大船観音

大船観音
photo by @reoreo_photo
東海道線からもドーンと見える白い物体は、高さ約25mの巨大観音様。1960年に完成したこの観音様の周りには戦没者を見舞う慰霊碑などが複数建てられています。観音様が人々の平和を守っていてくれてるようだと地元の人から親しまれているスポットです。最近ではゆるキャラ化された「大船観音のんちゃん」としても親しまれています。

周辺の類似スポットを地図で見る

大船観音の基本情報


【スポット】大船観音
【ふりがな】おおふなかんのん
【 住所 】神奈川県鎌倉市岡本1-5-3
【アクセス】JR東海道本線・横須賀線 大船駅 徒歩約5分
【最寄り駅】大船駅
【営業時間】9:00~16:00(最終入場15:45)
【 料金 】大人300円、中高生100円、小学生以下無料
【クーポン】公式サイトにて割引クーポンあり

大船観音
が含まれる観光マップ



大船観音 公式サイト

巨大な白亜の大仏様「大船観音」は穴場観光スポットだった

大船観音は鎌倉市にある曹洞宗の寺院です。

電車の車窓に突如として現れる白亜の仏さまの姿に驚きながら、結局は通過しただけで「あれは何だったんだ…」と謎のままの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

大船観音のご利益

1929年に「永遠平和」を願うために建築が開始されたこともあり、平和はもちろんのこと、息災除病、子供の無病成長、子宝、安産にご利益があると言われています。
特に子宝にはご利益があるとされ、絵馬には子宝祈願に訪れた人の願い事が書かれているのが目立ちます。特にタレントのジャガー横田さんが訪れ、その後お子さんを授かったことからさらに子宝にご利益があるパワースポットとして有名になりました。

大船観音の基本情報

交通案内

JR根岸線、横須賀線・東海道本線『大船駅』の西口が最寄となります。東京からで45分、品川から35分、横浜駅からは僅か15分というアクセスの良さです。駅構内に「大船観音」の案内矢印が出ていますので、それに従ってください。三門までおよそ5分です。

参拝案内

高校生以上の参拝料は300円。小中学生100円。お休みの日はなく、常に参拝可能です。

大船観音は桜の名所としてもかなり有名なスポットになっており、観音さまと桜を1枚の写真におさめるのは「鉄板」の1枚です。お花見の季節になりますと夜間の参拝も可能となります。桜のライトアップなどもあり、その光を受ける観音様がちょっぴりピンク色に染まるとか。

大船観音には「のんちゃん」なる”ゆるキャラ”がいます。おっとり優しい女の子(?)でザリガニ遊びが大好きという変わり者…。参拝時には思い出してあげてください。

参拝注意点

観音寺アプローチから観音さまの前まで階段を上っていく感じになりますが、ゆっくり上って行って10分程度です。普段着で何も問題はありません。

ベビーカーや車椅子の方については一応スロープが用意されていますが、一部は砂利道だったりしますので、頑張って押して上がる事になります。(口コミなどでも”ベビーカー押して上がれた。頑張った。”みたいなコメントがチラホラあります) 拝観自体は概ね1時間もあれば済んでしまう規模なのですが、この上り下りは事前に知ってないと面くらいます。

誠か嘘か?囁かれる都市伝説

大船観音様と鎌倉大仏様は付き合っていて、「大船の観音様は、鎌倉の大仏の後頭部を見ている」と真しやかに言われています。

実際には、鎌倉市街地方向を見ているには見ているそうですが、真後ろから後頭部を観察している…訳ではないそうです。

とはいえ、鎌倉の大仏さまは明応の大地震(1498年)の高潮で大仏殿を失い、その際にちょっぴり位置もズレたのでは?とも言われており、真実は定かではありません。

また地中に脚が埋もれていて、「実は夜になると立ち上がる」という噂もありますが、それも嘘です。

実際は立像を建立する案もありましたが、地質的に難しくその計画はなくなりました。

大船もう1つの”消えた”名所

ある年代以上の方に「大船」と問えば「観音さまでしょ?」ではなく「映画!」と返ってきます。

ここ大船にはかつて松竹の映画撮影所がありました。それまでは東京大田区の蒲田に撮影所を構えていた松竹は、蒲田周辺の工場騒音に嫌気を感じて大船に映ったと言われます。

撮影所は形態と規模を変容させながらも1936年から2000年という長期に渡って、ここ大船の代名詞でした。

松竹の代名詞と言われる「男はつらいよ」シリーズも、常にここ大船撮影所で製作されていました。

現在ではそこに松竹撮影所があったことを示すものは「松竹通り」という愛称のみとなっています。

大船:併せて訪ねたい名所

大船観音寺のある大船西口を訪ねた際は「神奈川県立フラワーセンター:大船植物園」を訪れてみてはいかがでしょうか?

四季折々の花や木を楽しめます。3月から4月にかけては植物園の一角の桜コーナーで多種の桜が順次開花。

その中には緑の桜として有名な「ウコン」「ギョイコウ」らもあります。また最近人気の「ネモフィラ」も4月~5月頃に開花するので要チェックです。

西口の名所と言えば、大船を代表する企業「大船軒」です。近隣で知らぬものはいない『鯵の押し寿司』の超老舗。

東京・品川・上野ら東京の主要駅や、羽田空港でも販売されたりする程です。大船西口にある工場は、資料館を兼ね、更には「お茶処」としても営業しています。

11時から15時(ラストオーダー14時半)という短時間にはなりますが、コーヒー・紅茶の他、隣の工場で出来たばかりの「押し寿司」も頂けます。

こちらの建物は昭和六年の建造物で、中に入るとその雰囲気や調度品のせいかタイムスリップした気分が味わえます。

大船駅東口は元々は先述の映画撮影所だったサイドで、西口よりもかなり発展しています。

それもあって、非常に活気ある商店街があり眺めて歩くだけでも楽しいのでオススメです。

大船は古の時代から鎌倉詣で利用される主要な街道の合流点で、交通の要衝として発展しており、様々な物資が行き交う場所でもありました。

その名残が今の商店街にあると思って歩くと、見え方も一変します。

大船観音寺の前後には、大船駅経由で「鎌倉」「江ノ島」へ快適にアクセスできます。

特にオススメしたいのは『湘南モノレール』を利用しての江ノ島入りです。

このモノレールは大船と江ノ島の間にある丘陵地を抜けていくのですが、懸垂式の車両で運行されており、特に運転席の真後ろに陣取って前方を眺めていると「空を飛んでいる」気分になります。

モノレールとは言え、それなりの速度が出るのでそこそこ揺れたりするのですが、それがアトラクションの様で非常に楽しいので、江ノ島アクセスルートとしてご検討ください。

大船観音レポ

とてもこじんまりとした寺院に、圧倒的な存在感の観音さま。桜の季節に訪れましたがそこまで混雑もしておらず、まだまだ穴場スポットとして紹介できる場所だと思いました。

街の象徴だった映画撮影所が無くなってしまった今、これからずっと大船のシンボルはこの観音さまなのでしょうね。

提案させていただいた「近隣の名所」と合わせると特に東京方面からの日帰り旅行先にぴったりです。

鎌倉や江ノ島が混んでいそうな時期に代替案として計画していただくことも出来ると思います。

大船観音建立の歴史

大船観音の歴史は1927年に「観音思想の普及を図ることで世相浄化に貢献」しようという気概を持った大船の地元有志が集った事に始まります。

当初は観音像建造費15万円を寄附金で集めることを目的として動き出しました。

基礎が整ったのはその2年後で、起工式の模様を伝えた新聞紙上には「奈良・東大寺の大仏の2倍の高さを誇る鉄筋造の観音さまが大船に」という風に書かれていたそうです。

ところが、このアイデアは早くに頓挫します。観音像建立予定地の地層・地質特徴が悪く、初期計画案の「立像(りゅうぞう:立った状態の像)」建立計画を断念する事となります。

代替案は「坐像(さぞう:座った状態の像)」だったのですが、こちらは「建立地の地形との調和が取れず相応しくない」との判断に至り、最終案が『胸像(きょうぞう:胸から上の像)』になったと言われます。

アイデアこそ定まれど、資金面での問題が計画を阻みます。まだまだ庶民は貧しく慎ましやかな生活を強いられた時代、募金は一向に集まる気配がなく、1939年には工事全体が資金難によって停止される運びとなりました。

そのあとの大戦期もこのプロジェクトは完全に世間から忘れ去られたままで時が過ぎていきます。1950年代に入り、日本が高度経済成長期に差し掛かると、世間の金回りが変わります。

1953年の大晦日に大きな転機が訪れました。東京急行電鉄の事実上の創業者であり、当時、日本屈指の実業家であった「五島慶太」は私邸に側近を呼び出し『私の友人が手がけたにも関わらず、手付かずで荒れ果てたままに未完成となっている大船の観音建立を成し遂げよ』との命を下します。

翌年には五島慶太を筆頭とした連名で「財団」を結成。大戦で命を落とした英霊を観音像に供養するという新たなアプローチが打ち出され、募金活動も再開されます。1957年に改めて起工式が執り行われ、そこから3年弱という短期間の内に観音様の建立が為されました。

落慶式は1960年4月28日の事です。1979年には財団としてではなく「宗教法人」としての活動に転換します。その過程で、横浜市鶴見区にある大本山総持寺との縁が生じ、1981年には正式に「大船観音寺」という寺院としてのお墨付きを神奈川県からいただく事となりました。

これが、電車から見えている真っ白な仏さまの正体なのです。本当ならばあの場所に立像があったのかもしれないですね。

現在の仏様は像高25mですから、これがもしも立像だったら奈良の大仏の2倍の大きさになっただろうと言われています。

神奈川のスポットを
ジャンルから探す

おすすめ記事




写真から探すその他の観光スポット




もっと写真を見る


SNS映えマップに戻る

Let's Apply!スポット情報拡充申請

スポット情報拡充の申請を行う機能を公開しました。システムによって問題ない情報と判断された情報は登録され、公開されます。

スポット情報拡充申請
日本最大級のSNS映え観光情報サービス。SNSの様々なデータを分析し、インスタ映え、ツイッター映え、定番スポットを地図上に表示。大手旅行会社である日本旅行やH.I.S.とも協業し、フォトジェニックスポットマップも提供。観光ガイドでは紹介されない、知る人ぞ知るニッチなスポットもカンタンに探せ、各スポットの特徴が3秒で分かる。