筒石駅
photo by @saota_photo
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筒石駅の基本情報
【スポット】筒石駅
【ふりがな】つついしえき
【 住所 】新潟県糸魚川市大字仙納字大谷
【アクセス】えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン 筒石駅
【最寄り駅】筒石駅
【営業時間】年中無休
【 料金 】無料
【クーポン】なし
290段の階段が待ち受ける、地底駅「筒石駅」
地底駅、と聞くとちょっと怖いイメージを抱くかもしれません。ですがそう表現するのにも訳があり、この筒石駅のホームがあるのが地下40メートルという、なんとも深い場所にあるからです。駅舎も地上ですし、駅員さんも地上に居ますが、ホームだけが地下深くに存在します。
筒石駅は何故、地下にあるのか
この筒石駅の路線であった「北陸本線」は、かつて海沿いにあったのですが何度も地滑りで通れない状態になってしまう場所だったそうです。
そこで内陸部に長さ11キロメートルもある「頚城トンネル」を作り出し、これを解決しました。この開通に伴い、筒石駅は廃止される予定だったものの、保安面の管理の役割も兼ねて頸城トンネルを作るときに使用された、作業用のトンネル内へと移動することになり、昭和44年(1969年)に筒石駅のホームは地下に埋まりました。
とにかく破砕帯と呼ばれる水気を含む土壌や、石油が湧き出す場所もあり、工事は困難を極めたそうです。なので今も、トンネル内はかなり湿っぽく、ところどころに水たまりがあります。
筒石駅へのアクセス
場所は新潟県糸魚川市、国道8号線から到着できます。周辺は緑にあふれた山で囲まれており、民家も見た限りでは1軒ぐらいしかないような、秘境ともいうべき場所でした。
駐車場もあるので、車で行くことも可能です。ただ2017年の夏にあった豪雨で、駐車場は今は狭くなっているという情報も耳にしました。実際に車で行くときには、気を付けたほうがいいかもしれません。今も現役で使われている路線ですので、観光目的で行く場合は一般の利用者の方の邪魔にならないように、注意した方がいいでしょう。
アクセス方法の1つとして、電車に乗っていき筒石駅で降りる、という方法もあります。日本海ひすいラインの各停、直江津行を利用すると糸魚川駅から筒石駅へ向かうことができます。普通列車しか止まらない駅であるうえ、電車も1時間に1本どころか1日に14本しか停車しないので、時間管理は必須です。例えば朝9時の電車が着た後は、2時間は次の電車がありません。どんなプランで行くか、きっちり考えてから行った方が安心です。
筒石駅へ訪れる際のポイント
入場券は大人1人あたり140円、子供は70円で購入ができるので、まずは駅舎で購入しましょう。
入坑・入場証明書の絵はがきを、一緒に貰うことができます。きっぷうりばで切符を購入できるの午前7時10分から午後6時までとのことなので、それ以外の時間に来ると見学できませんし、切符の購入もできないので要注意です。
他にも、地上にいる間に済ませておきたいポイントが2つあります。
1つ目は、お手洗いは済ませておくこと。トイレも駅舎にしかなく、ホームには設備がないそうなので、事前に済ませておくことをおすすめします。しかも、このトイレ、トイレットペーパーがないんです。色々理由はあるのでしょうが、郷に入っては郷に従え、きちんと水で流れるティッシュペーパーや、トイレットペーパーを持参して、綺麗に使いましょう。
2つ目は、駅に付き物の自動販売機もないので、訪れる前に飲み物を購入しておくことをおすすめします。夏場だろうが、冬場だろうが、かなりの距離を歩くことになるので水分補給は大切です。なにしろ地上から行く場合は、駅舎からホームまで10分くらいかかります。
筒石駅の内部について
駅に行く前には、大きな扉があります。これは、電車が通ったときに起きる突風を防ぐためのものだそうです。
ホームにたどり着くためには、階段を下りてから約100メートルの坂道を下り、行きたいホームの方へ降ります。最初に見えてくるのが富山方面のホームへ降りる階段で、こちらが280段。そして直江津方面の下りは、290段もあります。地下という危険度も高い駅なので、これだけ遠いのに筒石駅は有人駅で、列車が通過するたびに駅員さんが安全を確認すべく、この長ーい階段を上り下りしています。
そんな駅員さんが、かつてはもっと忙しくなる日があったんだとか。それは「青春18きっぷ」の販売日。こちらの筒石駅では「青春18きっぷ」の「赤券」と呼ばれる赤地の紙製が買えたのだそうです。なので、そのきっぷが発売された直後の週末には大勢の方が押し寄せて、売り切れてしまうほど大人気だったそうです。現在はJRからえちごトキめき鉄道の駅となったので、購入はできません。
筒石駅自体の利用客の大半は学生さんなどで、1日に30人前後だとか。一方で、観光目当てで来る人も多いので、そうした人向けに案内ボードが入り口に設置されています。こちらは周辺施設を案内しているので、時間があれば周辺散策も楽しそうです。
緩やかな階段を降り始めると、圧巻の光景が広がっています。長いトンネルに、ぽつぽつと吊るされたライト。苔むして、這いまわる配管や配線が、独特の雰囲気を醸し出しています。しっとりと濡れた地面は滑り易そうで、階段を駆け下りないよう注意してください。それに夏場でもとんでもなく寒かったので、防寒対策はしっかりしていった方がよさそうです。
この途中に、フェンスがあります。作業通路として、今でも頚城トンネルに直結しているためだとか。電車が通るたびに、風が吹き抜けていきます。
どんどん進んでも、進んでも、中々終わりません。トンネルの向こうにはうっすらと靄がかかっていて、幻想的な雰囲気を醸し出しています。湿気が凄く、結露の結晶がライトに照らされていて、異世界に来てしまったかのような不思議な気分になりました。
ホームは直江津方面と富山方面の2か所あるので、途中の案内板に従って何方に向かうか選んでください。どちらに進んでもだいぶ距離はありますが、電車がホームにやって来る様子を撮影したい場合は、その電車がどちらの線に来るかで選んでも良いと思います。更に階段を下っていき、ようやくホーム前の待合室につく頃には、ぐったりしてしまいます。湿度が夏場でも80パーセント近くあるので、湿気に弱い方には苦しい環境です。しかも何か、臭いがします。地下という理由もあるのでしょうけど、硫黄のような、やや鼻につく臭いです。
待合室、というより、トンネルの分岐部分のような姿をしています。ここに6つの椅子が置かれており、時刻表や温度計、時計などがあります。待合室からホームに入る入口は1か所だけで、注意事項が書かれています。
「ドアは必ず閉める」と「列車通過時は、ホームに出ない」というこの2つは、筒石駅でのお約束のようです。トンネルの中を列車が通り抜けるので、おそらく風圧が凄まじいせいだと思います。入線時の様子を撮影するには、通過する列車ではなく筒石駅に停車する列車を選んだほうがよさそうです。
ホームも手すりはありますが、かなり狭いのが印象的でした。左右にずーっと続くトンネル、何と言えばいいのか。明らかに、地下鉄とは違います。この違和感や不思議さは、実際に目にしないと感動が伝わりにくいです。言葉にするのがとても難しい、印象的な光景が続いています。
帰る時も、とんでもなく長いトンネルを登ります。エスカレーターやエレベーターは全くありませんので、頑張って戻りましょう。
それほどの地下にあるというこの駅は「トンネル駅」と呼ばれています。日本各地にも、山岳トンネル内にホームがある通年営業の誰でも行けてちゃんと使える駅はいくつかあり、筒石駅の他には湯檜曽駅、土合駅、美佐島駅、湯西川温泉駅といった4か所の駅が知られています。新潟旅行ついでに行ける駅なので、行きやすさはわりと良いほうかもしれません。
ちょっと目先の変わった駅に降りてみたい、異世界観を堪能したい、という人におすすめの場所です。
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