小杉の大杉
photo by @sakurako.1122
小杉の大杉の基本情報
【スポット】小杉の大杉
【ふりがな】こすぎのおおすぎ
【 住所 】山形県最上郡鮭川村曲川小杉地内
【アクセス】JR新庄駅から車で約30分
【最寄り駅】新庄駅
【営業時間】年中無休
【 料金 】無料
【クーポン】なし
小杉の大杉
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「トトロの木」で有名な山形県の「小杉の大杉」
「小杉の大杉」は山形県の北部、最上郡にある巨大な杉の木です。樹齢は700年から800年と推定されていますが、一説によれば1000年を超えているという説も有力な歴史豊かな古木です。高さは約20メートルという巨大な杉で、こんもりと茂っててっぺんが尖った木の様子から、人気の宮崎アニメ「となりのトトロ」にちなんで「トトロの木」とも呼ばれています。
小杉の大杉の概要
「小杉の大杉」があるのは山形県最上郡鮭川村曲川です。最上郡鮭川村は山形県の北部にあり、その名前の通り毎年遡上してくる「鮭」が名物です。
そんな人口5000人ほどの村ですが、その見どころが「小杉の大杉」で、この木を目当てに多くの観光客が訪れます。
小杉の大杉は「神代杉」とも呼ばれる種類の天然杉で、推定の樹齢は約700年から1000年、木の高さは約20メートル、幹の太さだけでも約6.3メートル、最も張った枝の部分は約17メートルという非常に大きな巨木です。その大きさと古さから、鮭川村の指定文化財と、天然記念物に登録されています。
幹は三又に分かれ、その根本には山神様が祀られています。
「小杉の大杉」とは、一見変わった名称のようですが、これは鮭川村の「小杉地区」にある大きな杉という意味。しだいにそれが短くなり「小杉の大杉」と呼ばれるようになりました。
小杉の大杉の歴史
小杉の大杉は古くからここに存在している古い木で、そのため木については様々な伝説が残されています。
最も有名なのは、新庄藩初代藩主が体験したという出来事です。土地の記録や伝承を書き残したという「新庄古老覚書」によれば、その昔、新庄藩の藩主が正月の鷹狩りでこの小杉の大杉の近くを訪れたことがありました。そのとき、突然猛吹雪に襲われて、藩主一行は杉の下でしばらくの間、風と雪をしのぐことになりました。
その後、ようやく雪と風がやんだため、一行は再び歩き始めましたが、そこで藩主が振り返ったところ、緑が茂って幹も見えないような巨大な木が目に入ります。そのあまりにも大きな木の様子に心打たれた藩主は、案内をしていた土地の人間に、これはどのような木だと尋ねます。
それに答えた案内の人間は、「この木は殿様を案内することはもちろん、見せてもいけない木だ」と語りましたが、今は突然の猛吹雪のため、仕方がなく案内したと言います。
さらに、案内人は藩主に「この木は曲川の杉という大木で、昔は近くにもう一本気があり、2本が揃っていたのですが、その噂を聞いた当時土地を治めていた大名である最上義光がこの杉を切り倒してしまいました。それ以来、この土地には悪いことが起きるようになり、現在でも食べるものに困るような貧しい土地になってしまいました。そのため、もし今の藩主がこの木を切り倒してしまえと命じたときには、この村は一層貧しく、何もない土地になってしまいます。だから、この木は秘密にしていました。どうかこの木のことは他では話をしないでください」と伝えます。
藩主はその話に感じ入り、木のことは見なかったことにしようと立ち去ろうとしますが、そのときにもう一度木を振り返ると、不思議なことに杉の木は普通の杉の木と同じように見えました。さらに藩主は不思議に思い、その後、この木を切り倒すことなく、ご神木として現在に伝えられるようになりました。
このほかにも小杉の大杉には様々な不思議な出来事が伝説として残されています。
小杉の大杉と「となりのトトロ」
小杉の大杉は、昔は知る人ぞ知る杉の古木でしたが、現在では「トトロの木」としても全国的に知られるようになりました。小杉の大杉が「トトロの木」と呼ばれるようになったきっかけはその形に理由があります。山間の田畑の間にたたずむ小杉の大杉は木や枝が生い茂り、ふっくらとした姿です。しかも幹が途中から二本に分かれているため、もっとも高い部分が耳のようにとがって見えます。
この姿が有名になり、小杉の大杉はJRのポスターに使われるようになりました。さらに最近では、誰でも行ける絶景を集めた人気の書籍「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景 日本編」などでも紹介されるようになり、それ以来、小杉の大杉は大きな人気を集めるようになりました。
ただし、この木を見る時にはどこから見るかと言う角度も重要になります。トトロの木の手前には、簡単な展望台も設けられていますが、ここからでは一番高いところが三つあるように見えてしまいます。耳が三つるようになってしまうので、上手くトトロにはなりません。そのため、小杉の大杉を訪れたときには、近くに設置された説明書きなどを参考にしながら、自分なりのトトロが見える場所を探してみるのがひとつの楽しみ方になっています。周辺にはベンチも設けられているため、ゆっくり座って眺めることも可能です。
小杉の大杉は縁結びのパワースポット
小杉の大杉は「トトロ」に似ているというだけでもなく、縁結びのパワースポットとしても知られています。実は小杉の大杉は、地元では古くから「夫婦杉」「縁結びの杉」として、夫婦円満のご利益や、夫婦がこの木の下で手をつないで休むと、子宝に恵まれるといった言い伝えもあるほどです。
この小杉の大杉が縁結びにご利益があると言われるようになったのは、木の形に理由があります。小杉の大杉の根本をよく見てみると、木の根元が二本に枝分かれしているのが分かるはず。これがトトロの耳のように見える理由でもありますが、昔の人はこの枝分かれしている様子を、仲のいい夫婦になぞらえ、縁結びや子宝のご利益があると言い伝えてきました。
現在でも、トトロの木を訪れる人の中には、良縁や子宝に恵まれるようにと願掛けする人も少なくありません。
なお、こちらの木は安産にもご利益があると言われているので、もし良縁や子宝、安産の祈願を行うときは、木の根元のお社にお参りしてみてはいかがでしょうか。
小杉の大杉の魅力
小杉の大杉の大きな魅力は、トトロのように見える形や、縁結びのパワースポットであることはもちろん、自然豊かな周囲の環境にあります。
小杉の大杉の周りにあるのはなだらかな山や田んぼ、畑などののどかな田園風景。ビルやコンビニ、スーパーなどと言った商業施設はもちろん、少し歩かなければ民家もありません。見渡す限りの山の緑はリラックスするのにはぴったりの環境です。山間の環境ながら、ゴルフ場などの開発の手も及ばず、昔ながらの自然が残る風景は見ているだけできっと心が癒されるはず。
その風景はまさに映画の「となりのトトロ」の世界と言えるでしょう。トトロの木の可愛さに癒されることはもちろん、あわただしい都会の疲れを癒したいという人にとっても、小杉の大杉は魅力いっぱいのスポットと言えるかもしれません。
小杉の大杉へのアクセス
小杉の大杉へのアクセスは、山形新幹線かの新庄駅から車・タクシーで約30分。新庄駅からは県道308号線、または国道458号線経由となります。小杉の大杉の手前には、約8~10台程度が利用できる駐車場があり、そこから農道経由で徒歩一分です。
ただし、駐車場から小杉の大杉までの農道は11月から3月までの冬季は大雪のため閉鎖されているので、冬季の訪問は注意が必要です。
また、周辺は私有地になっているため、いい角度を探して田んぼや畑などに足を踏み入れてしまわないように注意しましょう。
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