをすごく考えさせられました。ディズニーランドが夢と魔法の国だということをその夫婦とミッキーに教えてもらった様に思います。前からディズニーが好きだったけどもっと好きになりました。
ポップコーン
5年間キャストをしていました。色々感動したことはあったんですが、これはその中でも特に素敵なお話です。
私はディズニーシーでポップコーンのワゴン担当をしていました。閉園時間が近づき、時間になったのでワゴンを畳んでいると、小さな子供の泣く声が聞こえてきたんです。
「後で買ってくれるって言ったじゃないかぁ!!」
どうもポップコーンを後で買うという約束をお父さんとしていたらしく、私がワゴンを畳んでいる姿をみて泣き出してしまったようです。「まだポップコーンを売っているところはありませんか?」その子のお父さんは困って私に聞いてきました。
しかし、残念ながら私のワゴンはディズニーシーの中で最後までやっているワゴンの1つだったんです。「すみません、もうポップコーンを売っているところはないんです。」私の返答を聞いた子供はさらに大きな声で泣き出しました。なんとかしてあげたいと思いましたが、もうポップコーンはありません。
その時でした。少し前にポップコーンを買った男性が私に声をかけてきたんです。「ポップコーンの入れ物だけでも出せませんか?私のを少し分けてあげたい。」
嬉しかったです。私はすぐにしまってあったレギュラーボックス取り出して差し出しました。「これを使って下さい!」男性が自分のポップコーンを空のレギュラーボックスに分けていると、「僕のも」「私のも」と、ポップコーンを買ってまだ近くにいた人たちが男性のもとに集まってきて、レギュラーボックスに少しずつポップコーンを入れていくんです。
そうしてレギュラーボックスはすぐに一杯になりました。男性は溢れだしたポップコーンをこぼさないように子供に差し出して言いました。
「最後まで楽しい思い出を作ってね」
子供はそれを受け取ると本当に嬉しそうな顔をしてお礼を言っていました。私の売ったポップコーンがただのポップコーンから「人の優しさ」に変わったこと。そしてその優しさが集まってレギュラーボックスを一杯にしてしまったこと。そんな光景をみて、私はうっかり泣いてしまっていました。
ミッキーは魔法使い
「あれ?さっきまでランドでミッキー見たよ。ミッキーってたくさんいるんだね?」とあるゲストが聞くと、「ミッキーは魔法使いだからね、魔法を使ってあっという間にここにこれるんだよ」と返していたキャストさん。
意地悪な発言にもちゃんと夢のある、ディズニーらしい答えをしていたキャストさんに感心しました。
ハグ
以前ちょっと大病をした事がありました 。当時はもうダメかもって思って塞ぎこんでいました。ですがおかげさまで元気に退院することが出来ました 。
退院してから初めてのディズニーに訪れた時、ミッキーに「入院してて大変だったんだ、元気になれてまたミッキーに会えて本当に嬉しい」って言ったらぎゅうと長い時間ハグしてくれて頑張ったね!良かった!嬉しい!ってジェスチャーしてくれました。思わず涙が出てしまいました。本当にここは夢の国だと思いました。
あの時はありがとうミッキー。今はとっても健康です!
雨上がりのマジック
「だから気をつけなさいって言ったでしょ!」突然女性の大きな声が聞こえたと思ったら、今度は男の子が弾けるように泣き出しました。男の子の足元には無残にもソフトクリームがぐちゃぐちゃになって落ちています。 落としちゃったんだなと状況を理解した僕はすかさず男の子のそばに駆け寄り、ほうきとちりとりでパパッとソフトクリームを片付けました。そして膝をついて涙目の男の子の目線に合わせて「ソフトクリーム落としちゃったんだね、大丈夫だよ!ちょっと待っていてね。」と伝え隣にいるお母さんにも「すぐ戻りますから待っていてくださいね」と声を掛けて、急いでソフトクリームを売っているお店へと向かいました。
売り場のキャストに事情を話して、新しいソフトクリームを作ってもらった僕は、一目散に男の子の元へ戻りました。「お待たせしちゃったね。はい、どうぞ。」膝をついて、まだ頬を涙で濡らしている男の子にソフトクリームを差し出すと「本当にもらっていいの?」と訴えかけるような瞳でこちらを見つめています。僕は男の子の手を取って、ソフトクリームを手渡しながら「大丈夫だよ。もしまた落としちゃってもお兄さんたちがすぐに新しいのを持ってくるからね!」と言いましたが、男の子の表情は強張ったまま。よほどソフトクリーム落としてしまったことがショックだったのでしょうか。お母さんにも「食べてくださいね。」と笑顔で伝え、その場を離れましたが、その男の子のことが気になって仕方がありませんでした。
このままだと、せっかくのディズニーランドでの思い出があまりいいものにならないかもしれない。どうにかして男の子の笑顔を取り戻したい。だけど、これ以上カストーディアルキャストである自分にできることなどありません。どうしようかと悩んだところで、持っているものは掃除の道具だけです。ふと足元を見ると、さっきまで降っていた雨でできた小さな水たまりがあります。
そして、あること思いついた僕は男の子のところへ戻り、「僕、ちょっとこっちへ来てくれるかな?面白いもの見せてあげるよ。」と水たまりのそばまで連れていきました。そしてほうきのブラシ部分をたっぷりと水たまりに浸し、その男の子に微笑みかけてから水につけたブラシを筆に見立て、地面にさっと円を書きました。
「お兄さん何を書いてくれるんだろうね!」と楽しそうにそう言って、しゃがみ込んだお母さんの横で立ち尽くす男の子。「一体何が始まるんだろう」と興味を持ってくれたのか分かりませんが、男の子の表情に少しだけ、変化があったような気もします。気合いを入れて、もう一度ブラシを水につけ、今度は黒丸を一つ書きます。「あっ、ミッキー!」と弾んだ声を上げたのは男の子でした。こちらを一心に見つめる男の子の視線を感じながら、次々に線を走らせます。
そうです。水たまりの水を使って、ミッキーマウスの似顔絵を描きました。とっさの思いつきとはいえ、ミッキーの絵は子供の頃からよく書いていたので、かなりうまく書ける自信がありました。鼻や口、顔の輪郭、そして2つの耳を描いたところで「うわー!すごい上手!」と男の子が手を叩いて大きな歓声を上げました。近くを歩いていた他のゲストたちも、男の子の声に気づき、なんだなんだと僕たちの周りに集まってきました。初めてのことにドキドキしながら、頭を黒く塗り、最後に目を書いたら出来上がりです。「はい、ミッキーマウスだよ!ミッキーが君に元気を出して思いっきり楽しんでね!って言ってるよ。」僕は汗だくになりながら男の子に向かってそう言うと、「お兄ちゃんありがとう!」と満面の笑みで答えてくれました。
その言葉にホッとした瞬間、パチパチパチパチパチと周りで見ていた他のゲストのみなさんから、たくさんの拍手が起きました。見渡すとみなさんが温かい笑顔を僕に向けてくれていて、「ありがとう。素敵な瞬間に出会えたよ。」そんな感謝の言葉までもが聞こえてきました。僕はこみ上げてくるものを必死で押さえながら、「ありがとうございます。ありがとうございます。」と何度も言って頭を下げました。
僕はこの仕事をしていることに誇りを持つことができました。そして、それだけではありません。僕はもう一つ大切なことに気づいたのです。常にゲストの為に働いている僕たちですが、その一方でゲストからたくさんの感動や喜びをもらっていたのだと。
Happy Birthday In TDL
誕生日をディズニーランドで過ごすのが夢だった私は、女友だち3人を誘って念願の誕生日にディズニーランドを実行しました。エントランスに着くと早速、入場案内のキャストのお姉さんに「今日は私の誕生日なんです!」と伝えると、そのお姉さんはパッと瞳を輝かせ「お誕生日おめでとうございます!バースデーシールをどうぞ。」とお祝いの言葉とともに、ミッキーの顔とハッピーバースデーの文字が入っている小さな丸いシールに、私の名前をサインペンで書いてくれました。「見えやすい所に貼ってパーク内を回ると、いいことがあるかもしれませんよ!素敵なお誕生日をお過ごしください。たくさんの思い出をお持ち帰りくださいね!」とそう言ってくださいました。
バースデーシールのことは聞いたことがありましたが、実際にもらったのは初めてでした。いいことってなんだろうとワクワクしながら入園すると、その瞬間からいいことづくし。まさに宝箱みたいな時間が待っていました。「お誕生日おめでとうございます!」「Happy Birthday!」とパーク内で出会うキャストさんのほぼ全員が祝福してくれました。さらにたくさんのキャラクターが私の所に寄ってきてくれて、ハグやサインでお祝いしてくれました。言葉では発しませんが、みんな身振り手振りの表現がとっても豊かで「おめでとう」と言ってくれているのが伝わってきます。私が一番好きなドナルドダックのサインをもらえた時は嬉しすぎて思わず、ウルッときてしまったくらいです。「羨ましい!私も来年の誕生日は絶対ディズニーランドに来る!」と友人たちもすっかりディズニーのバースデーサプライズにはまってしまっている様子でした。
そして、レストラン、クイーンオブハートのバンケットホールで食事を取っている時の事です。デザートに、アンバースデーケーキを頼んだのですが、運ばれてきたものを見てびっくりしました。ハッピーアンバースデーとデコレーションされているはずのチョコレートの板が「 Happy Birthday 」に変わっていたのです。私たちは大はしゃぎしながら、お誕生日ケーキを食べました。
帰りは閉園時間間際だったのにも関わらず、一言も急かされるような言葉はなく、それどころか「素敵な一年をお過ごしください!来年のお誕生日もいらしてくださいね。」と笑顔で見送ってくれたので、それ以来私たち4人は、ディズニーランドで誕生日を過ごすことが恒例になりました。お互い誰かが結婚して疎遠になったりして、いつか叶わなくなる時は来ることも分かっています。それでも毎年「誕生日にディズニー」は、私たちの合言葉です。それにしても、この日だけで一体何人の人におめでとう言ってもらったのでしょうか。少なくとも二十数年の人生の中で一番多かったことには間違いありません。
おばあちゃんと花火
ディズニーランドでは、ほぼ毎晩花火が上がります。その日私はピーターパン空の旅というアトラクションの外で、待ち時間をご案内していました。花火が始まる10分ほど前、一組の家族がやってきました。車椅子に座っているおばあちゃんと、お子さんが二人、そしてご両親のグループです。
ピーターパンのアトラクションに入っていく様子を見送った後、おばあちゃんは入り口の片隅に車椅子を寄せて静かに空を眺めていらっしゃいました。私は心細くないか心配になり、おばあちゃんに話しかけました。「こんばんは。今日は朝からいらっしゃったんですか?」おばあちゃんは笑顔を浮かべて教えてくださいました。「ええ、そうなんです。孫が行きたいと言ったのでね。でも私は何も乗れないからこうやって待っているんです。」私は少し申し訳ない気持ちになりました。きっとその気持ちを察したおばあちゃんは、続けてこう言ってくださいました。「待っているのは暇だけど、ここの緑はとても綺麗に手入れされているから、見ているだけでも気持ちがいいわ。それに従業員の皆さんは私を放っておいてくれないのよね。みんな声をかけてくれて私の相手をしてくれるの。さっきはシンデレラも来てくれたのよ。」とおかしそうに笑うその表情に私はほっとしました。
それからお孫さんのことや、今日一日の出来事なども聞かせてもらっていました。そうこうしているうちに花火が始まる時間になりました。「もうすぐ花火が始まるんですが、良かったら花火の見える方向に車椅子を動かしてもいいですか?」と私が聞くと、「花火が上がるの?素敵!ぜひ見たいわ。」私は喜んで車椅子を花火がよく見える方向に移動させ、一緒に空を見上げました。
そして、大きな音がして花火が上がり始めました。綺麗な花火を見ておばあちゃんはうっとりしています。私たちはそのまま静かに、花火を見ていました。花火が終わる頃、アトラクションを楽しんでいた家族が戻ってきました。「おばあちゃん花火見たの?いいなあ。」とお孫さん達がおばあちゃんに抱きつきます。家族の会話が始まったところで、「さあ私の役目も終わったかな。」と思い、おばあちゃんに挨拶してその場を去ろうとすると、にっこりと笑いながらおばあちゃんがこう言ったのです。「ありがとう、花火を一緒に見られて幸せだったわ。あなた達は動けない私にも思い出をたくさんくれました。冥土の土産にしますからね。」私はびっくりしました。「冥土の土産だなんて!これからもたくさん思い出を作りにいらしてください。お待ちしています。」私はこう伝えました。
おばあちゃんがその後再びディズニーランドに訪れて下さったのかは分かりません。でも私はあの時おばあちゃんが言った言葉が今でも忘れられません。キャスト一人一人はもちろん、パークの緑まで見てくれている人がいる。私たちディズニーランドに関わる全ての人たちのチームワークがあるからこそ、最高のハピネスを届けられるのだと改めて気づきました。そして、ディズニーの世界観を作り上げられているのは、キャストだけでなくゲストもそのチームであり誰一人として欠けてはいけないのだと。
ありました
それは12月のクリスマスに近い日のことでした。その日は春のような陽気で、寒さはそれほどありませんでしたが、時折強い風が吹いていました。クリスマスシーズンということもあって、平日ながらオープン時間からかなり混雑していました。シンデレラ城の前にもたくさんのゲストで長蛇の列が出来ていました。
ミステリーツアーのキャストとして、外でゲストをお迎えする担当だった私は並んでいる間、退屈しないように得意のパントマイムで大きな風船を作り、並んでいるゲストにも投げる真似をするなどして、ゲストと一緒に楽しんでいました。
だんだん列の最後尾の方を通していくと、明らかに他とは違う空気が流れているスペースがあります。どうしたんだろうと見てみると、若い女性が腰をかがめて地面をあちこち見ています。連れの方だと思われる男性も、一緒になって地面を這いつくばっています。「どうなさいましたか?」懸命に何かを探している様子の女性に声をかけると、見るからに困った顔をしながら「すみません、コンタクトレンズを落としてしまって、私極度に目が悪いのでコンタクトがなかったら何も見えないんです。」とか細い声でそう呟き、今にも泣き出しそうな表情になりました。
「こんなところで目をこするからだよ。これだけ風があったら飛ばされているよ!見つけるのなんか無理だよ。諦めてもう帰ろう。」そんな彼女をイライラした様子で、連れの男性がたしなめています。おそらく二人は恋人同士なのでしょう。クリスマスの時期にディズニーランドでデートだなんて、きっと二人も楽しみにしていたに違いありません。クリスマスシーズンのキラキラしたディズニーランドでのデートを、ここで台無しにして欲しくはありません。「先頭にたどり着くまでまだ時間がかかりますから、もう少し探してみましょう。もう一人キャストに応援を頼みます。4人で探せばきっと見つかりますよ!」そう力強くお伝えし、後ろに並んでいたゲストに先に行ってもらいました。そして再び探し始めました。すると私たちの様子を見ていたゲストの一人が、「コンタクトがないと困りますよね。私もコンタクトので分かります。」と言って一緒に探し始めてくれたのです。
今日は他のアトラクションもかなり混んでいて、長い時間並ぶ可能性が高いのに・・・。コンタクトを失くした女性と一緒に「そんな、申し訳ありません。自分たちで探しますから大丈夫です。」と恐縮していると、別のゲストも「私も一緒に探しますよ!」と言って探して下さいました。そして気付くと、いつのまにか女性の前後5mくらいに並ばれていたゲストの方々が30人くらいが、腰をかがめてコンタクトを探してくださっていたのです。その光景になんだかじわじわと胸が温かくなるのを感じました
「皆さんありがとうございます。ここからは私たちキャストにお任せください。どうぞ皆様。このまま列をお進みください。」と頭を下げて再び捜索を開始しました。それから30分は探していたと思います。あんなに小さなものを風の強い中で見つけるのはやっぱり無理なのかも・・・。そんな思いがよぎったその時でした。
「あった!!」と離れたところでさっき一緒に探してくれていた女性のゲストの方が 満面の笑みで右手をあげています。「ありがとうございます!よかった!」私は嬉しさのあまり、落とした女性と手を取り合って喜びを分かち合いました。周りの人たちも気にしていてくれたのでしょう。「見つかって良かったですね!」「この後も楽しめますね!」などとあちらこちらから言葉かけてくれました。キャストもゲストも関係なく、困っている人がいたら手を貸したいという気持ちで、そこにいる人たちみんながつながったように感じました。
そして特に印象的だったのは連れの男性です。最初のうちは他人を巻き込んで大事になってしまった状況を恥じているような様子だったのですが、一生懸命に探している人たちの姿に何かを感じたのでしょうか。「僕らのためにすみません。ありがとうございます。」と一人一人に声をかけて、自分も膝を地面につけて探していました。コンタクトレンズが見つかると、顔をくしゃくしゃにして喜び、何度も何度も見つけてくれた女性にお礼を言い、その後大きな声で列に並んでいる他のゲストに向かって「皆さんのおかげで見つかりました。ありがとうございます。」とふかぶかと頭を下げました。トラブルをくぐり抜け、シンデレラ城へ向かう二人の背中は最初の印象よりも、より親密に寄り添って見えました。
そして、しばらくして私の元に一通の手紙が届きました。それはあの時の彼からでした。
【先日はありがとうございます。自分は並ぶのが何より嫌いな上に、遊園地が大嫌いなのに、付き合い始めたばかりの彼女にねだられてしぶしぶディズニーランドへやって来ました。案の定どこも混雑していて、最初はかなりイライラしていました。コンタクトがないと目が見えないから困るし、一緒に探してほしいと言われて、さらにイライラが増しました。本当は彼女をこの場において一人で帰ろうかという衝動に駆られていたんです。
もう爆発寸前というその時でした。スタッフの女性に声をかけてもらい、その明るい笑顔と「一緒に探しましょう!」という言葉に救われました。ディズニーのスタッフはみんな親切で優しく接してくれると彼女から聞かされていましたが、正直そんなのサービス業なんだから当たり前じゃないかと、冷ややかに聞き流していました。でもうまく言葉にできないのですが単なる接客とは違い、まるで友人のような親しみを感じました。
さらに驚いたのは、その場に居合わせた方みんなが一緒になって探してくれたことです。こんなことは他のどんなところでもありえないと思います。ディズニーランドは訪れる人みんなをも、優しい気持ちにさせてくれる場所なのかもしれない。初めて行った自分がこんな事言うのはおかしいかもしれませんが、1日ディズニーランドで過ごしてみて、スタッフもお客さんも楽しそうに笑顔でいる、そんなふうに感じました。
あの日のことを思い出すと今でも胸がジーンとなります。普段こういう手紙を書いたことはないのですが、こんなにいい思い出を作ることができたディズニーの皆さんに、お礼をお伝えしたく筆をとりました。本当にありがとうございました。相変わらず遊園地は好きではありませんが、ディズニーランドだけは別格です。また来年彼女と一緒に遊びに行きたいと思います。】
この手紙は私の宝物になりました。あの時の自分の気持ちを一生忘れずにいたいと思い、卒業した今もこの手紙を読み返しています。
ディズニーの魔法
ある年の夏休み初日、雲ひとつない青空の日のある日、初めて早朝の出勤だった私は、ディズニーランド行きのバス乗り場に並んでいました。今でこそ、JR舞浜駅がありますが、この時は、まだ東西線の浦安駅がディズニーランドの最寄り駅だったのです。そこからは、バスでの通勤となります。周りを見渡すと、夏休み初日ということもあり、大勢の家族連れで賑わっています。隣に並んでいるお父さんは、家族の荷物がたくさん入ったバッグを肩に掛け、額には大粒の汗をかき、お母さんが抱っこしている眠そうな小さなお子様を、うちわで仰いでいのが見え、聞こえてくる会話によると、どうやら他県から来ているよです。
時計を見ると、まだ7時過ぎ、この家族が家を出た時間は、きっと日が昇る前だったのでしょう。さらに奥の方に目をやると、幼稚園生ぐらいの女の子が、しわしわの紙を広げていて、よく見るとそれはディズニーランドのガイドマップでした。すでに端っこは、破れていてボロボロでしたが一向に構わない様子で、そこに載っている地図を指しお母さんと楽しそうに話をしています。
東京まで何度もガイドマップを開いては夢を膨らませていたのでしょう。そんな光景を目にして、期待に胸を膨らませて楽しそうに話す声を聞いたり見たりするのは、初めてでした。そうこうしているうちに私たちの乗るバスが到着しまし、これでもか!というほどたくさんの人が乗り込み、あっと言う間に車内はすし詰め状態に、いつもなら我先にと席に座る私でしたが、その日ばかりはそんなこともできません。
そして、少しでもお父さんやお母さんのような人たちに休んでもらおうと、バスの奥の方で立つことにしました。私の目の前の席には、先ほどのボロボロのガイドマップを持った女の子とお母さんが座っています。
車内のあちこちで子供たちが、これから向かうディズニーランドのことを、元気よく弾んだ声で話ししています。一方で、立っている大人たちは、窮屈な車内でどこかイライラが募っているようです。バスに揺られ、しばらくしてそろそろ着くかなと思った瞬間に、目の前に座っていた女の子が、椅子から立ち上がって叫びました。
『見て、シンデレラのお城だよ』
その声に、反応して皆が一斉に女の子が見ている窓の方を向き、そして次々に喜びの声が『本当だ、シンデレラ城だよ。やった、着いた。ディズニーランド、パパ見て』車内の雰囲気は一転し、まだディズニーランドについたわけでもなく、ただ、バスからかすかにシンデレラ城のてっぺんが見えただけで、それだけなのに、車内には楽しそうな声が飛び交い、子供たち、そしてイライラしていた大人たち、皆が笑顔になったのでまさに、ひとつの夢が叶った瞬間です。
パークの到着したバスは扉が開くと、ゲスト達は足取りも軽く、エントランスに消えていき、私の前に座っていたの女の子も、お母さんと手を繋ぎ、反対の手には、バスの中で何回も広げていたボロボロのガイドマップを握りしめ、嬉しそうにエントランスへ歩いて行くのが見えて、偶然にも、一緒のバスに乗ることによって来園されるゲストの方々が、ディズニーランドにを訪れる日のことを、こんなにも楽しみにして、そして足を運んで来ているのかが、よくわかりました。
『毎日が初演』
これはディズニーランドのキャストなって、最初に教わった言葉です。私たちにとっては毎日のことでも、ゲストにとっては初めての体験かもしれない、初舞台のあの新鮮さを忘れないように、という意味が心から理解できた、そんな瞬間でした。
余命1ヶ月のヒーロー
その日、私がシンデレラ城で出迎えたのは、まず小学6年生のお兄ちゃんと小学2年生の弟です。そして、そのお父さんとお母さん、親戚で来られたグループでした。この兄弟とご家族がツアーに参加されることを私は事前に知っていたのです。
なぜなら、お兄ちゃんは難病により余命1ヶ月だと宣告されているため、万全の注意を図るようと連絡があったからで、元気になってまた大好きなディズニーランドに行きたい、そして以前、入ったことのあるシンデレラ城で僕も悪いやつをやっつけてみたいと、男の子が希望している夢を叶えてあげたい、それにはどうすればいいだろうと検討した結果、今回は通常のツアーとは別にその彼と家族と一緒に来られたや親戚の方、そして来園中に何かあってもすぐに対応できるように、彼に同行している専属のドクターやナースでの、特別ツアーをすることにしました。
しかし、注意事項として通達されていた内容は、かなりの配慮が求められる内容でした。それは、ドクターとナースやお父さんお母さんと親戚だけがお兄ちゃんの余命を知ってるということだからで、そして、本人もその弟も余命1ヶ月だと宣告されていることは知らされていなかったのです。
ツアー中は、いつもと同じように明るく振舞わなくてはならないと自分に言い聞かせていましたが、目の前にいるお兄ちゃんのことを思うと胸が張り裂けそうななかで、いつもどうりにガイドとしてみんなの案内役として務めました。
そして、ツアーはいよいよクライマックスシーンになり、お兄ちゃんの夢だった悪者をやっつけるシーンです。私はいつも以上に心を込めてセリフを言いました。
『光の剣はきっと次の部屋にあります。勇気と善意と純粋な心のある人なら、その剣を使えるはずです。』
『どなたかいらっしゃいませんか、誰か力を貸してください』
すると、次の瞬間でした。
『そうだお兄ちゃん、お兄ちゃんがやりなよ』
それまで、お兄ちゃんのそばにいた2年生の弟くんが声をあげ、彼の一言につられたようにお父さんやお母さんや親戚の方々も続きます。
『そうだ、お前がやれよ』
『お兄ちゃんならきっとできるわよ。頑張って』みんなの声に勇気をもらったのか、お兄ちゃんは震える声で
『うん』と答えてくれました。
そして家族が見守る中、光の剣を手にしてお兄ちゃんは悪者を見事に倒し、シンデレラ城を守り、そして自分の力で夢を叶えたのです。
ツアーのフィナーレで悪者をやっつけてくれたお礼に、お兄ちゃんの首にヒーローと記された記念のをメダルをかけてあげた時に気づきました、お兄ちゃんの目からはほんの少し涙が流れていることに。
弟や家族に応援されて夢を叶えられたことがとても嬉しかったのかもしれません。私も思わず、もらい泣きしそうになりましたが、涙をこらえてなんとか最後までやり遂げました。約20分間のツアーでしたが、お兄ちゃんの体調も急変することなく無事にツアーを終えてお城の外に出ると、先ほど声をあげた弟くんがお兄ちゃんに駆け寄り、その首にかかっているメダルを覗き込みながら、何度も何度も。
『すごいね、お兄ちゃんやったね。悪いやつをやっつけたんだよね』と、嬉しそうに言っていました。
私はその二人のほほえましい姿を見ながら、弟くんの優しさに胸を打たれました。当時の弟くんは小学校2年生で自分が同い年の頃でしたら、自分だってお兄ちゃんのように勇者になって、光の剣で悪いやつをやっつけたいって思うはずです。
それなのにお兄ちゃんの夢を素直に応援できた弟くんもまたこのツアーのヒーローです。うっすら涙を浮かべながら笑顔で『ありがとうございました』と、お礼を言ってシンデレラ城を後にするご家族に『また遊びに来てね』と、精一杯手を振って見送ったのでした。
ディズニーで過ごす誕生日
私たち夫婦は二人ともディズニーランドが大好きです。住まいは関西ですが、週末を利用して年に何度も出かけています。今年の誕生日はディズニーランドで過ごしたいという私の希望で、お互いに平日に有給休暇を取り、あらかじめ購入していたバースデーパスポートを利用して、夜はディズニーアンバサダーホテルを予約し、初めて誕生日に訪れることになりました。
私にとってディズニーランドは、いつ訪れても新鮮な楽しさと幸せな気持ちを分けてもらえる大切な場所で、とても特別な場所です。だからこそ、誕生日をここで過ごしてみたかったのです。期待で胸を膨らませながらディズニーランドのエントランスへ向かうと『お誕生日おめでとうございます』
と、胸元に貼ったバースデーシールに気づいたキャストの方に早速お祝いの言葉をいただきました。
その後も、キャラクター達が駆け寄ってきて祝福のパフォーマンスをしてくれたり、次から次へとたくさんのキャストの方が声をかけてくれたりと、盛り沢山でした。ピーターパンは一緒に写真を撮る時に『ハッピーバースデー』と言いながら、私に帽子をかぶせてくれました。私がこんなにも誕生日を意識した日はないかもしれません。
サプライズでいっぱいの一日を満喫した私たちは、心地よく彼と共にホテルへチェックインしましたが、実は一つだけ心配なことがありました。それは泊まる部屋のことです。極度の嫌煙家である私は、随分迷いましたが禁煙の部屋が満室で、誕生日の夜はどうしても、ディズニーの世界の中で過ごしたいと、泣く泣く喫煙の部屋を予約していました。
きっとタバコの臭いが部屋に染み付いているんだろうと、覚悟して部屋に入ったのですが、ビックリしたのは、まるで最初から禁煙の部屋だったかのように全く臭わない、クリーンな部屋の空気でした。特に禁煙の部屋が希望だと伝えたわけではなく、あまりに感動したので、案内してくれたポーターさんにそのことを伝えました。
そうすると、お客様が以前お泊りになった時の履歴から、本来は禁煙のお部屋ご希望に違いないと判断し『いつもより念入りに、消臭と清掃させていただきました!』とのことで、思ってもみない気遣いに、すっかり嬉しくなってしまい、おかげで気持ちよく眠れそうです。
そして、さらに『奥様に留守番電話が入っています。後ほど、ご確認ください』そう言うと、ポーターさんは退出して行きました。留守番電話誰からだろうと、訝しく思いながら受話器を取ると『はーい、ミッキーだよ。今日は何の日か知ってる?君の誕生日だよ。おめでとう』
なんと、ミッキーからのお祝いメッセージが入っていましたが、それだけではありません、テーブルに私宛の封書が置いてあるのに気づき、開けてみるとミッキーとミニーからのメッセージ付きバースデーカードがありました。『I hope you have a wonderful day and a great year.Best Wishes!お誕生日おめでとう!これからも、楽しい思い出をたくさん作ろうよ!』
ホテルからの嬉しいサプライズの数々に、再び感激してしまいました。『すごいね誕生日の特典はパークだけだと思っていたら、ホテルにもあるんだ!僕たち、まだまだディズニーの魔法にかかったままだね!』私よりも、ディズニー好きの主人が興奮しています。今から思えば、彼からプロポーズをされたのもディズニーランドでした。
『僕はディズニーランドが昔から大好きなんだ。ここに来ると、純粋に楽しめるし煩わしいことや嫌なことを全て忘れることができる、僕はここで感じているような、ワクワク感のある楽しい家庭を作っていきたいと考えているんだ』と、少年のように目を輝かせながらそう言って、彼が私に差し出したのはなんと指輪でした。
たった3年前のことなのにずいぶん昔のように感じます。あの時、自分の人生の中でこんなに嬉しい出来事はないのではないか、と幸せの絶頂のような気持ちになったことを覚えています。その彼が、今は私の隣に夫としている。あの時と変わらずに。私以上に、ディズニーが大好きで遊びに来ると、子供のようにはしゃいでいる。彼とベッドに腰掛けバースデーカードをまじまじと見つめている夫の横顔を観ながら、幸せにはまだまだ奥があるのかもしれない。
そんな贅沢な甘い気分になったのは、ディズニーマジックのおかげでしょうね。
男の子が会いに来ていたのは
ディズニーランドといえば、やっぱりパレードが大人気で、毎日たくさんのゲストが、パレードを楽しんでいます。パレードルート上には車いすを利用される方や、妊婦さんそして座ってパレードをみるのが苦手な方が利用できる専用エリアがあります。年間パスポートで来てくれるリピーター様も多くいて、すっかり顔なじみななんて方も少なくありません。その中に、いつも車椅子に座っておばあちゃんと一緒に来てくれる、5歳くらいの男の子がいました。
『パレードが大好きで、ミッキーを見ると瞳をキラキラさせて、ミッキーの姿を目で追って笑うんです』と、おばあちゃんが教えてくれました。
本当にパレードが大好きなようで、生まれつき難しい病気を抱えているために体を自分で動かすことが出来ないのですが、それでも体調が良い時は必ずと言っていいほど通ってきていました。彼の前を通る時は、いつも『今日も、来てくれてありがとう!』と、笑顔で動かない彼の右手と握手し『この間ミッキーが君を見つけて喜んでいたよ!今日も来てくれていることを、パレードの前にミッキーに伝えておくね!』などと、たわいのない会話を交わすたびに僕たちは親しくなっていきました。
ところが、ある日いろいろなことが重なって、忙しくなってしまった僕は、彼の姿を見つけたものの急いで移動しなければならず、二人に軽く会釈して急いでその場を通り過ぎようとしました。それは、また後でお仕事が落ち着いた時に声をかけに行こう、そう思っていたんです。
その瞬間ものすごい力で右腕をちょっとと掴まれました。びっくりして振り返るとそこにはいつもニコニコしているおばあちゃんがものすごい形相で立っていました。『こんにちは今日も来て下さったんですねありがとうござい・・・』と、言いかけた僕を遮って、おばあちゃんはとても真剣な顔でこう言ったんです。『こんにちは、じゃないよ!』『え!?』『どうして今日は孫と握手してくれなかったの?』『握手!?』『そうよ、孫はいつもあなたと握手をするのを楽しみにしているのよ。さっきからずっと、孫は目であなたのことを追っていたのよ!』
『えっ!俺を?』『そう、あの子はあなたが声をかけてくれるのを、楽しみにしているんだから!』と、言われてとても驚きました。ミッキーのようなキャラクターに、握手をしてもらって喜ぶのは分かります。百歩譲ってジャングルクルーズの船長など、人気のアトラクションのキャストとの握手も嬉しいかもしれません。
でもその時、僕がやっていた仕事はパレードで踊ったり歌ったりするダンサーやシンガーではなく、パレードが通る家を作ったり交通整理をしたりするというのがほとんど、コスチュームだって、アトラクションやショップの人と比べたら地味だし目立たない格好なわけで、こんな自分と握手をするのを楽しみにしているゲストが、いるなんて考えてもみなかったんです。
僕は嬉しさと申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、その子の元へ走りました。『ごめんねせっかく来てくれたのに、今日も来てくれてありがとう!』そう言って、いつものようにいつもしているように動かない彼の右手を両手で包み込み、しっかりと握手をしたその時の嬉しそうな彼の瞳が、今も脳裏に焼き付いて離れません。
それまで、自分の仕事にそんなに自信を持てずにいました。でもこんな自分を、必要としてくれている人がいる、喜んでくれる人がいる、ささやかかもしれないけど、誰かの役に立つことができるんだと、知ったのです。僕はこの時、心から自分の仕事を肯定できたような気がします。
それから数年後、僕がディズニーランドを卒業する日がやってきました。その日は、男の子とおばあちゃんだけではなく、彼のお父さんお母さんのと家族みんなで来てくれていて、僕と一緒に写真を撮ってくれました。その時の写真は今も大事にアルバムに貼っています。
あれからもう20年近く経ちますが、必要のない仕事なんてない、必要のない人間なんていない、たとえどんな仕事であろうと誰かに影響を与えている。一生懸命やったらきっと誰かを笑顔にできるし、誰かに元気を与えることもできるんだ。そんな大切なことを、あの男の子とおばあちゃんに、教えてもらいました。それは、今でも僕の心の奥にあります。
最高のディズニーマジック
私は学生時代からディズニーランドで長い時間を過ごしてきました。今日がアルバイトの最終日、仕事とは何か働く喜びとは何かを教えてくれたディズニーランド。今日は今まで着ていたコスチュームや借りていたロッカーの鍵の返却退職手続きこれで全て終わりです。2日前に思い出の詰まったアトラクションでの最後の勤務を終え、一通りの手続きをしてお世話になった人たちにお礼を済ませました。
ここで働いていたい、やっぱりやめたくないと思い始めて、一度はすっきり整理させたはずなのに未練の気持ちが込み上げてきます。これから新しいステージへのスタートなんだと自分自身に言い聞かせ従業員出入口の方へ向かいました。働いていた時は、それほど気に入っていなかったバックステージの風景でしたが、今日で最後だと思うと事務所の廊下でさえ愛おしく思えるてくるから面白いものです。
ゆっくり歩いて今までこの場所であった数々の思い出に浸りながらいると『バンッ!』肩を背後から誰かに叩かれました。
『えっ!!』
突然のことにびっくりして振り向くと、両手を口に当てながら笑顔のミッキーとミニーがいたずらっぽい仕草で立っています。とても寂しそうな後ろ姿を見つけて元気付けようとしてくれたのでしょう。ミッキーやミニーたちはどこにいても常にミッキーとミニーなのです。いつも私たちキャストを気遣いパレードやショーで踊り疲れている時もこうして私たちに元気をくれます。
そんな彼らの気持ちが伝わり、彼らの気遣いに嬉しくなった私はミッキーとミニーの2人にお礼を言いました。
『ミッキーミニー今まで本当にありがとう』『実は私、今日で最後なんだ。でもね本当にここで働けてよかったと思うし、ここでの数年間は私にとっての宝物だよ。本当にありがとうね。それで最後に一つお願いがあるんだけど聞いてくれる?』ミッキーとミニーが首を大きく縦に振ってくれています。『最後にもう一度だけ握手してもらっていいかな?』
ミッキーとミニーは恥ずかしそうに言った私のお願いを全身で喜びを表現してから聞いてくれて、すぐ私の両手を持って強く握手をしてくれました。
うれし涙が出そうになるのを我慢しているとミッキーがちょっとだけここで待っていてとジェスチャーで伝えてくれます。
『えっ、ここで待っててってこと?』
うんうんと大きく頷くとミッキーは建物の中に消えていきました。なんだろうと思いながら横で手を握ってくれているミニーと私の二人で待っていると、ミッキーが急いで走ってきました。その後ろにはドナルドグーフィーそしてプルートがいたのです。
びっくりする私の周りを5人のキャラクターが囲みぎゅっと一人ずつハグをして、言葉は出さないキャラクター達ですが反応してくれた瞬間でした。
そして『今までお疲れ様これからも頑張ってね』と言ってくれているように感じ涙が溢れて言葉になりません。そのままミッキーとミニーの二人に手を繋いでもらい両手に彼らの暖かさを感じながらみんなで出口の方へ歩いて行きました。建物の曲がり角で腕に別れを告げてバイバイと大きく手を振ると5人が大きく手を振り返してくれたのです。私はディズニーを離れますがディズニーで習ったことをもらったことを忘れずにいられそうです。そして私なりのディズニーマジックを周りに気にかけていけたらと思います、ミッキー&ミニーに最後の最後でまたも最高のディズニーマジックを体験することができました。
ありがとうミッキー&ミニー。
1年後の再会
日本へ帰国するまで後数日のある日。私はアメリカのウォルトディズニーワールドでの研修を終え、アトラクションの入り口で仕事をしていると、一人の男の子がカードらしきものを振り回しながら走ってくる姿が見えました。
『ジョン』
『ジョンだよねおかえり』
再会したのは1年ぶりでした。
私の担当はマジックキングダムパークにあるスプラッシュマウンテンです。水しぶきを上げながら急流を丸太のボートで下る園内でもトップを争う人気のアトラクションです。1年前のアメリカの独立記念日にジョンと出会ったのでした。いい天気で雲ひとつない休日ということで、その日は、いつも以上にたくさんの人が並んでいました。列の誘導をしていると幼い男の子2人を含む四人家族が列に加わるのが見えたのですが、小さなお子さんの身長が気になった私はご両親に声をかけました。
『こんにちはこのアトラクションはジェットコースターと同じで身長制限があります。お子様の身長を測らせていただけますか?』スプラッシュマウンテンはビルの5階ほどの高さから時速60Kmを超えるスピードで急流を下るため身長や年齢等の利用制限を設けているのです。身長を測らせていただいたところ二人のお子さんのお兄ちゃんの方はクリアしましたが、弟さんの方は指2本分ほど足りません。
『すみません、弟さんは規定の身長に満たないので本日はご利用させていただくことができません』申し訳ない気持ちで伝えると、よっぽど楽しみにしていたのでしょう。弟さんはお母さんの背中で泣き始めてしまいました。どうしよう、私はなんて声をかけてあげればいいのだろう。弟さんを交代で見てもらい、お父さんお母さんに乗ってもらおうか?私が困っているのを見て、アトラクションの責任者が声をかけてきました。
『どうしたんだい?』『お子さんの身長が足りないので、乗れないことを伝えたら泣き出してしまって』『そうかちょっとこっちへ』彼は私を家族から離れたところまで移動させ、小声でこう言いました。
『あれを渡してあげなよ!』『あれって?』『ネクストチャレンジャーだよ!』『えっ、何それ?』『知らないのか?身長が足りなくてアトラクションに乗れなかったお子さんが、次回遊びに来た時に規定の身長を超えていたら、列に並ばないで優先で乗れることが出来る証明書のことだよ。事務所でもらえるんだぞ!』早速、私はA4サイズの立派な証明書を事務所に行ってもらってきて、泣いている弟さんのところへ戻り話しかけました。
『名前は何て言うの?』『ジョン!』『ジョン、実はね。君にプレゼントがあるんだ、これは君が大きくなったら列に並ばないですぐにスプラッシュマウンテンに乗れるカードなんだ!』『えー!?ほんと?すごーい!』『君の名前を書いておくから、このカードを次に来る時までに大切にしておいて、また必ず遊びに来るんだよ』『うん!ありがとう!絶対また来るよ!』『じゃあ、私はここで大きくなったジョンを待ってるからね!』まだ少し瞳は潤んでいましたが、ジョンはにっこり笑ってくれたのでした。
そして1年後。あの日の約束通り、笑顔でカードを振りながらジョンが同じ乗り場に戻ってきました。彼は測らなくていいほど大きく背が伸び、『ジョン大きくなったね。さあ、乗り場案内するよ』ジョンは笑顔で私が見えなくなるまで私に手を大きく振ってくれていました。
しばらくして家族四人でボートに乗船したボートはアトラクションのクライマックスにある滝壺に落ちて行きました。
そして、水しぶきでびしょ濡れになったジョンとその家族が私の所へやってきて、
『最高に楽しかったよ!』そしてジョンは私に、こんなことも言ってくれました。『決めた!僕も大きくなったら、絶対ここで働くんだ!』
『そっか、君ならきっと最高のキャストになれるよ。残念だけど私はもう少しで日本に戻るんだ。でも、君が大きくなってこうで働くようになったら、今度は私が遊びに来る!約束する!また、絶対に会おうね!』
あれから10年経ちました。
私は、この約束が果たせる日が来ることを今も楽しみにしています。
返品したい
『ディズニーシー』私の初めてのアルバイトでした。ディズニーの世界が子供の頃から大好きでキラキラと働いているキャストのお兄さんお姉さんに憧れてアルバイトをするなら絶対ディズニーがいいと決めていました。念願かなって配属されたのは大きなショップ、ディズニーにあるエンポーリオという所でしたエンポーリオはイタリア語で百貨店を意味しパーク内でも一番大きなショップになります。毎日、たくさんのゲストが訪れ、おもいおもいにディズニーキャラクターの雑貨やステーショナリー、ぬいぐるみやお菓子などを購入されていきます。今日の思い出に記念日の印に大切な人へのプレゼントなどへです。
私の仕事は商品を販売することですが、それだけではなく商品を通じてその日の体験を思い出としてお持ち帰りいただくお手伝いをするのも大事に役割と捉え心を込めて接客をしていました。
そして12月31日。
新しい年の幕開けをゲストの皆さんと共にお祝いする年に一度の特別な日です。カウントダウンをディズニーランドで過ごそうという人たちで、店内は溢れ帰り商品も飛ぶように売れていきます。特にこの時期のみ販売される限定商品は次から次へと完売に、なぜならば数に限りがある上に、それを求めようとするゲストの方も多くいらっしゃるからです。
『あの・・・』商品の陳列を整えていると40代ぐらいの女性から声をかけられました。『どうなさいましたか?』『ディズニーランドの方でお正月限定の、ミッキーとミニーのぬいぐるみが欲しくてショップに行ったのですが、ミニーちゃんが既に売り切れだったんです。お店の方に聞いたらディズニーシーのこのお店に行けばまだあると案内されたんですが、ミニーちゃんの限定ぬいぐるみはありますか?』
どうやら、ランドとシーを行き来できる共通パスポートを使って、わざわざディズニーランドからシーまでかなり距離があるのに来てくださったようです。その限定ミニーちゃんのぬいぐるみを、よっぽど楽しみにしてくださったのでしょう。しかし残念ながらミニーのぬいぐるみは、この店でも既に売り切れていました。
でも女性はここに行けばあると案内されて、きてくださっています。
どこかのお店に一つぐらいは、もしかしたらの在庫残っているかもしれないと、わずかな望みを託していたのです。
『少々お待ちください確認して参ります』と、お伝えし商品管理室に向かいました上司に確認を取りましたがやはり全てのショップで売り切れて在庫もないとのことでした。
私は上司に何度も事情を説明し、『ランドの店で、どこに行けばあると聞いてわざわざ来てくださっているんですが、何とかなりませんか?』
と食い下がりましたが、数が限られている商品で上司も手を尽くして探してくれたものの、やはり1つ残らずで売り切れてしまっていたのです。私は申し訳ない気持ちでいっぱいになりながらも、意を決して正直に言うしかないと、女性に状況お伝えしました。『せっかく遠くから足を運んでいただいたのに、本当に申し訳ありません。どのショップでも売り切れていて在庫も確認しましたが、やはりありませんでした。期待を持たせるようなことをお伝えしてしまい、本当に申し訳ありません』とお伝えしふかぶかと頭を下げると、『いえいえ、あなたが悪いわけではないのだから』
と、女性が優しくおっしゃってくださいましたが、その優しさにかえっていたたまれなくなってしまい、『本当に申し訳ありません。きちんと正しい情報を伝えしなかった、私たちの責任です』再度お詫び申し上げました。
その女性の方はとても良心的で、いつでも私たちを咎めるようなことはおっしゃいませんでした。それでもなんとかとのことだったのですが結局彼女の希望を叶えて差し上げることはできませんでした。しかし、何か理由があったのかどうしてもその商品を必要とされていたようで、『とっても残念ですが、どうしても手に入らないのでしたらミッキーだけ持っていても仕方がありませんので返品させてもらえますか?』何度かのやり取りの後、このように女性から申し出がありました。
私には返品可能かどうかを判断する権限はありませんから、それもまた上司に聞き直さなければいけません。これまでも何度も上司のもとをいったりきたりして、長時間待たせてしまっていたので、もうこれ以上はご迷惑をおかけしたくないと思い、女性はホテルミラコスタに宿泊しているとのことで、ホテル内の売店を見て、そこにもなければその場で返品したいとおっしゃっています。『わかりましたミラコスタのショップには、こちらからその旨をお伝えし返品が可能なようにしておきます。ご希望に添えず本当に申し訳ありませんでした』そう伝えるのが精一杯でした。
どうされたのだろうかと、お客様を送り出してからも気になりながら仕事をしていたところ、数時間後にミラコスタのキャストから私のショップに電話が入ったのです。『ミニーちゃんのぬいぐるみが売り切れだったので返品されるだろうなと思って、その対応をしようとしたのですが、お客様が返品されずにミッキーだけをお持ち帰りになりましたよ』『その方はエンポーリオで対応をしてくださった店員さんが一生懸命親身になって探してくれたのでミッキーだけでも思い出に持ち帰ることにします』と、おっしゃってくれていました。
お客様のご希望は叶えることができませんでしたがお客様の思い出となれたことがとても嬉しくこれからも思い出作りのお手伝いに励もうそう決意した出来事でした。
震災の日
俺はあの日ちょうど日本にいたんだ。しかも、なんとディズニーにね。ショーの最中に大きく揺れだしたんだ。俺の国(オーストラリア)では地震なんかめったにないからね。地球の終わりかと思ったよ。パニックだった。一緒にいた妻も叫びまくりだ。
それは、近くでは大きなスピーカー支える棒が折れてきてたし、後ろの建物もミシミシいってるからな。早く出口に行かなきゃいけない!逃げなきゃいけない!って、そう思ったんだよ。それが、今となると恥ずかしいや。みんなが一気に逃げ出したら出口詰まってそれこそパニックだろ。怪我人だってでただろうね。
きっとマニュアルがあるんだろ、キャストがすぐに頭を守ってしゃがめって身振り手振りで伝えてきたんだ。周りを見るとみんなそれに従っていた。『日本人は規律正しい。どんな状況でも秩序を保つ』ってネットでも言われるだろ?あれは本当だったんだ。俺がすべて見てきた。誰一人、我先に逃げようなんて、走り出すやつとかいないかったからね。その後も、何度か余震があったんだけど、その間もみんな冷静だった。
驚いたのが、程なくしてキャストがクマのぬいぐるみ抱えて現れてきたんだ。こんなときにもお土産売りか、さすが日本人!ビジネスに対する姿勢は先進国って思ったよ。これが焼け野原からわずか数十年で世界第2位のビジネス大国なった国なんだなと(笑
そしたら違うんだよ!配ってるんだ、そのクマ。タダで。それで頭を守れって言ってんのさ。俺のところにクマを渡しに来たキャストに聞いたんだ。『これタダで良いのかい?』ってね。そしたらなんとなく伝わったんだろ、片言の英語でこういうんだ。『OK、ここはディズニーだから』って。
『日本人は愛国心がない。帰属意識の低い民族』ってネットでも言われるだろ?あれは嘘かもしれん。現にディズニーのキャストはプライドを持ってあの国を守ってた。そして、しばらくしてホテルに戻れたんだ。電気がつかなくて寒かったけどね、でもなんだかとっても温かい気分の夜だったな。
音響トラブル
ディズニーシーの海上でやるショーを見ていた時の話でした。その日、はかなり混んでてかなり後ろの方までガッツリ埋まっていて、俺も一時間以上前から待ってたんだが、なんと既に5列目くらいのところだった。たまに来てもアトラクションばっかりなんで、ショーに待つことなんてなかったんだけど、彼女が今回はどうしてもきちんと見たいって言うんで、まぁ俺は半分いやいや一緒に待ってた。
ところが始まって音楽が流れてきて、キャラクターが出てきたら、なんか意外と面白くってね、彼女もすごい盛り上がりながら手拍子しちゃって「あー待ってる価値あったかも」なんて思い始めた。と、その矢先に音楽がプツッと止まったんだよね。
なんかショーの内容も「リズムを奪い合って争う」みたいなストーリーだったみたいで演出かなっと思ったんだよ。最初は、最初はね。ただ周りがざわざわし始めて、やっと「これはトラブルかな」って気づいた。彼女も気づいたらしくて凄い落胆してて、俺もやっと盛り上がってきてたんで凄い残念な気持ちになってたんだ。ミッキーとかのキャラクターは無音のなか観客に手を振ったりしながらなんとか場を取り繕おうとしてるんだけど、まわりからはため息とか聞こえて来てて。俺も彼女に『他に行こうか?』って声かけた。
それと同じくらいのタイミングの時だった。 曲が聞こえてきたんだよ。 ところがスピーカーからじゃない、ディズニーシーの入り口のほうの人だかりが、皆でショーの曲を歌ってるんだよ。なんと、手拍子しながら。そこからすぐに別のほうで見てる人たちも歌い始めていたんだ、離れてる俺達にもがっつり聞こえてくるくらいにね、そしたら俺の隣りにいた2人くらいのおばさんとおじさんまで歌い始めたんだ。海を囲んで周りにいるいろんな人がみんなで歌い始めたんだよ。
俺も彼女も歌は知らないけど合わせて手拍子した、なぜかわかんないけど全身に鳥肌立ってた。キャラクターとかダンサーにもきっとそれが聞こえたんだろうね、船の上であわせて踊ってるんだ。多分ダンサーは大きな声だして歌ってたと思う。数分くらいたったくらいかな、やっとスピーカーから音楽が戻ってきたんだけど、その間は、ずっとみんなの声と手拍子でショーが続けられてたんだよ。音楽戻って再開されて、その時はもうみんなものすごい拍手とすごい盛り上がりでやばかった。
となりで彼女も感きわまりすぎて完全に泣いてたし、気がついたら俺も泣いてた。リズムを奪い合って争うって内容のショーで実際に音楽が奪われてたんだが、それをそこにいるみんなで取り返したなんて、スゲー話。あーこれが噂のディズニーで起きる奇跡ってやつなんだなって思ったよ。
なくした3DS
ディズニーランドに行った時、8歳の娘がアトラクションの待ち時間に遊んでいた時に3DSをなくしてしまいました。その3DSはクリスマスにサンタさんに貰ったもので、どこに行くにもいつも自分のリュックに、3DSを入れて持ち歩いているくらいゲーム好きの娘です。普段は私達も一緒になってなくさないように気をつけているのですが、久々のディズニーランドで浮かれていたのか全然、なくしたことに気が付かず、娘が泣きそうになりながら『3DSがないみたい・・・』と言い出してやっと無くなったと気が付きました。
パパは初めはイライラし、少し怒っていたような感じでしたが、その娘の悲しそうな表情に怒ることもできず、とにかくみんなでまわった所を探しにいくことにしました。入り口から記憶に残っている乗ったアトラクションを思い出しながら移動したルートをもう一度歩きましたが、やっぱり見つかりません。時間もたち、かなり暗くなっていましたし、もう正直半分あきらめていました。3DSに名前を書いてるわけでもないし、比較的新しい3DSです。売りさばいてしまえばそれなりの値段にはなるかもしれません。
ディズニーランドと言ってもいろいろな人がきます。特にその日は中国人の方を多く見かけたようで、頭にはよくテレビで取り上げられる海外の方の観光マナーの話が浮かんでいました。 そして、そうこうしているうちに抽選であたったお城の前のショーの時間が迫ってきました。
『もう諦めようか?』娘にそう言いかけたときに、キャストの女性がわざわざ声をかけにきてくれました。『何かお探しものですか?』私たちは、3DSをなくして探していたこととショーの時間が近いことをキャストに伝えました。キャストの女性は、今はショーを優先することと帰り道に落とし物センターに寄ることを私達に伝え、そして涙ぐんでいる娘に向かって満面の笑顔でこう言いました。『大丈夫!私達が探しておいてあげるから、ショーを楽しんできてね!』
キャストの女性の頼もしい声に、娘も少しづつ笑顔が戻りました。ショーが始まってからは娘も3DSのことを忘れて心から喜んで楽しむことができたと思います。そして帰り道に、私達はほとんど期待せずに娘と落とし物センターに行きました。『こちらですか?』奥から娘の3DSが出てきたときには『えっ!?』って、声が出ました。
娘も『私の!私の!』と、大喜び。聞くと、お客さんが拾ってわざわざ届けてくれたそうです。私は本当に恥ずかしい気持ちになりました。落としてみつからないからと、すぐに誰かが盗っていったと考えたこと、まして勝手なイメージで盗んでいったのは外国人なんではないかとまで、想像していたことから、まず人を信じられるようにならなくてはいけない、と心からそう思いました。余談ですが、最後にパパが見たばかりのショーにかこつけながら娘に呟いたセリフが印象に残りました。
『”物語の最後はいつも幸せに”って、本当だったね』
迷子
私達夫婦は4歳になる娘と三人で、ディズニーランドに遊びに行った時の話です。パレードも終わり、シートを片付けてる間に気がつくと娘がいなくなってしまっていました。目を離したのは本当に一瞬で短い時間だったのですが、パレードが終わった時の人混みでなかなか娘を見つけることはできませんでした。
そして、外はかなり暗くなっていて、パレードを見終わったら帰ろうと考えている時間になっていました。私は迷子センターに向かい、旦那にそのあたりを探すように頼みました。心配で心配で仕方がありませんでしたが、迷子センターまで小走りで向かいました。それにディズニーランドとは言え4歳の娘が夜の暗い時間に1人ではぐれてしまった。迷子になった時に、どんなに心細いか、どんなに怖いか、娘の気持ちを想像するだけで私は泣き出してしまいそうでした。
そんな時に思い出したんです。 自分も子供の頃に、ディズニーランドに連れて来てもらって両親とはぐれてしまったんです。その時に、とても楽しかった景色が、なんと1人になった瞬間に全てが恐ろしい物にみえてきました。忘れもしません、白雪姫のアトラクション前に描かれた魔女の絵を本当に恐ろしく感じたことを、この時に不思議と消えていた怖い思い出が、娘とはぐれたことですべて蘇えってきました。
私は迷子センターに着いた時には息を整えることもせず『娘とはぐれてしまいました!』と、伝えました。『それは心配ですね』と、優しく丁寧に対応してくださるキャストさんの声に少し冷静さを取り戻せた私は、思い出せる限り事細かく娘の特徴を伝えました。
すると『良かったですね、娘さんはあちらでお待ちですよ』と、キャストが言ってくれました。ホッとしました。本当に救われる思いでした。キャストさんにお子さんは少し奥にいるよと言われて、向こうから優しそうな女性のキャストさんに連れられて娘が出てきました。『良かったね、お母さんが迎えにきたよ』女性は娘に私が来たことを伝えてくれていました。
娘は私をみて安心したのか泣き出し、私はその娘を抱きかかえ力いっぱいに強く抱きしめました。『ごめんね、ごめんね』私は泣きながら謝ると娘は言いました。『お母さん、私は大丈夫、ビデオをみて待ってたの』思いのほか、しっかりと受け応えたした娘に安心したと同時に、私は思い出しました。
迷子になったあの日の怖かった思い出に続きがあったこと、そして1人で泣いていた私に優しく声をかけてくれたキャストさんのこと、連れて行かれた部屋にいた優しい女性が手を握りながら一緒にビデオを見てくれたこと。母が迎えに来た時の『良かったね、お母さんが迎えにきたよ』という優しい声を、そして私も同じだったことを。
そして少し呆然としていた私に、女性はこう言いました。『お母さん、帰りには今日楽しかった話を沢山聞いてあげて下さい。ディズニーランドに来た思い出が悲しかった思い出にならないように』
ああ、そうか、だからだったんだ。私が怖かった思い出を今日まで忘れていたのは、迷子の私を優しく迷子センターまで連れて行ってくれたキャストさんがいたからです。優しく声をかけながら一緒に手を握ってビデオを見てくれた人がいたから、あの日、母が帰りの車の中で、一緒に見たショーの話や、一緒に乗ったアトラクションの話をずっとしてくれて、そんな話をしながら眠ってしまったから、楽しかったことばかりを思い出に残して、眠ってしまっていたからだったのです。
だから私も、もちろん帰りの車の中で聞きました。『ミッキーが手を振ってくれたの覚えてる?』『どのアトラクションが一番楽しかった?』娘が寝ついて返事がなくなるまでたくさん聞きました。
楽しかったことだけを思い出しながら眠れるように。
救われた言葉
私はディズニーが好きだったのですが、子供が産まれてから行くことはなく、そして外食もほとんどしていませんでした。というのも、私の中でとあるトラウマがあったからです。まだ、子供が1歳くらいの頃に、近くのレストランに行き、訳もなく泣きじゃくる子供をあやしながら食べていたのですが、隣のテーブルで食事をしていた年配の女性に、『うるさくて、まともに食事ができないから泣き止むまで出て行ってちょうだい、それがマナーでしょう』と、言われるがままに子供を抱いて外に行き、子供が泣き止むのを待ちました。
やっと寝付いて、戻ることができたときには目の前の料理は冷めきっており、気分的にとても食べることなどはできませんでした。そして、料理を残してお会計に行くと今度は若い店員さんから『混み合ってる時間なので長時間テーブルを離れられると困ります』と、チクリと言われた時に子供が大きくなるまで、もう外食はやめようと心に決めました。
そして子供の2歳の誕生日、お友達からチケットをいただいたのをきっかけに、とうとうディズニーランドに連れて行くことになったのです。久々のランドは本当に楽しかった。そしてお昼の時間、私は予約していた和食レストランにドキドキしながら入りました。しかし、祈りも虚しく食事を終えた子供がグズりはじめ、もう2歳になっている娘のしつけがなってないと言われればそれまでだと思いました。
『お願い、静かにして!』トラウマが蘇り、私は突然、パニックになっていました。そして、こともあろうことか私まで涙を流してしまっていました。そのときでした。隣の席にいた、年配の女性がそっと話しかけてきたのです。
でも、そのときに言われた言葉はいつか聞いた言葉とは全く違うものでした。『大丈夫よ。子供は泣くものですから、ここでは子供達が主役でしょう?』そういうと女性は持っていた小さなミッキーのぬいぐるみのキーホルダーで子供をあやしはじめました。女性の席を見ると旦那さんと思われる男性が微笑みながらこちらを優しく見ていました。そしてなんと不思議なことに女性にあやされた子供は泣き止んだのです。なにかがスゥーっと楽になった気がしてきました。気がつかない間に子供を連れて歩くストレスがたまってしまっていたのかもしれませんが、今考えてみると私がパニックになっていては子供を落ち着かせることなんて、できるわけがなかったなと思います。
それから数年経ちましたが今でもあのときの言葉にとても感謝しています。
ミッキーの魔法
あれはクリスマスイベント中の、とても寒い日だったことだったと思います。土日の凄い混雑でどこも人だらけで、アトラクションもレストランも2時間、3時間待ちが当たり前の状態でした。正直子供連れで朝からずっと歩きまわって疲れていた私は少々うんざりしていたのです。
そんななかで、ひときわ混雑している場所がありました。少し離れて様子を伺っていると混雑の中心では、なんとこのパークの主役ミッキーがいたのです。それを見た9歳の息子が言いました。『僕、ミッキーと写真を撮りたい!』やっぱり言いました、しかし困りました。
ただでさえ疲れているのに、しかもこのとんでもない混雑の中に子供を連れて突入していってミッキーと写真を撮ってくるなんて・・・。
『すごい混んでて今ミッキーも大変だから今度にしないか?』イライラしているのが顔や声のすべてに出ていたと思います。しかしディズニーなんて年に1度来れるか来れないかという状況です。息子もそれを絶対にわかっていますから当然グズります。
『次っていつさ!今撮りたい!』息子も遊び疲れがあったのでしょうから、いつにもましてグズります。混雑の中心に目をやると、ミッキーがものすごい数のお客さんに引っ張られるようにしながら無理矢理に写真を撮られています。左手を掴んで写真を撮っている横で右手を掴んで別の人が写真を撮るなんて有様でした。あーもう混雑するテーマパークなんて二度と行きたくないと、そう思った時でした。その混雑が一気に静まり返ったのです・・・それを見て私も全身に鳥肌がたちました。
なんと奥から様々な衣装を来たミッキーマウスが駆けつけてきたのです!そして近くにいるスタッフが大きな声で叫びます。『ミッキーはみんなと写真を撮るために、魔法の力で増えました!』静まり返った状況から一転、歓声と拍手が地鳴りのように鳴り響きます。混雑は分散化し、なんと息子は夏祭りの衣装を来たミッキーと写真を撮ることができたのです。
『あーこれが夢の国と呼ばれる理由なんだな・・・』ミッキーの魔法の力は私の疲れも吹き飛ばしてしまったようでした。
クラッシュの言葉
タートルトークでの出来事。クラッシュのいつもの『何か聞きたいことはあるかい?』で、当てられたのは小学校低学年くらいの男の子が質問しました。『クラッシュはいつも友達に忘れられちゃうけど悲しくないの? 僕は友達に忘れられたら悲しいと思う』 多分、何度か来ていて後半で仲間のドリーに名前を忘れられるのを覚えてたんだと思うけど、その最後の一言が(なんかあったのかなぁ〜?)っていろいろ想像しちゃう質問だった。
クラッシュは少し間を置いて、クルッと回ってこう答えた。『もし忘れられたって一度友達になれたんだから、また会えばすぐに友達になれるだろ?悲しくないぜ!』 なにか事情がありそうと察したのだろうか、どうなのかは分からないけどとても胸を打たれた良い回答だった。聞かれた男の子なんて『すぐ友達になれると思う』って答えるもんだから、なんかちょっと私がウルっときてしまったよ。
お前たち最高だぜ!
命の待ち時間180分
ディズニーランドに男友達4人で行ったときの話です。みんなショーとかパレードよりアトラクション派だったんで、ファストパス集めながらアトラクション乗りにあちこち駆けまわってました。そんな時に、突然スピーカーから聞き慣れないアナウンスが流れてきました。『O型の方はスペースマウンテン横での献血に、ご協力お願いいたします』どうも近くの病院で緊急手術が行われるのに必要な血液が足りていないらしく、一気に人を集められるディズニーに助けを求める連絡があったそうです。
僕ら4人のうち、僕含めて2人がO型だったので、みんなですぐにどうしようかって話になりました。ファストパスの時間もあるし、正直せっかくみんなでディズニーランドに来てるのに献血で時間をつかうのはどうなのかって話もでました。でも、それを言い出したらきっとみんなもそんな感じなんだろうなと思って、僕らはこれからいつでも来れるんだし協力しないかって話でまとまりました。それで誰かの命が助かるんならって気持ちで、みんなで小走りに献血会場に向かいました。
ところが会場について瞬間に唖然としました。なんと、今までのどのアトラクションよりも多い人達が行列を作っていたんです。そして最後尾にはスタッフがいて『ここから180分待ちです!本当にありがとうございます!』って大きな声でお礼を言ってるんです。今日はスペースマウンテンもスプラッシュマウンテンもビックサンダーマウンテンも最大で120分待ちだったのです。
すぐ横のスペースマウンテンを見ると献血に列をとられたのか、なんと40分待ちまで減ってるような状態になりました。それなのに180分献血に並んでるわけです。みんなディズニーを楽しみに来てるんだろうに、そんな事を思い浮かべると急に目頭が熱くなるのを感じました。僕らも今更アトラクションに・・・、なんて気持ちになれず、結局みんなで献血して帰りましたよ。
献血のときに看護師さんが言ってたことがとても印象に残りました。『こんなに多くの人が献血に集まっているのは初めて見た。みんなが優しい気持ちになれるのがディズニーなんですね』もう4年前の話ですが、今でも飲みに行くとその時の話になります。
キャストさんの素敵な心使い
去年の夏にディズニーシーに行った時の話です。2歳になる双子を連れてエレクトリックレールウェイに乗る為順番を待っている時でした。自分の大きさとさほど変わらないくらいのダッフィーを抱えた双子は、暑さの為グズり気味になっていて、やっと乗れる!と、思ったのに急に他のゲストさんとは違うコースを通されて、また待機させられることになって、私も疲れていたので『なんで~さっききたレールウェイにまだ全然乗れたでしょ~』
と、心の中で叫んでいました。
そしてやっと電車が戻ってきて私達の家族だけが乗り込むと、すぐに『出発しま~す』とキャストさんの声がして、電車の中は私達家族オンリーになりました。娘達も私達も『???』と、なっていると『いってらっしゃ~い』と、とびきり最高の笑顔で手を振ってくれました。娘達は貸切電車に大喜びです♪キャストさんの素敵な心使いで家族全員が忘れられない思い出になりました。
一瞬で笑顔にしてくれる魔法
イースター期間中にディズニーに訪れた時のことです。ファストパスでプーさんのハニーハントに乗ろうとしていた我々の前にはビビディバビディブティックでアリスに変身した女の子とその両親がいました。
でも女の子は夜遅いこともあってとても不機嫌そうなのです。しかしそこでキャストさんが女の子に最高の笑顔で『こんにちは、プリンセス!楽しんでいらっしゃいますか?ではハニーハントへ、いってらっしゃいませ!』と、なんと膝をついて話しかけてあげていたんです!女の子はプリンセスと言われたのがとても嬉しそうで、頬を赤く染めて手をふっていました。自分が体験したわけではないですが、こんな心遣いを目にするだけでとても暖かい気持ちになれますよね!
大中小・ハッピーバースデーの歌
モンスターズ・インクのライド&ゴーシークに並んでいた時のことです。突然のシステムメンテナンスが入りました。列もまったく進まず結局3時間近く並ぶことになり、周りのみなさんも、さすがにピリピリしてイライラしてきた時にバッチ付のキャストさんが、私の友人の胸元の誕生日シールに気がつきハッピーバースデーの歌を歌ってくれて、周りのみんなもほっこりした気分になりました。
そのキャストさんは気が利く方で、そっと『大きい声と、中くらいの声と、小さい声、どれがいいですか?』と聞いてくれました。シャイな友人は小さい声で、とオーダーしていました。(笑)
お釣りで隠れミッキー
なんと、お釣りでミッキー作ってもらいました!! 隠れミッキーを探すのが好きだと目の前のキャストさんに話していたら『あなたの手のひらにも』と700円でミッキーができあがり!一緒に行った友人と2人で大興奮してしまいました。
一生懸命手探りで袋を触るキャストさん
舞浜駅のイクスピアリのディズニーストアで食玩コーナーを見ていた時です。ディズニーキャラクターをモチーフにした食器のおまけがついてくるものがあって、とてもかわいいなぁと思って見ていました。近くにいたキャストさんが『ほんとは明日発売なんですが、イクスピアリ店だけ今日発売したんですよ』と、そっと教えてくれました。買うつもりはなかったんですが、『ポット婦人のやつがかわいいですね』と写真を見ながら話したら、何やら必死に手探りで一生懸命袋を触るキャストさん。
そして『取っ手が細身なので、おそらくこれじゃないでしょうか?』といって袋を渡してきてくれました。もしかしたらビンゴかもと考え、試しに一つ買ってみました。キャストさんが『もしあたってたら、是非教えてくださいね。しばらくここにいますから』といってくれました。でも帰りの飛行機の時間もあり、家に帰るまでゆっくり開く時間がありませんでした。
うちに帰ってからあけてみると、なんと欲しかったポット婦人が入っていたのですビックリしました、そしてすごくうれしかったです!そのあと急いでリゾートに電話でお礼を言いました。その日は会いに行き御礼を言うことができなくてとても残念だったのです。そのポット婦人は今は我が家のスーベニアのお皿の上にのせて飾ってます。
何を拾っているんですか?
カストーディアルの方に何を拾ってるんですかと聞くと、
『私は皆さんが幸せであるように、人々の不安や悩みを集めています』
『希望を拾っています』
『何だと思いますか?』
など、逆に考えさせられる時もありました。フォローがとても素敵です。
先日ディズニーに訪れた時にウェスタンランドを歩いていると前にいた女の子の集団がキャストさんに『何を拾っているのですか?』と、聞いていました。そのキャストさんは咄嗟の事で普通に『ゴミです!!』と言っていて、それを聞いた女の子達はとても残念そうでした。でもそのキャストさんは直ぐに『僕はまだ未熟者なのでゴミしか拾えません。でも次に来ていただける頃にはきっと夢のかけらを拾える様になっているので次にいらっしゃった時にまた声をかけて下さい。』と言っていました。
雪も降ってとっても寒い日でしたが心の底がポカポカした瞬間でした。
いたずら好きのジーニー
2~3年前にディズニーシーに行った時に、アラビアンコーストでジーニーのキーホルダーを買ったら、渡すとき最後に『ジーニーはいたずら好きで、袋から飛び出てくるかもしれないのでゆっくり開けてくださいね』って言われて、思わず笑ってしまいました。
私の王子様
先日ディズニーに訪れた時のことです。足をくじいて痛め杖をついて歩行していました。そして、アトラクションの乗り降りもちょっと時間がかかってしまっていて、後ろにいた家族連れのゲストさんに、『早くしてよ』って怒られてしまったんです。
そうしたら男性のキャストさんが、スッと手を差し伸べてくださって、なんと『足元にお気をつけください。プリンセス』って手を貸してくださったんです。小さい子供でもないのに、プリンセスなんて言ってもらえるとは思っていなかった私はちょっと落ち込んでいた気分は一気にはれました。そして少し恥ずかしかったのですが心遣いがとても嬉しかったです。
ミッキーに教えてもらった魔法
部活仲間でディズニー行った時のことなんですが、バズ・ライトイヤーのアストロブラスターのファストパスを12枚全員分のを取ってきて持っていたんですが、入る前に確認したところ1枚無くしてしまいそのことをキャストさんに言ったら『この間ミッキーに魔法を教えてもらいました。
でも、魔法をかけるのはあなたたちです。これを中のキャストさんに見せて『12人分です』って言って下さい』もう入る前から諦めてたんですがキャストさんの魔法に助けられました!ディズニーマジックはすばらしい!
嬉し恥ずかしクラッシュに感謝
23日にディズニーシーにいきました。その日の閉園間際にタートルトークですごく思い出に残る体験をしたのです、それはクラッシュへの質問の時になって真っ先に手を挙げた時です。僕は当てられてキャストの方がマイクを持ってきてくれました。
そしてなぜかクラッシュに『好きな人はいますか』と小学生みたいな質問をしました。すると好きなカメのことを話してくれて、それで終わるかとおもいきや『〇〇(僕の名前)は好きなひとはいるのか~い?』と逆に質問されました。その時に隣には彼女がいて、いませんとも言えない空気で『はい』と答えると『もしかして隣にいる女の子か~い』『はい・・・』『じゃあ隣にいる彼女に愛してるって言うんだ~』
まさかの展開とクラッシュのむちゃぶりに焦りつつ、引くに引けないので大きな声で『愛してる』っていいました。すっげぇ恥ずかしかったけど他のゲストのかたも盛り上げてくれて、彼女も恥ずかしがりつつ喜んでくれたんでよかったです。
クラッシュに感謝。そしてマイクを持ってくれたキャストの女の人も戻るときに『お幸せに』って言ってくれて、今となっては本当に思い出になる時間をもらいました。
陽気な運転手さんに感激
パーク内の話ではないのですが、先月末、初めて友人たちとアンバサダーホテルに泊まりました。ランドからホテルへの直通のバスに乗り、一日の思い出を振り返っていると『左に曲がるよ、ハハッ』という声が!なんと運転手のお兄さんがなんと、ミッキーの真似をしながら運転しているのです!他のお客さんも、ミッキー口調だけど何か違うとクスクスしていました。さらにホテルの敷地に入る時は本物のミッキーの声で「到着だよ」と、案内してくれるのですが、到着よりもミッキーが早く言い過ぎてしまい、お兄さんは小声で「違うでしょ、ミッキー! もっと近づいてから言うの。もう一回どうぞ」と、ミッキーを注意して再びミッキーが「到着だよ」と案内していました。
こんな体験は初めてだったので、ディズニーの魔法って凄い!と感激しました。
そぉ~っと見てくださいね!
ディズニーランド内のショップで買い物をした際に「このサイズの袋の隠れミッキーが、どうしても分からないので教えて頂けませんか?」と質問したときの出来事でした。少しの間をおいてから、キャストさんがカウンターの中から全てのサイズの袋を差し出し「ミッキーが魔法で分かるようにしてくれました。後でそぉ~っと見てくださいね!」と渡してくれました。
帰りの電車内で妻と二人で見てみると、それぞれの袋の一部に青いテープが貼ってありキャストさんに言われた通りにそぉ~っとテープを剥がして見てみたら、なんと隠れミッキーが現れました!
誕生日にだけ会える?ピノキオ
去年、大学の卒業旅行でディズニーランドに行った時の出来事です。その時はちょうど友達の誕生日なので『夕食にはケーキのあるレストランでサプライズ!!』と考えて、必死でケーキのあるレストランを探しました。
やっと見つけたレストランで、ウエイトレスの方に事情を説明して食後にケーキをこっそり運んで来てもらうことにしました。そうするとウエイトレスの方が『お誕生日おめでとうございます。では私からもプレゼントです。お食事後It’s a small worldに行ってみて下さい。1人の子供がピノキオの人形を抱いています。特別な日なので会えるかもしれません』さっそく行って4人で探しました。必死で探した結果なんとピノキオを見つけることができました。誕生日だったのは友達なのに私まで嬉しかったです。『ピノキオは恥ずかしがりやなので、内緒ですよ!』と言われたのですが、心が温かくなったので初めて公表してしまいました。
こんなイジりなら毎回うけたい!
スティッチのカチューシャをつけてディズニーシーに行っていた時の話です。モンスターズ・インクのアトラクションで私は1番前の席だったのですが、安全バーをおろしたときにキャストのお兄さんにポップコーンをいれるやつを指さされながら『スティッチ!モンスターにポップコーン食べられないようにね!!』って言ってもらいました。その後も『行ってらっしゃいスティッチ』って言ってもらえて感動しました
ミッキーの安産祈願
妊娠中にミートミッキーにて。ミッキーにお腹をなでてもらった時にキャストの方に『ミッキーにお腹をさわってもらったので、きっと、元気な赤ちゃん生まれますよ!生まれたら、また会いにきてくださいね』と言われ、とってもお腹があったかくなったのを覚えています。そして安産で生まれたわが娘は今2歳になり、今週に初めて娘を連れて行く予定です。ミッキーとキャストさんに報告してきます。
ミッキーマウスマーチでハッピーバースデー
先日ディズニーランドに行きました。友達の誕生日のお祝いもかねてだったのでキャストさんに誕生日シールを作成してもらい、パレードの所で並んでいるとあるキャストさんが気づいてくれて、しかもミッキーマウスマーチを誕生日の替え歌にかえてお祝いしてくれました。わたしたちも楽しめるよう巻き込んでのお祝い。
すごく幸せな気持ちになりました。そのキャストの人の名前は今も忘れていません。
ちょっとしたことだけどハッピー
前にディズニーランドでミニーちゃんとスティッチのマグカップを買ったとき、どっちがどっちかわかるようにキャストさんが絵を書いてくださいました♪普通のことだけど文字じゃなくて絵だったことが嬉しかったんです。それだけでとてもハッピーな気持ちになれました♪
誕生日シールにもらった魔法
誕生日の翌日にディズニーシーに行った時の事です。誕生日シールもらえますか?と清掃のキャストさんに言ったら「どちらの方の誕生日ですか?」と聞いてきたので「私です」と言ったら「それでは是非お連れ様がお名前を書いてあげて下さい」と恋人に名前を書いてもらいました。「それでは今から魔法をかけます」と名前の両脇にミッキーミニーの形を書いてくれて、ミニーちゃんは赤でリボンも書いてくれました。
「魔法をかけたので今日は素敵な1日になりますよ」と言って頂きキャストさんの気持ちが本当に嬉しかったです☆ありがとうございました。
みんなで撮った思い出の一枚
ディズニーに着いて急いでミートミッキーのアトラクションへ。人もまばらなトゥーンタウンの入り口をバックに子供達を写真に撮って振り向くと、後ろにたくさんのキャストさん達がいたのです。『思い出に混ぜてください』って六人家族+八人のキャストさんではしゃいだ写真は思いでの一枚です。
ためらう事なくゴミ箱に手を入れてくださった心に感激
ディズニーシーに行った時の話です。夕方頃ロストリバーデルタでチキンを食べたあとに気がつくと左手に握っていたペットボトルのストローのキャップがない!!10年くらいつかっているデールのデザインでどんぐりのキャップなんですが当日は運が悪くプラスチックの接続が劣化で取れてしまい毎回手に持って使っていました。きっとそれをチキンのゴミと一緒に捨ててしまったのです。
お掃除の方に話すと「大丈夫です!」と手袋をしてゴミ箱を一生懸命探してくれました。サイズは1センチくらいの小さな部品ですし、ゴミ箱の中は油でギトギトになっているのが見えました。それを笑顔で探してくださって、しかも見つけてくださいました。そして「あちらにお手洗いがありますので綺麗にしてあげてくださいね」とアフターケアまで心配してくださいました。少しもためらう事なくゴミ箱に手を入れてくださった心に感激です。今回でストローキャップは引退ですが大切に保管しておこうと思います。
落し物が思い出になった
私と母と2人でディズニーランドに行った時、母がカバンのくちを絞るヒモを無くしてしまったんです。細いものだし見つからないと思いつつもセンターに届け出るとキャストのお姉さんが『プルートは鼻がすごくきくので探し出してくれますよ。安心して待っていて下さい』と言ってくれました。
後日に、自宅にヒモとプルートからのお手紙が届きました!その自慢気なプルートの手紙は可愛すぎました。
ショー抽選
今年7月息子の3歳の誕生日に息子、旦那、母、姉、私の5人でディズニーランドに行った時にショーの抽選をしたくて抽選会場に入ったら、突然、子供が怖いとギャン泣きしました。そしたらキャストのお姉さんが来てくれて、胸元に付けてたお誕生日シールに気づき、もう一枚作ってくれて、そのあとお兄さんが来たときに「このお兄さん絵が上手だから書いてもらうといいですよ」って言ってくれて、お姉さんは他のゲストの人に呼ばれて行っちゃっいました。
そのお兄さんはお誕生日シールに名前とプーさんとティガーの絵を書いてくれてる時に抽選の機械が空いちゃったので、私が抽選をやってるいつの間にか、お兄さんがいなくなってました。そうこうして、出ようとしたら母と姉が「キャストさん待っててって言ってたよ」と。
待ってるとすぐにお兄さんが戻ってきてシールをくれたのです。それを見ると最初に描いてくれてたプーさんとティガーに色が付いてて、シールの台紙にメッセージがいろいろ書いてあり驚きました。内容的にはまた来てねと書いてあり、泣いてる息子に気づいてから抽選会場出るまで忙しい中で息子を喜ばせていただいた事をとても感謝しています。泣ける話ではないですが、私にとって最高の思い出です。そのプーさんとティガーは台紙から剥がさずとっといてます。また早く行きたいなぁ。
ディズニーランドは地球上で最も幸せな故郷となりました。
ありがとうミッキー
もう20年くらい前くらいのことです。まだ小学生だった頃、同じ年のいとこがいたんだけど、その子が脳腫瘍になったんだ。それまで元気だったのに、どんどん病状が悪化して、5年くらい入退院を繰り返して・・・。手術もしたんだけど、とても現代の医学では手に負えないらしい。
従兄弟のお母さん達も、もう何もできることが無いと自分達を責めていて、私も含めて従兄弟は6人いたのですが、もともと家が近かったこともあって、赤ちゃんの頃から大の仲良しでした。そんな大好きな従兄弟が苦しんでいて、しかも末期でってことで、最後に思い出に残ることや従兄弟のしたいことを聞いてみようって、子供なりにみんなで考えて、 他の従兄弟と一緒に電話で聞いたんだ。(もちろん最後とは言わないよ)
そしたら、ディズニーランドに行きたいって。そうか!確かにミッキーが大好きだった従兄弟。行きたいだろうな・・・。でも病気が病気だし、駄目もとで親や叔父さん達に聞いてみたんだ。
そしたら叔父さんは、もしかしたら最後になるかもしれないしとみんなで行こうと言ってくれたんだ。そして新幹線にも乗らせてあげたかったけど、体調も悪いし、他のお客さんにも悪いからって車4台で従兄弟家族2組とうちの家族で向かった。もうあまりよく覚えていなくて、従兄弟は車椅子でランド内を動いたんだけど、キャストさんも優しいし、何よりミッキーに会えて、しかもミッキーが車椅子を押してくれたんだ。それに従兄弟は感激してとても喜んでいた。
体調がとても悪いのでそんなに長い時間は滞在することはできず、ランドの風景などを見ただけでお昼過ぎには車で帰ることになった。そのまま従兄弟は病院へ直行することになってしまい、その後1ヵ月の間に病状が急変し、従兄弟はそっと息を引き取った。私達は、ランドに無理に連れて行ったせいかもとずっと落ち込んでしまいました。
でも、その1ヶ月に明るい笑顔で「ミッキーが、ミッキーが」っていろんな人に話していたそうです。病気で学校にも行けなくなって塞ぎ込んでいた従兄弟でしたけど、最後の1ヶ月は本当に明るくて、私達もそれが少しでもの救いでした。従兄弟の仏壇には、ミッキーと2ショットの写真が今でも置いてあります。何周年のアニバーサリーとか聞くと、当時を思い出します。ランドに連れて行ってよかったのか?今でも自問自答しているけれど、でもミッキーとの2ショットの写真は最高の笑顔です。
ミッキー本当にありがとう。
大災害「東日本大震災」
3・11あの悲劇からかなりの月日が経過したが、いまだに復興はなしえていない。被災された方や親族や友人を亡くされた方など、多くの人々に衝撃を与えた戦後最大の未曾有の自然災害である。
幸運にも私や私の周りの人は被災していないが、当時は連日テレビで報道された映像には衝撃を受け続けた。まるで時を刻むかのように日に日に増えていく行方不明者数の数と死者の数。とんでもない夢でも見ているのでは?と、未だに現実を受け入れられていない自分がいました。そんな東日本大震災の起きたあの日「ディズニーリゾート」で起きた奇跡が今となっては伝説の領域となって話題を呼んでいる。
ディズニーランドがあるのは千葉県の浦安市。震源地とはとても離れているが、東日本大震災の当日はディズニーリゾートでも大きな揺れを観測した。その日も3月といえども沢山のゲストが訪れており、2万人ほどのゲストで賑わっていた。そんな賑わうディズニーリゾートを突如として襲った震度6の大きな揺れ。子供たちは泣き叫び、大人たちも体験したことのない地震に恐怖を感じた。瞬く間に園内は大パニックとなり、ディズニーリゾート史上最悪の自体が予想された。
しかしそんな中、ディズニーリゾートのキャストたちだけは迅速に冷静に対処をはじめた。最初の大きな揺れから約40秒後には園内にアナウンスが流れた。「皆様におしらせいたします。ただ今、地震がありました。建物のそばにいらっしゃる方は建物から離れて広いところでお待ちください」
「地震と園外の状況は、確認が取れ次第、ゲストの方々におしらせします」
園内のアナウンスを聞いた1万人にも及ぶキャスト達は、それぞれが各自の判断で対処した。「広い場所で、お座りになって下さい」と、一人一人に笑顔で声をかけ、ゲストの不安を取り除くように努めたキャスト。そしてあろうことか、落下物から頭を守るためにと「店頭に置かれているぬいぐるみ」をゲストに手渡したのだ。
この迅速な対応には他ならない理由があった。実はディズニーでは毎年、180回にも及ぶ「震災訓練」をしていたのだ。おおよそ2日に1回という信じられないペースである。そしてその防災訓練では、キャストの全員にこう伝えられていた。『もし何か大きな震災が発生したら、各自で迅速に対応してもらいたい』『必要とあれば園内にあるどんな物でも、それが商品でも活用して構わない』ゲストを1番に考えるディズニーリゾートならではの指示である。そういった日々の訓練や指示により、キャストたちは店頭におかれているぬいぐるみやクッキーなどを勝手にキャストに渡し、安全を確保していたのだ。
さらに、ディズニーリゾートには「5万人が3日~4日過ごせるだけの食料」を常に備蓄しているという。これだけの膨大な量の食料を備蓄している企業は、世界を見渡してもディズニーリゾートのみであろう。「お客様を第一に!」と掲げる企業は決して少なくない。しかし実際のところ、そのほとんどの企業は口ばっかりのハリボテの企業理念である。
しかしディズニーは違う。公言通り「お客様を第一」に考え、公約通り実行しているのだ。実際に、東日本大震災当日は、交通もストップし、約2万人のゲストがディズニーリゾート園内で一晩過ごす事態が発生している。日頃から徹底的に対策していたからこそ、この未曾有の大災害を乗り越えられたのだ。
震災当日はこのパニックに追い打ちをかけるように震災直後に「雨」まで降り始めた。3月ということもあり、気温はあっというまに低下し、ゲストは寒さに震えた。しかし、ディズニーリゾートのキャストはこれにも適切な対応をみせている。お土産用のビニール袋や店頭におかれているバッグをゲストに配布し、雨避けとして活用したのだ。少しでも足りなければ、倉庫からダンボールまで引っ張り出したという。
しかし、いくら雨だけを凌いだとしても、いつまでも外にいるわけにはいかない。一刻も早くゲスト全員を建物内に入れたい!そう考えたディズニーリゾートは、一足先に安全確認の済んだディズニーシーの建物内へと少しづつゲストを誘導することを決める。しかし、大規模な震災のせいで電気がストップしてしまい、ディズニーシーへ移動するための乗り物が作動しない事案が発生していた。回り道をして、一般道を通って行けば可能だが、それではあまりにも時間がかかりすぎる。そう考えたディズニーリゾートサイドはとんでもないある決断をする。
それが「従業員専用のバックヤードの開放」である。実は、ディズニーリゾートには夢の国のイメージを壊さないように「従業員のバックヤードは決して開放してはいけない」という鉄の掟があったのだ。これは過去28年間に一度も破られたことはない。しかし、この未曾有の事態に対処するにはこの鉄の掟を破るしかなかった。従業員専用のバックヤードは、配線や基盤剥き出しになっており、ディズニーリゾートのイメージである「夢の国」とは裏腹に、程遠い場所である。そんなディズニーリゾートの裏側を見せたのは、後にも先にもこの時だけだ。
しかし、ディズニーリゾートはここでも素晴らしい対処をしている。なんと、何百人にも及ぶキャストがペンライトを持って一列に並び「光のアーチ」を作り上げたのだ。本来なら無機質なだけの汚いバックヤードが、一瞬にして綺麗に輝く光の道と化したのだ。こうして、ディズニーリゾートはそのイメージを一切壊すことなく、ゲストを安心安全に素早く建物内へと誘導したのである。その後、ゲスト全員に順に毛布が支給されたり、夜食用にひじきご飯が配給された。もちろん全てが無料である。
こうして、誰1人として怪我人を出すことなくゲスト全員は無事に過ごすという奇跡を起こすことができた。翌日からディズニーリゾートは一時閉園し、復興に努め、約1ヶ月後の4月15日に再び開園した。再園時には、およそ1万人以上にも及ぶディズニーファンが並んだという。
今回紹介した話は一部のファンのみが知る事実である。ディズニーからしてみれば、当たり前な対処であり、特に取り上げられうような特別な話ではないということだろう。その証拠に、東日本大震災時のみに限らず、ディズニーリゾートでは日常的にこういった「おもてなし」が今日も当たり前に行われている。
誕生日
私も誕生日の時の話です。特に食事の予約をしていなくて、どうしようかと思っていたら、エントランスで困っている私たちに声をかけてくれたキャストがいて、ご予約と同じ対応はできないかもしれませんが・・・といくつかのレストランを教えてくれた。その後レストランにその旨を言っておいたら誕生日サプライズでケーキをわざわざデコってくれたり、楽しく歌を歌ってくれたり。さすがな対応ですディズニー!!
入社試験
オリエンタルランドに就職試験受けに行った時に、社内に入る為に入館証をもらい中に入ろうとしたら突然、守衛さんに「素敵な一日を!」みたいな事を言われた!何社も受けたけどこんなこと言ってくれたのは後にも先にもオリエンタルランドだけ。
こういう徹底からディズニーは保たれるんだなと感心したー!
おもてなし
ディズニーランドのレストランで二人のカップルらしき人が食事をしていたのです。しかし全然楽しそうじゃない様子で、それに気付いた従業員が
「どうされたのですか?!」みたいな事を訪ねたら女の人が悲しそうに「実はわたし達には子供がいて1歳の誕生日にディズニーランドに連れていくのが夢だったんですよ。しかし生まれることなく亡くなってしまいました、生まれていたら今日がちょうど誕生日なんです」と、いうような事をいったらしいです。
すると従業員がその子供用の食事と椅子、ケーキを持ってきたらしいです。ディズニーランドのその心温まる行動に、その夫婦はとても喜んだって話しです。そしてその従業員は「ディズニーランドは夢の国です。ディズニーランドに来た人は皆、物語の主人公です。そして夢の国なので悲しんだりしてはいけないんです皆さんに夢と笑顔を提供する。それがディズニーランドです」
キャストの素晴らしい対応
外で立ってショーを観ていたとき子供が急に地面に吐いてしまって、どうしようかとうろたえていたらお掃除のキャストの方がさっと来てくださって、専用の粉のようなものをまいて、ものの数秒できれいにしてくれました。大丈夫ですか?と声もかけてくれてその魔法のような一連の動作にとても胸が熱くなりました。
最後に
ディズニーで起きた感動エピソードやディズニーマジックの数々をたくさんご紹介しましたがいかがでしたか?思わず鼻の奥がつんとするような、感動話もたくさんありましたよね!今回ご紹介したエピソード以外にも、きっとまだまだディズニーマジックを経験したことがあるという方も多いのではないでしょうか?また、ディズニーはキャストさんの神対応やおもてなしの他にも、ディズニーに訪れているゲストも素晴らしい方が多い、ということがよく分かりましたね♪素晴らしい対応でゲストを迎えてくれるディズニーにだからこそ、素敵な人々が集まるのかもしれません。
ウォルト・ディズニーが遺した、ある言葉通りディズニーはキャストもゲストもみんながみんな、お互いに幸せや喜びを分け合っているからこそ、ディズニーは永遠に夢の国なのかもしれませんね!
『与えることは最高の喜びだ。他人に喜びを運ぶ人は、自分自身の喜びと満足を得る。』
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