鏝絵美術館
photo by @takumamoromoto
鏝絵美術館の基本情報
【スポット】鏝絵美術館
【ふりがな】こてえびじゅつかん
【 住所 】福岡県大野城市下大利4-7-1
【アクセス】JR鹿児島本線 水城駅 徒歩約10分
【最寄り駅】水城駅
【営業時間】10:00~17:00(最終入館16:30)
【 料金 】大人500円、高校生300円、中学生以下無料
【クーポン】公式ウェブサイトにて割引クーポンあり
鏝絵美術館
が含まれる観光マップ
福岡県にある異彩を放つ「鏝絵美術館」
福岡県に数多く存在する観光スポットの中で、ひときわ異彩を放ったスポットがあります。その名は「鏝絵美術館」です。
こちらは、大手の美術館ではなく、私設美術館になっています。テレビや雑誌、ウェブサイトなど、あらゆるメディアで取り上げられているので、知る人ぞ知るスポットとなっています。美術に興味がある人はもちろんのこと、そうではない人も「人生に一度は訪れないと損!」と言っても過言ではありません。
ルーブル美術館に作品を飾られた実績がある
鏝絵美術館に飾られている作品は、ルーブル美術館に飾られた実績を持っています。ルーブル美術館といえば、言わずと知れた世界有数の美術館。世界中のアーティストが、ルーブル美術館に作品を置いてもらいたいと思っていますから、これは本当にすごい実績だと思います。
この他にも、タイ王国に作品を出展して、賞を受賞するなどの実績も持っているのです!そのため作品のクオリティは折り紙付きとなっています。
まるでピカソ?な独自の作風ご凄い!
こちらの美術館に飾られている作風は、サブカルチャーに通ずる個性的作品。「カオス」と言ってもいいかもしれません。有名どころで言うと、「ピカソの絵画を立体化」したイメージに近いと言えます。こんな作品を羅列している美術館は、日本中を探しても鏝絵美術館以外に類を見ないでしょう。
ところで鏝絵ってなに?
鏝絵(こてえ)というものをそもそも知らない人も多いと思うので、大まかに触れておきましょう。鏝絵は、漆喰を使ったレリーフのことです。元々は、左官職人が使っている材料でした。古くから日本にある文化で、花鳥風月を始めとした、「福を招くもの」or「おめでたいもの」を表現するために、建物の外壁塗装などに使われていました。そんな漆喰をアート作品に昇華したのが、鏝絵美術館に収められているというわけです。
三浦館長について
鏝絵美術館の館長は、三浦さんという方です。三浦さんは、元々、左官職人を目指して、15歳の頃に修行を始めました。そのような修行生活の中で、ある日、展覧会でロダンの作品に心を奪われたそうです。それを見て、「自分も何か作品を作りたい」と思い、鏝絵作品を作るようになったとか。
三浦さんは美術関係の勉強をしていたわけではありませんので、独学で気の向くままに作品を作っていました。それが功を奏して、オリジナリティあふれる作品に仕上がったというわけです。そんな感じで作品を作り続けるうちに、いつのまにか作品が増えて、工房に収まらないほどになったとか。その結果、現在の美術館が完成したそうです。
私設美術館ならでは!鏝絵美術館は勝手に入って大丈夫
こちらの美術館は、三浦館長が経営しているアパートの隣に併設されています。一軒家のような佇まいなので、チケット売り場みたいな入り口はありません。なんと、勝手に入っちゃって大丈夫なんです!このラフな感じは、私設美術館ならの良さですね。
ずらりと並ぶ作品の数々は圧巻の一言!
鏝絵美術館の中に足を踏み入れると、所狭しにずらりと作品が並べられています。それは、「飾られている」というよりかは、「置かれている」とか、「閉まってある」というニュアンスに近いかもしれません。だから、「その作品に触ろうと思えば、触れてしまうぐらい」ラフに置かれています。
しかし、だからこそ間近で作品を見ることができるんです。立体的に作られた作品の数々は、美しいだけで作られた作品にはない、独特の迫力を誇っています。それがずらりと並んでいる姿は圧巻の一言です!こんな感じで作品が並んでいる美術館は、他に見たことがありません。
まるで友達の家に来たかのようなアットホーム感も魅力の一つ
鏝絵美術館は、地下にも展示スペースがあります。そこに足を踏み入れると、「ご自由に電気をつけてみてください」という張り紙が貼ってあります。まるで、友達の家に来たかのようなアットホーム感!こういうところも、私設美術館ならではのいいところですね。
個性的すぎて、中には首をかしげたくなる作品も
非常に個性的な作品がずらりと並ぶ鏝絵美術館。しかし、その中には「アベノミクス」や「初音ミク」、「ゴジラ」や「フランシスコザビエル」などといった、誰もが知る人物やキャラクターをモデルにした作品もあります。しかし、何回眺めても、到底「それ」には見えないんです。
「初音ミクと言われれば見えなくもないけど、うーん?」と首を傾げたくなるクオリティです(笑)。しかし、それもこの美術館のいいところ!情熱の向くままに作ってるんだから、それでいいんです!
心がほっこり温まるお手紙も展示
こちらの美術館は、一年を通してたくさんの人が訪れるため、ファンとの交流も深いようです。そのため、たくさんのお手紙が全国から寄せられています。その手紙は、美術館内に展示されているので、訪れたお客さんが自由に読めるのです。それらに少し目を通してみると、中には心がほっこり温まるようなエピソードもありました。いかに多くの人から愛されている美術館なのかが見て取れます。
鏝絵美術館へのアクセスについて
鏝絵美術館の住所は、「福岡県大野城市下大利4-7-1」です。
電車で訪れる場合は、JR鹿児島本線の「水城駅」を下車して、まっすぐ住宅街を歩いて行きます。大体、5分ほど歩くと到着です。車で訪れる場合は、水城駅の近くにあるコインパーキングに停めて、そこから歩いて行きましょう。鏝絵美術館の周辺には、車を停めれる場所はありませんのでご注意ください!
驚くほど住宅街のど真ん中にある
鏝絵美術館に初めて向かう人は、「この道で合ってるのかな?」と心配になると思います。そのぐらい、普通の住宅街を歩いて行くんです。とても美術館があるように思えない周辺環境なんですが、明らかに「ここだ!」と分かる風貌の建物が現れるので、見つけるのは早いと思いますよ。
鏝絵美術館の営業について
鏝絵美術館の営業システムは非常にシンプル!
・開館時間:日の出から日の入りまで
・休館日:特になし
・入館料:完全無料
このようになっているのも、私設美術館ならではです。休館日は、一応「なし」になっていますが、私設美術館ということを考えると、突然休館日になる可能性も否めません。そのため、お出かけ前に事前確認した方がいいと思います。
鏝絵美術館のまとめ
今回は、鏝絵美術館に焦点を当ててみたわけですが、皆さんいかがでしたでしょうか?豪華な観光スポットが目立つ福岡県ですが、このようなB級スポットがあったなんて、知らない人も多かったと思います。鏝絵美術館の画像を検索すると、たくさんの作品が出てくるので、ネット上でもクオリティを楽しむことはできます。
しかし、目の前で見た時の迫力は比べ物にならないので、是非足を運んでもらいたいところです。40年以上にわたって作ってきたこれらの作品は、自由に撮影して構いません。そのため、SNS映えもバッチリです!そういう意味では、若い人にも興味を持ってもらえたらと思います。
運が良ければ、三浦館長に会えるので、お話を伺うのも楽しいひとときです。お願いすれば、ツーショット写真も撮ってくれるので、気軽に声をかけてみましょう。
博多旅行の穴場スポット!「大野城市の鏝絵美術館」を知っていますか?
福岡・博多に隣接する大野城市は、大都市博多のベッドタウンとして最近人気急上昇の閑静な住宅地です。その静かな環境に突然現れるアートというには強烈な印象を残す「鏝絵美術館」があります。
そのインパクトから、新聞やテレビといったメディアはもちろん、インスタグラムなどのSNSにもよく登場するようになりました。またその芸術性も国際的に高く評価され、なんとルーブル美術館に展示された作品もあります。この記事では博多を訪れたら一度は見ておきたい大野城市の「鏝絵美術館」についてご紹介させていただきます。
鏝絵の歴史
そもそも「鏝絵(こてえ)」とはどのようなものなのでしょうか?日本で発展した漆喰アートのことで主に家屋の壁面に使われてきました。日本特有の漆喰の壁は、昔から盛ん職人たちの腕前を示す、左官職人たちの技術の見せどころでした。壁一面に鏝(こて)で漆喰を塗り上げる際に、職人たちは思い思いの美しい図柄をあたかも浮き彫りのように描きました。もっとも鏝絵が描かれたのは、なんといっても白壁の大きな蔵です。古来から富と繁栄の象徴とされてきた大きな蔵の壁や扉一面に描かれた豪華絢爛な鏝絵は、見る人を圧倒させずにはおきませんでした。
紀元前の昔から、日本の遺跡に多く鏝絵は残されています。代表的な遺跡としては奈良の高松塚古墳や法隆寺の金堂の壁画などにも、貴重な鏝絵が残されています。
鏝絵を描くためには高度な技術が必要とされます。まず土台となる心柱を杢座を使って作り、その外側を藁を混ぜた泥や土を重ね、白土にすさ糊を混ぜたものを下地に塗り、最後に漆喰(当時は貝殻と木炭を材料にして焼いた灰で作る)で描かれるのが鏝絵の源流と呼ばれる技法です。 そのうえ顔料は植物や貝殻、金属などの自然の原料を使って秘伝の配合技術により発色するものでした。しかもどの段階も同じ色を重ねるため、雨や風にさらされても、次から次へと下地の色が出てくるため決して消えることはありません。長く左官職人の技法のひとつとして特別視されることはありませんでしたが、明治時代に一気に芸術技巧の一つとしてがぜん注目されました。そのきっかけを作ったのが1815年に静岡県に生まれ「伊豆の長八」と呼ばれ尊敬を集めた名工左官職人「入江長八」です。それまで左官技術の一つに過ぎなかった鏝絵を芸術の域へと昇華させたその作品は、海外でも高く評価されています。しかし残念なことに戦争中に鏝絵の作品の大半は戦火で失われた上に、戦後は腕利きの左官職人が著しく減少してしまったため、鏝絵は幻の技巧となってしまいました。
三浦鏝絵美術館とは?
大野城市の鏝絵美術館の正式名称は「三浦鏝絵美術館(大野城市商工会ホームページより)」になります。館長である三浦辰彦さんが自分の名字から名づけられました。もちろんこの鏝絵美術館の全作品を手掛けられているのは館長の三浦さんになります。仕事の延長で、自宅周りを鏝絵野路作品で飾るようになり、ついにはその有様が近隣にまでうわさがとどろき、ついに資材を投じて美術館として開放することにしたという経緯を持つ私設美術館なのです。もちろん現在も入館料は一切受け取っていません。館長三浦辰彦さんは長く左官職人としての経験を積んだ後、自由なアート作品を鏝絵で描く鏝絵創作家となられました。大野城市文化連盟美術工芸理事をつとめておられ、1993年には、九州エリアの左官職人を総勢30名前後を集め「現代左官鏝絵展」を開催し大きな反響を呼びました。現在も、美術館に飾る作品は増加の一途をたどり、そのすべてが三浦さんが自宅のアトリエで日々の創作活動で生み出したものなのです。
鏝絵美術館の「ここがすごい!」
三浦鏝絵美術館には、200点もの作品が展示されており、ヨーロッパにも出張展示された名作も多く保存されています。しかし、美術館として建てられた建物ではありません。なんと三浦さんの自宅隣のアパートだった建物を利用して作られています。全く他からの援助を受けていない三浦さんの施設美術館である鏝絵美術館は、三浦さんがコツコツと一人で現在の姿に進化させた歴史そのものでもあります。また、伝統的な鏝絵の枠にこだわらず、見る人に喜んでもらいたいという願いから、現代的なキャラクターものやモチーフを積極的に取り入れています。精巧かつ鮮やか鏝絵によって描き出されたキャラクターたちは、一種不思議な世界観を味わわせてくれ、現在ではSNSでも人気の「インスタ映え」するスポットとして福岡では知らない人はいないほどになりました。
鏝絵美術館の「絶対見逃せない展示!」
三浦さん自身が最も見てもらいたいと願う、正統派の鏝絵ともいえる「ライオンの鏝絵」はまさにアート。見る人を鏝絵の魅力に引きずり込まずにはおきません。また、美術館入り口にある巨大な龍の像喪に見逃せません。建物の二階に届くほどの大きさのため、見逃しようもないのですが…仮面ライダーやウルトラマンなどおなじみのキャラクターが隠れているので忘れずチェックしておきましょう。また、素足で歩ける石畳スペースが作られています。足のツボを刺激する健康によく体に良い玉砂利の石畳は、可愛いうさぎの模様が描かれガーリー好きの女性たちの心をわしづかみにしています。また、ゴジラや初音ミクなどのアニメキャラクターの像も目立ちます。これらはマニア受けを狙ったものでは決してなく、ましてや三浦さん本人がファンというわけではありません。三浦さんは鏝絵教室を近所の小学生を対象に開いています。そのため「生徒である子供たちが喜ぶキャラクターを作っている」という、おじいさんが孫を喜ばせるような気持ちで制作されている作品なのです。
メディア紹介
新聞やテレビ、ラジオなど数々のメディアに登場してきた三浦鏝絵美術館ですが、特筆は福岡ローカルの長寿人気番組「前川清の笑顔まんてんタビ好キ」に登場したことでしょう。「前川清の笑顔まんてんタビ好キ」九州・沖縄・山口のテレビ朝日系列局で放送されている旅情報番組ですが、2013年11月24日放送のテーマ「#82 福岡・大野城市 円な心」にて紹介されました。福岡のベッドタウンとして人口が年々増加する大野城市は、ほかにもたびたびテレビに取り上げられますが、そのたびにかならずといっていいほどこの三浦鏝絵美術館が話題に上っています。
三浦鏝絵美術館のアドレス・アクセス方法
住所:福岡県大野城市下大利4-7-1 (JR鹿児島本線水城駅から徒歩5分ほど)
※三浦鏝絵美術館は閑静な住宅地の中にある私設美術館です。住民の方々の迷惑になるような行動は慎みましょう。また付近に駐車場はありませんが、最寄り駅であるJR鹿児島本線水城駅の駐車場が利用できます。
三浦鏝絵美術館の見学順序
三浦鏝絵美術館は自宅を改造した私設美術館のため、見学時は配慮を忘れないようにしたいものです。三浦鏝絵美術館のセンターとなる展示室にほとんどの作品は展示されています。位置的には地下のガレージを改造した展示室になります。他のドアは三浦さんの自宅の住居スペースに当たる可能性が高いため、案内される順序に従って作品を閲覧するように注意しましょう。
日本古来の伝統技術「鏝絵」を使用して、現代アートさながらに前衛的な作品が並ぶ「鏝絵美術館」。驚くほど普通の住宅街の中の、これまた一般住宅にこつ然と現れる不思議なアート空間に、だれしも不思議の世界に迷い込んだかのような錯覚に見舞われることでしょう。福岡中心地からもほど近いこの不思議ワールド「三浦鏝絵美術館」にぜひ足を運んでみてください。
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