鎌倉宮
鎌倉宮の基本情報
【スポット】鎌倉宮
【ふりがな】かまくらぐう
【 住所 】神奈川県鎌倉市二階堂154番地
【アクセス】JR鎌倉駅から京急バス「大塔宮」行きで約10分、「大塔宮」バス停下車すぐ
【最寄り駅】鎌倉駅
【営業時間】9:00~16:30
【 料金 】無料
【クーポン】なし
悲運の皇子を想いをはせて訪れたい鎌倉宮
鎌倉宮(かまくらぐう)は、神奈川県鎌倉市二階堂にある神社です。
明治2年(1869年)に明治天皇によって護良親王(もりながしんのう)を祀るために建てられました。
地元では鎌倉宮を護良親王にちなんで「大塔宮」(だいとうのみや/おおとうのみや)と親しみを込めて呼んでいます。
そんな鎌倉宮の魅力を紹介したいと思います。
護良親王鎌倉宮を語るにはまず、護良親王について触れなくてはいけません。
護良親王は延慶元年(1308年)に後醍醐天皇の第3皇子として誕生しました。
6歳で京都の三千院、11歳で比叡山延暦寺に入室、尊雲法親王(そんうんほっしんのう)と呼ばれ、18歳で天台宗の座主となります。
元弘元年(1331年)に父の後醍醐天皇が「元弘の乱」を起こし、鎌倉幕府を倒そうとします。
しかし、天皇は幕府側に捕らえられ、隠岐(おき)に流れてしまったのです。
父に代わり、護良親王は還俗して反対勢力を集め、約2年間、鎌倉幕府と戦います。
1333年(元弘3年/正慶2年)、後醍醐天皇は流刑先の隠岐を脱出して、再び蜂起します。
足利尊氏や新田義貞らを味方にして、鎌倉幕府は滅亡へと追い込みます。
親王も、楠木正成らとともに鎌倉幕府打倒を目指して戦いました。
幕府が滅亡後には征夷大将軍に任ぜら、父の「建武の新政」を手助けします。
しかし、面白くないのは足利尊氏です。
親王は建武元年(1334年)11月15日、現在鎌倉宮の地にあった東光寺に幽閉されてしまいます。
翌年、14代執権北条高時の子北条時行が反乱(中先代の乱)を起こした際、足利尊氏の弟の直義によって殺害されてしまうのです。
親王は9ヶ月をも幽閉された身体では戦う事も出きず、わずか28歳という若さでその生涯を閉じたのでした。
鎌倉宮明治時代に入ると、明治天皇は、非業の最期を遂げられた護良親王を祀るために鎌倉宮を建設しました。
明治天皇は南朝を天皇家の正統としていたため、倒幕の貢献者・護良親王の悲劇の死を悼み、この地に神社を壮健し、「鎌倉宮」と名付けたのです。
長い歴史において、この鎌倉宮が唯一「天皇自らが創建」した神社です。
鎌倉宮観光情報
拝観料:中学生以上、大人まで300円、小学生150円
拝観時間:2月~11月 午前9時30分~午後4時30分、12月~1月 午前9時30分~午後4時 ※原則として、閉門の30分前までに入場する必要があります。
休日:年中無休です。
駐車場:大鳥居の左の鎌倉市観光協会直営の駐車場を利用できます。
鎌倉宮への交通アクセス
JR鎌倉駅の東口 京急バス4番のバス停から「大塔宮行き」に乗ります。「大塔宮」停留所下車してすぐです。
徒歩の場合、JR鎌倉駅、江ノ電鎌倉駅から30分ほどかかりますが、鎌倉の街並みを楽しむことができる鶴岡八幡宮経由がおすすめルートです。
JR鎌倉駅からまず鶴岡八幡宮へ向かいます。鶴岡八幡宮の舞殿(鶴岡八幡宮の階段下の建物)手前の広い道を右に曲がると「鎌倉宮」の看板が見えてきます。東鳥居から出て、大倉幕府跡を東へ向かうお宮通りにでます。お宮通りは金沢街道の岐れ路から鎌倉宮へ向かう参道です。看板も出ているので迷うことなく行く事ができます。
鎌倉宮散策スポット
厄割り石
大鳥居をくぐったら右手にある盃割り舎へ行きましょう。お賽銭を払って厄割り用の盃(かわらけ)を一枚受け取ります。自分の息をかわらけに吹きつけて厄を移し、石に投げつけて割ると厄除けになると言われています。杯割り舎は拝殿へ上がる階段の下の右手にもあります。
拝殿
境内を真っ直ぐ歩いていくと拝殿があります。参拝の中心になるところです。拝殿の中央には、「獅子頭」が置いてあります。護良親王が戦に向かう時に、兜の中に獅子頭の小さなお守りを忍ばせて、戦の無事を祈ったことに由来しています。獅子頭は悪いもの(厄)を食べてくれるので、幸せを招くという言い伝えがあります。
村上義光像(撫で身代わり様)
拝殿の右側奥には、護良親王の部下の村上義光の像が置かれています。「撫で身代わり様」と呼ばれ、自分の身体の悪い部分と身代わり様の同じ場所撫でると病気が治るとか。身代わり様が身代わりになってくれるのだそうです。村上義光は、護良親王が吉野の戦いで危地に陥った時、護良親王の鎧兜を身にまとい、「われは護良親王なり。切腹の手本を見せようぞ!」と言うと、壮烈な最後を遂げました。その間に護良親王は逃げ延びることができたそうです。村上義光はつらいことを引き受けてくれる「身代わり様」として、人々の信仰を集めています。村上社の周りには身代わり人形が沢山納められています。身代わり人形に願い事を書いて納めます。
本殿・土牢・神苑
拝殿の左側に、拝観受付があり、拝観料300円を払うと、御本殿や神苑などが拝観できます。ここには厄除けや幸運招来、交通安全、身代わりなどのお守りとして、獅子頭のお守りが販売されています。本殿の裏へとつながる道を進んで行くと護良親王が9ヶ月間幽閉されていた土牢跡があります。この土牢は幽閉された本物ではなく、再現されたものという説もあります。実際は土牢ではなく、建物の中に幽閉されていたなど、諸説あるようです。
土牢の前を通って神苑へ、ここには史跡が数多くあります。まず、目につくのは大きな鎌倉宮碑、鎌倉宮を創建した由来が書かれてあります。御構廟(おかまえどころ)は、足利直義の家臣淵辺義博によって斬られた護良親王の首がおかれた所です。鎌倉宮創建100周年を記念して、福島県の宇津峯神社から贈られた神石は、3つの石は護良親王、後村上天皇、後亀山天皇に見立てられています。
多宝塔とという石塔は護良親王の遺児とされる日叡(日蓮宗の僧侶)が教えを受けた師のひとり、日賢上人の供養のために弟子たちが建てたものです。教育勅語の碑には、明治23年(1890年)に明治国家が発布した教育理念である教育勅語が刻まれています。入り口の方へもどると、左手に宝物殿があります。ガラス越しに、護良親王像や護良親王馬上像など、さまざまな宝物を見ることができます。
護良親王の墓
護良親王の墓は鎌倉宮にはありません。鎌倉には護良親王の墓と言われるところが2ヶ所あります。ひとつは、急な石段を登った山頂に、石垣で囲まれた理智光寺跡です。足利直義の命により護良親王を殺害した淵辺義博は、護良親王の凄まじい死顔に恐れをなして、この辺りの薮の中に捨てたそうです。それを当時の理智光寺の僧侶が拾って山上に埋葬したと言われています。現在は宮内庁が管理しています。もう一つは妙法寺の境内奥の山上にあります。護良親王の遺児・日叡(にちえい)が妙法寺を創建し、父親王の墓(供養等)を境内に建てたといいます。
鎌倉宮の主な1年の行事
「歳旦祭」「元始祭」:年の初めに行われる祭りです。
月首祭:2~12月の月の初めに行われる祭りです。
月次祭:護良親王の命日にあたる毎月20日には『つきなみさい』が執り行われています。
節分祭:本殿で「節分祭」、拝殿で「鬼やらい神事」が行われた後、社殿前の特設ステージで豆撒きが行われます。
草鹿神事:5月5日 端午の節句に行われている行事です。起源は、鎌倉時代の武士の射術鍛錬と言われています。鹿のかたちをした的に向かって矢を放ちます。
例祭:8月20日、護良親王のご薨去の日をもとに定められた鎌倉宮最大の祭典です。19日に前夜祭、21日には後鎮祭が行われます。
薪能神事:10月上旬、境内に能舞台を設けて行われます。
「師走の大祓式」「除夜祭」:12月31日「師走の大祓式」1年の罪や穢れを清め祓う神事です。「除夜祭」鐘を108鳴らして1年間の煩悩を祓います。
鎌倉宮の季節の見どころ
1月~2月:大鳥居の前に植えられている河津桜は毎年年明けに咲き始め、1ヶ月ほど楽しむことができます。
5月~6月:鎌倉宮のあじさいは比較的少ないため、あじさいの穴場的スポット的存在です。「神苑山あじさい散歩道」というイベントも行われます。
11月~12月:初旬鎌倉宮は紅葉の人気スポットです。首塚がある本殿奥の神苑がおすすめです。また、社務所前にある楓の大木が美しく、名所となっています。ご朱印とご利益ご朱印は、手水舎の反対側に建つ社務所で頂くことができます。
社務所受付時間:午前9時~午後4時
初穂料:300円
御朱印は境内右手の社務所で拝受することができます。鎌倉宮オリジナルの朱印帳も用意されています。
鎌倉宮のご利益は、厄除けや身代わりのほか、商売繁盛、所願成就、安産祈願など様々です。
中でも厄割り石の厄除けや撫で身代わり様の身代わりのご利益が有名です。
小賀玉の木は倉市指定の天然記念物にもなっています。
鎌倉宮のご神木で、創建時に植樹されたものと言われています。
社務所の前に植わっており、幹に空洞も枯渇もなくきれいな木肌をしています。
ご神木ですから大きなパワーを頂くことができます。
鎌倉宮と一緒に散策したい周辺の観光スポット
荏柄天神社(えがらてんじんじゃ)
福岡市の太宰府天満宮、京都市の北野天満宮とともに学問の神様、菅原道真を祀る神社です。現在の社殿は、享保年間に再建された朱塗りのもの。境内にある銀杏は、鎌倉一の大銀杏として有名です。
杉本寺(天台宗)
初の大僧正となった行基の開山した鎌倉最古の寺。三体の十一面観音を本尊としています。坂東三十三箇所・鎌倉三十三箇所の第1番札所です。苔寺としても有名です。
報国寺(竹寺)
天岸慧広の開山により創建されたと伝えられている済宗建長寺派の禅宗寺院です。本堂は南北朝時代の建立で、本尊の釈迦如来坐像が祀られています。
永福寺跡
源頼朝により建立された寺院。奥州合戦で亡くなった弟・義経や藤原泰衡ら数万の霊を供養するために建てられました。応永12年(1405年)の火事で焼失したと言われています。現在は、鎌倉時代を代表する遺跡として国の史跡に指定され、史跡を生かした公園として整備工事が進められています。
瑞泉寺
臨済宗円覚寺派の寺院、開基は二階堂道蘊。四季を通じて梅、桜、紅葉を楽しめる名所として知られています。
浄妙寺
鎌倉五山の第五位の格式ある浄妙臨済宗建長寺派の仏教寺院。
代々足利家の菩提寺であり、本堂裏手の墓地には、足利尊氏の父である貞氏の墓と伝えられる石塔があります。
境内には「石釜ガーデンテラス」というレストランがあり、知る人ぞ知るグルメスポットでもあります。
人気観光スポット鎌倉にある由緒ある鎌倉宮は、季節によって楽しみ方も違うため、いつ訪れても楽しめます。
観光名所も多く、1日かけてのんびりと周辺スポットも一緒に散策したいですね。
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